霜の造形

2014年01月28日 | コスモロジー

 土地の方にうかがったら、「滝宮は盆地なので、京都と同じで夏は暑く冬は寒い」のだそうだ。

 移転するにあたって、かなりいろいろなことを調べて選んだのだが、そのことには気づかなかった。

 瀬戸内海-四国なのだから、気候は温暖なのだと思い込んでいた。

 山寄りだから、海沿いよりは少し寒いとしても、それほどではないだろうと思ったのだ。

 ところが、香川県でいちばん暑く、いちばん寒いところなのだそうだ。

 これは、誤算といえば誤算なのだが、まさに京都と同じで、その分、四季の変化がはっきりしていて、去年の秋は、思いがけず鮮やかな紅葉を見ることができた。

 そして、この冬は、毎朝のようにみごとに真っ白な霜である。

 これも予想外だったが、神奈川では見られなかった霜の景色を見ることができて、寒いけれど美しい、悪くないな、と感じている。

 もっと年齢がいったら、この寒さが若干つらくなるのかもしれないが、今のところはむしろ爽快な感じである。

 家の前の草地の雑草も、美しい霜の造形になっている。

 寒い地方に住んでいる人には笑われそうだが、とても新鮮だ。

 道元禅師の「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて涼しかりけり」という歌のように、霜の寒さと美しさを楽しんでいる。

 冬霜冴えて涼しかりけり、というところである。






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