“橋本氏「体育科入試中止」で波紋”という記事の中に、共栄大教育学部長・藤田英典さんと教育評論家・尾木直樹さんの話があった。藤田さんの話はまともな見解だと思ったが、尾木さんの話にはガッカリした。次のように談話が掲載されていた。
『ボーイング787がトラブル多発で全面的に運行停止したのと同じで、入試中止は子供を守るためだ。橋下市長は権限の範囲内のことをやっているだけ。本来なら教育委員会がもっと自浄能力を発揮すべきだ』
学校を飛行機に例えるのは間違い。きちっと設計をし、部品を間違いなく組み立て、試験飛行を通じて安全確認をしてから乗客を乗せる人工物におけるトラブルと学校という生身の人間で構成される集団でのトラブルは質的に異なる。
しかし、この例えで、橋本氏のイメージしている学校観は飛行機と等号で結ばれているのだということに気づかされた。さしずめ、教育委員会=管制室、校長=機長、教職員=客室乗務員、生徒、保護者=客となろうか。そう考えると一連のヒステリックな発言も理解できる。
だから、尾木さんにはこう言ってほしかった。
『ボーイング787がトラブル多発で全面的に運行停止したのと同じような発想で入試中止は子供を守るためだと言っているが、学校は飛行機とは次元が違う。たくさんの人間がさまざまに関わり合う中で運営されていく。したがって予期せぬさまざまなトラブルが発生する。そのトラブルを解決しようとする過程で教科学習では得られない多くのことを学び成長するのです。生徒はがっこうのお客ではなく主人公です。今回のトラブルと入試は切り離すべきです』
私が若かった時、尾木さんは民間教育団体であった(正確な名前はわすれたが確か)全国進路教育研究協議会の中心として実践報告されていた。その時に上のようなことを尾木さんから学んだ。『問題があるから悪いのではない。問題を見て見ぬふりをせず解決していくことこそ大切』はその後退職するまで私の教育実践の大きな柱となった。解決の過程で自分自身を含め、多くの生徒、教職員が成長する姿を見てきた。その具体的な話はまたする機会があると思う。
そういう思い出があるからよけいに尾木さんのコメントに失望したのである。
橋下さんにはこう言って欲しかった。
『今回、痛ましく不幸な出来事のため多大な混乱と不安を招き申し訳けありません。しっかりと調査、検討した上ではっきりした問題点は責任を持って解決していきます。ですから安心して受験して下さい。
そして、合格したならば2,3年生の先輩と教職員と一緒に、今までの伝統の上に新しいものを創りあげていって下さい。みなさんのフレッシュな感覚こそ必要です。何かを与えてもらおうというお客さん気分では学校はよくなりません。学校の主役は君たち生徒です。』
『ボーイング787がトラブル多発で全面的に運行停止したのと同じで、入試中止は子供を守るためだ。橋下市長は権限の範囲内のことをやっているだけ。本来なら教育委員会がもっと自浄能力を発揮すべきだ』
学校を飛行機に例えるのは間違い。きちっと設計をし、部品を間違いなく組み立て、試験飛行を通じて安全確認をしてから乗客を乗せる人工物におけるトラブルと学校という生身の人間で構成される集団でのトラブルは質的に異なる。
しかし、この例えで、橋本氏のイメージしている学校観は飛行機と等号で結ばれているのだということに気づかされた。さしずめ、教育委員会=管制室、校長=機長、教職員=客室乗務員、生徒、保護者=客となろうか。そう考えると一連のヒステリックな発言も理解できる。
だから、尾木さんにはこう言ってほしかった。
『ボーイング787がトラブル多発で全面的に運行停止したのと同じような発想で入試中止は子供を守るためだと言っているが、学校は飛行機とは次元が違う。たくさんの人間がさまざまに関わり合う中で運営されていく。したがって予期せぬさまざまなトラブルが発生する。そのトラブルを解決しようとする過程で教科学習では得られない多くのことを学び成長するのです。生徒はがっこうのお客ではなく主人公です。今回のトラブルと入試は切り離すべきです』
私が若かった時、尾木さんは民間教育団体であった(正確な名前はわすれたが確か)全国進路教育研究協議会の中心として実践報告されていた。その時に上のようなことを尾木さんから学んだ。『問題があるから悪いのではない。問題を見て見ぬふりをせず解決していくことこそ大切』はその後退職するまで私の教育実践の大きな柱となった。解決の過程で自分自身を含め、多くの生徒、教職員が成長する姿を見てきた。その具体的な話はまたする機会があると思う。
そういう思い出があるからよけいに尾木さんのコメントに失望したのである。
橋下さんにはこう言って欲しかった。
『今回、痛ましく不幸な出来事のため多大な混乱と不安を招き申し訳けありません。しっかりと調査、検討した上ではっきりした問題点は責任を持って解決していきます。ですから安心して受験して下さい。
そして、合格したならば2,3年生の先輩と教職員と一緒に、今までの伝統の上に新しいものを創りあげていって下さい。みなさんのフレッシュな感覚こそ必要です。何かを与えてもらおうというお客さん気分では学校はよくなりません。学校の主役は君たち生徒です。』