フランス語読解教室 II

 多様なフランス語の文章を通して、フランス語を読む楽しさを味わってみて下さい。

Paris en couleurs

2008年03月26日 | Weblog
Lecon 140

Paris en couleurs

 Paris, par sa beaute’ et son mouvement, attire les regards. Regards passionne’s et aiguise’s des photographes et cine’astes, qui trouvent en notre capitale une source ine’puisable a` leur cre’ation. De Paris les te'moignages photographiques sont nombreux. Doisneau, Ronis, Brassai et tant d'autres l'ont ainsi scrute' et de'couvert, en de merveilleux tirages noir et blanc, race's et contraste's, dont e'mane le parfum d'un Paris re'volu aux accents volontiers nostalgiques, De`s lors, le contraste avec les cliche's d'un Paris en couleurs est plus que saisissant. De ce proce'de' que l'on croyait re'serve' a` la seconde moitie' du vingtie`me sie`cle, on de'couvre non sans surprise qu'il fut commercialise' sous le nom d'Autochrome par les fre`res Lumie`re il y a de'ja` un sie`cle. Les images qui nous reviennent aujourd'hui de'voilent un Paris joyeux et vivant.
 Cette exposition, Paris en couleurs, rend hommage a` tous les artistes, francais et e'trangers, contemporains ou plus anciens, qui ont voulu et su prendre le pouls de notre capitale. Chaque photographie est une re've'lation. Des tirages de Gise`Le Freund aux images ine'dites de la vie quotidienne des Parisiens sous l'Occupation, des grands noms de la photographie de l'apre`s-guerre a` Jean-Paul Goude, c'est non seulement Paris et ses habitants qui se racontent ici, mais aussi tout un sie`cle de photographie.

Bertrand Delanoe
Maire de Paris

Note : Robert Doisneau (1912-94), Willy Ronis (1911- ), Brassai (1899-1984), Gise`le Freund (1912-2000) それぞれ、パリを題材にした作品を多く発表している写真家です。詳しくは,http://artphoto-site.com/artist.html
をご参照ください。
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 4月2日水曜日に注釈と試訳をお目にかけます。併せて Lettre de Beauvoir に関しても疑問点などがあれば、遠慮なく書き込んで下さい。
 smarcel

Lettre de Beauvoir 試訳

2008年03月26日 | Weblog
[注釈]
 * je n’accepterais pas de vous faire une infide’lite’ (…) : ここは、課題とはしなかった手紙の部分ですが、あなたとのことは浮気ではありませんよ、ということでしょう。「だって(浮気ということなら)あなたは私の人生のひとつのエピソードということになってしまいますが、あなたは私の人生のすべてですから」
 * je ne m’y sens pas engage’e : ここはご本人が je ne sais trop comment dire と口ごもっているぐらいですから、難しいですね。engage’ dans...「…に身を投じる」
ですから、要は、サルトルとは性的な事柄にあまり熱心ではなかった、ということでしょう。
 * je pensais comme ca pouvait e^tre de vous aimer ... : こうした comme の用法にはあまりお目にかかったことがないのですが,penser que ではなく comme なのは、「漠然と考えている」ということでしょうか。それから ca は前文の内容を、de vous aimer は「原因」を指しているようです。「こうなったのはあなたを愛しているからではないかと考えていました」
* Je travaillerai un peu aujourd’hui : ここの単純未来形は意志を表しています。


[試訳]
 それから悲しくてしょうがなくなりました。(...)それはあなたを愛しているから、あなたを失うのではないかと不安でしょうがないからではないかと考えました。そう考えて魂が凍てついていました。またこうも考えていたのです。私が何よりも望んでいるのは,私を前にしてあなたが自分を自由であると感じてくれること、私のもとを去るのも、手紙を書かないのも、都合が悪ければ私に会わないことも自由であると感じてくれることだ、と。なによりも嫌なのは、あなたの生活において私がひとつの義務となることです。ただ、そんな風に考えてみても真っ正直とも決して言えませんね。なぜなら、言うまでもありませんが,私が望んでいるのはあなたが自身の自由を行使して、私のもとを去らないこと、手紙を書いてくれること,私に会ってくれることだからです。あなたの意思のままに。私の愛しいボスト、今朝何もかもが単純で幸福に思えます。ぐっすりと眠りました。あなたからの手紙も受け取りました。とてもいい気持ちです。今日は少し仕事をします。あなたの方はお仕事はかどりましたか。これからどうなさるのですか。土曜から日曜にかけてあなたの望む所どこにでも出かけます。アミアンでも、セダンでも、シャルルヴィルでも。ひと言おっしゃって下さい。あなたのことを愛しています。今朝目覚めたとき、あなたの腕に抱きしめられながら、大きな声でお前を愛していると、どんなにあなたに言ってほしかったか。でも今はまるであなたにそうしてもらったようなのです。私は幸せです。あなたの顔いっぱいにキスを送ります。私の愛しい人。
 ビーバーより
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 まずは、Bienvenue Yumika ! Bonne lecture et bonne continuation ! とてもセンスのある方ですね。vous n’avez qu’a` dire を「行き先はあなたに任せますので、連絡ください」と訳されているところで感心しました。これからもどうぞよろしく。
 しばらくぶりの「教室」ですが、それぞれの方の訳文を読ませてもらって、今更ながらみなさんのフランス語読解能力の高さに感じ入っています。ぼくのこんなサイトは、もうみなさんの力にあまりならないかもしれませんね。ご自身の興味・関心に従って,勇気を持ってフランス語の書物の森へと入ってゆかれることを希望します。
 
 さて、2週間のパリ滞在ですが,時期柄とはいえ,お天気には恵まれませんでした。いつもは、午前中11時過ぎに始まる割引料金の映画を楽しんでから、公園のベンチでバゲット・サンドイッチを頬張ってお昼代わりとするのですが,今回は雨と寒さでままならず、たびたび安手のレストランで食事をとることとなり、少々高くつくことしばしばでした。
 ひとつ感心したのは,今年1月から飲食店でも厳格に適用され出したいわゆる「禁煙法」がフランス市民の間にしっかり浸透していることです。
 リビア風サンドイッチを出す店内でのことだったのですが,店の中で食事をしている男友達を見つけた通りがかりの若い女性が、うれしい偶然に驚きながら,お店のガラス越しに男性に挨拶を送ります。当然すぐにお店にはいて来るのだろうな、と眺めていると、しばらく経っても女性は姿を見せません。そのままレストランを通り過ぎてしまったのかな、と思っていると、店の入り口付近で吸いかけのタバコを名残惜しそうに楽しんでいるのでした。ややあって、ブーツの足音も元気に店内に入って来た女性は、あらためて男性と挨拶を交わしていました。
 それから、今回は二つの写真の展覧会が印象に残りました。普段はあまり写真展などは観に行かないのですが,今回はともに entre’e libre の展覧会に(正直言うと、タダだったってことが大きな要因ですが)足を運びました。ひとつはパリ市役所で開催された<< Paris en couleurs >> と名うたれた展覧会。もうひとつはメトロSaint-Paul 駅からすぐのヨーロッパ写真館で見た、植田正治の作品群に魅せられました。前者については,
http://www.hayakoo.com/paris-en-couleurs/
を、後者については
http://www.mep-fr.org/actu_1.htm
をご参照下さい。
 詳しくは書きませんが,パリ市役所で目にした木村伊兵衛の写真には、他の写真家のようにパリの市井に生きる人々の陽気な姿を撮っていても、そのどこかに憂いを感じさせるところに、日本人のひいき目でしょうか,ひかれました。またタレントの福山雅治が「師匠」と呼び、若い人の間でも人気のある Ueda の写真を前に、 << Incroyable ! >> と感嘆の声を上げていたフランス人男性の姿が忘れられません。滞在中にパリの最も由緒あるレストランのひとつに招待してくれたある Madame へのお返しに、Ueda の写真集をと思い探してみたのですが、まだまとまったものは出版されていないようでした。でも今回の展覧会を機に彼の名がフランスの写真愛好家の中にも広まってゆくことは間違いないと思います。
 さて、それで次の Lecon では、先日の統一地方選挙でパリ市長に再選された Delanoe(e のうえにトレマがつきます)が展覧会 Paris en couleurs のパンフレットの巻頭に寄せた文章を読むことにします。公人の文章ですので,これはこのサイトに転載することにします。