土地の方にうかがったら、「滝宮は盆地なので、京都と同じで夏は暑く冬は寒い」のだそうだ。
移転するにあたって、かなりいろいろなことを調べて選んだのだが、そのことには気づかなかった。
瀬戸内海-四国なのだから、気候は温暖なのだと思い込んでいた。
山寄りだから、海沿いよりは少し寒いとしても、それほどではないだろうと思ったのだ。
ところが、香川県でいちばん暑く、いちばん寒いところなのだそうだ。
これは、誤算といえば誤算なのだが、まさに京都と同じで、その分、四季の変化がはっきりしていて、去年の秋は、思いがけず鮮やかな紅葉を見ることができた。
そして、この冬は、毎朝のようにみごとに真っ白な霜である。
これも予想外だったが、神奈川では見られなかった霜の景色を見ることができて、寒いけれど美しい、悪くないな、と感じている。
もっと年齢がいったら、この寒さが若干つらくなるのかもしれないが、今のところはむしろ爽快な感じである。
家の前の草地の雑草も、美しい霜の造形になっている。
寒い地方に住んでいる人には笑われそうだが、とても新鮮だ。
道元禅師の「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて涼しかりけり」という歌のように、霜の寒さと美しさを楽しんでいる。
冬霜冴えて涼しかりけり、というところである。