「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

予定調和、見事にまとめています『悪意』by東野圭吾

2018年12月11日 | 小説レビュー
~人はなぜ人を殺すのか。 東野文学の最高峰。
人気作家が仕事場で殺された。第一発見者は、その妻と昔からの友人だった。
逮捕された犯人が決して語らない「動機」とはなんなのか。
超一級のホワイダニット。加賀恭一郎シリーズ(内容紹介より)


図書館で予約した本が一気に4冊届いた為に、とりあえず一番時間がかかりそうな『破戒』から読むことにしました。

しかし、これがまた、中々の読み辛さで、70頁ほど読んだところで、「読みきるのに一週間かかるかも知れん・・・(‐_‐;)」と、ひとまず『破戒』は置いといて、読みやすそうな『悪意』から読むことにしました。

まぁ、さすがの手腕ですわ!東野圭吾氏の文章は読みやすい!そして惹きつける!

いつも前情報ナシで読み始めるんですが、序盤のところで、「おっ!これは面白そうや!」と思ったのも束の間、「加賀恭一郎」の名前が出てきて、「あ~・・・加賀恭一郎シリーズかぁ・・・、アカンなぁ~(-_-;)」と思ってしまいました。

だって、加賀恭一郎は名刑事ですよ、どんなトリックも完璧に見破る男ですよ、なので「ええっ!そんな展開!?」ってことがないんですよね。

最後には必ず事件が解決して、動機も手順も全て白日のもとに晒されるんです。

したがって、面白みにとか意外性には欠けてしまうんですね。

謎解きが好きな読者ならいいかもしれませんが、思いもよらぬ大どんでん返しや展開の妙、「どうなんのよ・・これからの展開は?」と、いうドキドキを求めている僕にとっては、イマイチなストーリーです。

かといって、ダメな本ではありません。

トリックも見事ながら、殺人の動機から周到な準備、そして実行へと移していった犯人の心理などを巧みに描いていますし、犯人の手記や、色んな関係者が次々と二人の過去について語っていく場面もオモシロかったです。

新幹線往復などの時間ある時のお供には最適の「加賀恭一郎シリーズ」です。

★★★3つです。

朝から100発!

2018年12月09日 | ゴルフ
今週の土曜日に久しぶりのコンペが入っているので、犬の散歩に行って、その後7:00から早朝練習にきました!

ドライバーから、FW、アイアン、アプローチ、アイアン、FW、最後にドライバーと、一通り打って、締めました(^_^)v

まぁ、こんなもんでしょう(^_^;)))

期待しましたが、期待はずれ『ナラタージュ』by島本理生

2018年12月08日 | 小説レビュー
~壊れるまでに張りつめた気持ち。
ごまかすことも、そらすこともできない―二十歳の恋。
これからもずっと同じ痛みを繰り返し、その苦しさと引き換えに帰ることができるのだろう。 あの薄暗かった雨の廊下に。
野間文芸新人賞を最年少で受賞した若手実力派による初の書き下ろし長編。「BOOK」データベースより


島本理生氏のファンには申し訳ないですが、全ぁ~ったくオモシロくなかったです(-_-;)

「何かあるはず!」と強く信じて最後まで読みきりましたが、何にもありませんでした。

女子高生と部活顧問(当時)の先生の恋愛ストーリーが卒業後まで続いてるという物語です。

色々なスパイスは散りばめてあるので、そこから強烈なエピソードが立ち上がる期待感はあったんですが、なんか散発的で、スムーズな盛り上がりはなかったです。

キャラクター作りも、「この登場人物が必要か?」と思いましたし、全てが中途半端に感じます。

確かに、繊細な心理描写、情景描写、ファッション等への細やかな心配りを感じることが出来ましたが、逆にいえば、その文章から匂い立つものが感じられず、蛇足というか、いたずらに文章量をふやしているだけで、だらけさせてしまっている感じがしました。

この作品が、どうして映画化されたり、評価が高かったりするのか理解できませんが、機会があれば、もう一作品ぐらい読んでから島本氏への評価を決めたいと思います。

★★☆2.5です。

思いやりの輪が広がりますように・・・(*^_^*)

2018年12月04日 | 雑感・日記的な
今日は午後から雨が降ったりやんだりの空模様でした

お昼ご飯を食べに出かけた時は全く降る気配がなかったので、傘を持たずに出て、職場から歩いて5、6分くらいの喫茶店に行きました。

ランチを食べていると喫茶店のママさんが、「あら、雨が降ってきたわ」と表を見ながら言っている声が聞こえました

「傘持って来てへんやん・・・

暗い気持ちでご飯を食べ終え、雨が止むのを待っていると、しばらくしたら空が明るくなってきて「おっ!上がったかこの隙に帰ろう」と急いで精算してお店を出ました。

半分ぐらい帰って来たところで突然、ザーッとキツめの雨が降ってきて「こらアカン、緊急避難や」と、知らない家の軒先で雨宿りをしていました。

スマホで囲碁をやりながら上がるのを待っていると、「良かったら、この傘使ってください返さなくていいですからね」と、これまた見知らぬ向かいの家の奥さんが、ビニール傘を貸してくださいました

「ありがとうございます必ず返しにきます」と、思いやりの傘をさしながら、お蔭様で雨に濡れることなく職場まで帰り着きました。

自分が困っているときに、見知らぬ人の温かい思いやりに触れることによって、「あぁ、俺も困っている人があったら、自分に出来ることをしてあげよう」という気持ちになります。

ほんの小さなことでいいと思うんです。身体の不自由な方や、小さいお子さん、お年寄り、道に迷っているような人、そして不意のアクシデントで困っている方を見かけたら、恥ずかしがらずに一歩踏み出して、自分に出来ることをしてあげましょうきっと、その優しさは相手や周りの人を幸せな気持ちにするはずです。

そうやって思いやりの輪が広がっていくことを願います

可もなく不可もなく『リオ』by今野敏

2018年12月04日 | 小説レビュー
~「彼女が容疑者だとは、思えない」警視庁捜査一課強行犯第三係を率いる樋口警部補は、荻窪で起きた殺人事件を追っていた。
デートクラブオーナーが殺害され、現場から逃げ去る美少女が目撃される。
第二、第三の殺人が都内で起こり、そこにも彼女の姿が。
捜査本部は、少女=リオが犯人であろうという説に傾く。
しかし、樋口の刑事の直感は、“否”と告げた。名手が描く本格警察小説。「BOOK」データベースより


『隠蔽捜査』シリーズで大絶賛(個人的に(^_^;))の今野敏氏の作品です。

『警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ』の第一作目『リオ』ですが、1996年7月に発売されているんですね。

僕の大好きな『隠蔽捜査』は2005年9月発売なので、『リオ』から約10年の歳月が流れています。

その歳月分なのかわかりませんが、『リオ』は、まぁなんともシンプルで、どんでん返しもなく、キャラクターもそれなりで、なんか教科書のような作品でした。

『隠蔽捜査』シリーズに共通する、緊迫感、重厚さ、そして名言や、「ほほぅ~そうきたか」というようなものはほとんどありません。

全体的に「薄ぅ~く伸ばしたような」内容で、殺人事件が起こり、容疑者が逮捕され、しかし真犯人は別にいて、署内での捜査方針の対立や、自分自身の葛藤など紆余曲折を経て、最後にはハッピーエンドという、ありきたりな内容でした。

一応、『警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ』も、『朱夏』、『ビート』と、あと2作貸してくれたはるんですが、まぁボチボチ読んでいきたいと思います。

今作に関しては、可もなく不可もなく、
★★★3つです。

常に名作!『隠蔽捜査 4 転迷』by今野敏

2018年12月01日 | 小説レビュー
~大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。
外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。
さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。
次々と襲いかかる難題と試練―闘う警察官僚竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。「BOOK」データベースより


いやぁ~おもしろい!まさに『おもしろ地獄』です(^o^)

読み出したら止まりません!同僚から借りた『隠蔽捜査シリーズ』ですが、通勤電車の中、昼御飯を食べながら、家に帰ってから・・・、寝食を忘れるほどではありませんが、手元から離せません!

何が良いって、竜崎がいいんですよ!

ミステリー小説にありがちな、犯人が巧妙に仕立てたトリックを名探偵が推理していき、謎を解き明かし、最後に鮮やかに「犯人はあなただ!」となる。

それはそれでおもしろいのですが、現実味がないというか、イマイチのめり込めないんですよね。

しかし、この今野敏の隠蔽捜査は、竜崎という警察官僚が、これまでの常識や前例、慣習、そして勘違いした権力構造に対して、毅然と整然と最も合理的かつ大胆な発想、そして明晰な頭脳と手腕で立ち向かっていくという話です。

今野敏氏は、警察組織のことはもちろんのこと、その他の様々な社会情勢について、とても詳しく調べてあり、突拍子もない出来事や人物などは出てきません。

よって、物語は極めてクールに現実的に進んでいき、そして気持ち良く収束していきます。

そのプロットと文章力には脱帽というか、大きな拍手をおくりたいです!

隠蔽捜査シリーズの5冊目を読み終えた訳ですが、竜崎の前に立ちはだかった、かつての敵(警察内部の常識人たち)は、次第に竜崎の真っ当な論理と行動に脱帽し敬慕の念さえ抱きます。

僕も小さな組織で働く一人ですが、竜崎の思考論理を参考にしながら、仕事に励みたいと思います。

★★★☆3.5です。