素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

『てっぱん』再放送も明日最終回

2013年09月27日 | 日記
 『第83作目の連続テレビ小説「てっぱん」は、お好み焼き屋を開業することになったヒロインあかりの奮闘を、笑いと涙で綴る「鉄板繁盛記」。舞台は大阪と広島・尾道。イケズなばあさんから学ぶ“知恵”と“情け”、ガンボな孫娘を通して知る“夢”と“愛”、1枚の鉄板が、ふたりの世界を広げていく! 』という風にNHKの番組紹介はなっているが、これは縦糸。改めて再放送をじっくりと見てきたが2人を取り巻くさまざまな事情を抱えながら生きている人間模様が横糸となっている。親子関係をはじめとして世の中にあるさまざまな人間関係がギュッと詰め込まれ見事な布になっている。
 ‟食”と‟音楽”を巧みに織り交ぜて「家族とは何か?」という根源的な問題とがっぷり四つに組んでいるので2回目であっても見応えがあった。明日が最終回かと思うとさびしい。

 今月初めに出た「婚外子相続格差は違憲」という最高裁大法廷の判決を契機に『家族』の問題がクローズアップされている。今の日本においては「多様な家族の形」の存在感が増してきた。それにともなって従来の法律との間で様々な矛盾が生じている。

 そのことを前にして、2つの潮流が激しくぶつかっているのが現代である。1つは従来の価値観と折り合いをつけながら、さまざまな家族の形に寛容で、互いに価値観を押し付け合うことのない社会にしていくために法改正などをしていくという流れ、それに対してもう1つは自民党の憲法改正案に代表される親族の範囲や親子、婚姻の規定を定め血縁を重視してきた明治民法を死守するという流れである。

 司法の方は前者の流れになりつつあるが、立法、行政府は後者に固執する。そのことを特集した(2013.9.24毎日)記事の中で、20代で祖父の家の養子となり、事実婚や離別を経て、卵子提供で50歳で男児を出産した自民党の野田聖子総務会長は「家族の形は、政治がこうあるべきだと決めてはいけない。その人が『家族だ』という形を尊重する寛容な社会を作りたい」と話してる。その障壁は国会に頑としてそびえているという。そこで「自分の歩んできた人生以外は受け入れられない人たちが、国会議員に多すぎるんです。イマジネーションの欠如です」と断じている。

 「てっぱん」を見れば、イマジネーションの欠如が補えるのにと思った。
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