[注釈]
*On s'ouvre a` la famille, on entend des bonnes paroles. :
On nous revoie...の主語は、特に特定されない人々を指していますが、ここのon は、nous のことでしょうね。
[試訳]
ギャランスはその頃には歩けるようになっていたが、どこか怖々だった。近所の保育所にも通うようになっていた。色々な医者や心理学者も紹介してもらったが、その力量は様々で、親切な場合もあれば、ぎこちなく対応される時もあった。みんな私たち家族を迎え入れてくれて、やさしい言葉もかけてもらった。ギャランスはほとんど話すことはなく、話してもひと言二言。たいていは唄を歌って過ごしていた。彼女がそれぞれの人をそれと認めるのも、ちょっとした唄や童謡によってであった。それは微笑ましくもあった。ギャランスは利き手が決まるように、また手と足がなめらかに連動するように、色々な運動もしてもらった。彼女が生涯忘れることのない保育所の保母さんは、辛抱強くマッサージもしてくれた。でもギャランスは難しい子で、要求が多いわりには、こちらの言うことにはあまり応えてくれなかった。他の子供たちよりよだれも多かった。それでも、赤や青の制服を着た小さな子供たちのクラス写真を見ると、ギャランスはそれほどみんなと変わりはなかった。
違いが眼につくのは、公園で遊ぶ娘の姿を見る時だった。ギャランスは滑り台に上ることも出来ず、楽々と動き回ることも、他の子供たちと遊ぶことも、お砂遊びをすることも、バケツを一杯にすることもできなかった。それでも娘のどんな発達の印も、彼女を人並みの子供に近づけるどんな成長のあとも、私たちは見逃さなかった。
…………………………………………………………………………….
misayoさん、midoriさん、mozeさん、shokoさん、それぞれにしっかりした訳文ありがとうございました。
以前にも述べたことですが、ぼくは、いつも言わば「あとだし」ですから、みなさんの訳文に文章の理解を助けられることも度々です。注釈でも触れましたが、今回は、midoriさんの on entend des bonnes paroles. の訳に教えられました。
携帯電話に出た相手にむかって On est ou`?と呼びかける言葉も、フランスの街角で最近しばしば耳にします。on は変幻自在ですね。
それでは、次回は11月14日(水)に文末のne nous quitterait plus jamais.までの訳文をお目にかけます。
フランスもこの日曜から冬時間となりました。悲しいことですが、すでに凍死者も出て、また今年もS.D.F. = sans abri の人々に関心が向けられています。季節の変わり目です。みなさんもどうかお身体には気をつけて下さい。Smarcel
*On s'ouvre a` la famille, on entend des bonnes paroles. :
On nous revoie...の主語は、特に特定されない人々を指していますが、ここのon は、nous のことでしょうね。
[試訳]
ギャランスはその頃には歩けるようになっていたが、どこか怖々だった。近所の保育所にも通うようになっていた。色々な医者や心理学者も紹介してもらったが、その力量は様々で、親切な場合もあれば、ぎこちなく対応される時もあった。みんな私たち家族を迎え入れてくれて、やさしい言葉もかけてもらった。ギャランスはほとんど話すことはなく、話してもひと言二言。たいていは唄を歌って過ごしていた。彼女がそれぞれの人をそれと認めるのも、ちょっとした唄や童謡によってであった。それは微笑ましくもあった。ギャランスは利き手が決まるように、また手と足がなめらかに連動するように、色々な運動もしてもらった。彼女が生涯忘れることのない保育所の保母さんは、辛抱強くマッサージもしてくれた。でもギャランスは難しい子で、要求が多いわりには、こちらの言うことにはあまり応えてくれなかった。他の子供たちよりよだれも多かった。それでも、赤や青の制服を着た小さな子供たちのクラス写真を見ると、ギャランスはそれほどみんなと変わりはなかった。
違いが眼につくのは、公園で遊ぶ娘の姿を見る時だった。ギャランスは滑り台に上ることも出来ず、楽々と動き回ることも、他の子供たちと遊ぶことも、お砂遊びをすることも、バケツを一杯にすることもできなかった。それでも娘のどんな発達の印も、彼女を人並みの子供に近づけるどんな成長のあとも、私たちは見逃さなかった。
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misayoさん、midoriさん、mozeさん、shokoさん、それぞれにしっかりした訳文ありがとうございました。
以前にも述べたことですが、ぼくは、いつも言わば「あとだし」ですから、みなさんの訳文に文章の理解を助けられることも度々です。注釈でも触れましたが、今回は、midoriさんの on entend des bonnes paroles. の訳に教えられました。
携帯電話に出た相手にむかって On est ou`?と呼びかける言葉も、フランスの街角で最近しばしば耳にします。on は変幻自在ですね。
それでは、次回は11月14日(水)に文末のne nous quitterait plus jamais.までの訳文をお目にかけます。
フランスもこの日曜から冬時間となりました。悲しいことですが、すでに凍死者も出て、また今年もS.D.F. = sans abri の人々に関心が向けられています。季節の変わり目です。みなさんもどうかお身体には気をつけて下さい。Smarcel