素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

隙間時間

2023年11月12日 | 日記
 今日の朝刊で、大橋純子さんが亡くなったことを知った。73歳。「あ~また一人」とため息をついた。♪シンプル・ラブ♪♪シルエット・ロマンス♪などはランニングのBGMとして長く聴いてきた。先に亡くなったもんたよしのりさんとのデュエット曲♪夏女ソニア♪はカンフル剤だった。今日の余録も大橋さんへの弔辞だった。その中で大橋さんの「歌手のいいところは、歌を残しておけること」という言葉を紹介していた。「虎は死して皮を残す、歌手は死して歌を残す」これからもランニングのお伴にさせてもらおう。

 同じ朝刊で海原純子さんの「新・心のサプリ」のタイトル『隙間時間]に目が留まった。海原さんはコロナ禍が一段落してから、時々疲労感を感じることが増えたとある。その一因に生活の「隙間時間」が消えていることがあるという。

 「隙間時間」は「無駄」な時間という部類に入れられるかもしれない時間だが、海原さんはその両者に明確な線を引いている。コロナ禍の間はオンラインを活用し、仕事が非常に効率的にできるようになった反面、一つの業務から次に移るときの隙間がなくなり、集中を常に持続する生活となり疲労度が高くなるというのだ。仕事と仕事の間に少し歩いて季節を感じたり、近所のパン屋さんに買い物に出かけたりする、なんということもない時間を「隙間時間」と呼び、この一見無駄なように見える時間が心の疲労をとってくれていたのだと思い到ったのである。私がよく使う「自分だけの時間」と通じるものがある。

 海原さんにとって無駄な時間は、人のうわさ話をしたり、嫉妬したり、悪口を言ったりする時間だと言う。あの時こうすればよかったと過去を憂い人のせいにするのも無駄な時間で、そこからは何も生まれない。と言い切る。同感である。

 海原さんは仕事上、企業で働く人たちと面談する機会も多い。そして朝から夜遅くまで全く隙間時間がなく働いている人が多いことに懸念する。
「会社から帰り家は寝るだけののような生活は隙間が全くない。散歩も本を読む時間もなく一人で自分と向き合う時間もない。隙間時間がないと心のゆとりも生まれにくい。だからせめて週末に自分だけの隙間時間を作るようにと提案することがある。隙間時間は人によっては、飲み水のように大事なものということがある。」

 思い返せば、私が仕事をしている時の貴重な「隙間時間」は家と職場を往復する車の中で過ごす時間だった。今は「隙間時間」だらけに見えるが、そうでもない。携帯電話の存在が結構大きい。ジムのロッカーに携帯を入れて外からの情報を遮断した2時間ほどが自分の心身に向き合う貴重な時間である。
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