病院に行くより先にコスモロジーを

2012年08月08日 | 心の教育

 先ほど、締切より1日だけ早く、ようやく採点を終え(まだ他の大学が少し残っていますが)、ほっとしているところで、また記事を書きます。


 H大学に教えに行くようになってから今年で満12年になろうとしています。暦の一めぐりです。

 その間、ブログのタイトルと同じく「伝えたい! いのちの意味」という気持ちで授業をやってきました。

 コスモロジー教育=コスモス・セラピーを受けてよかった学生たちが、「同世代の若者たちにももっと伝えたい」と言ってくれ、それまで考えたこともなかったブログというものを一緒に始めたことを思い出します。

 今年も伝えたい・伝えるべきだと言ってくれる学生たちがたくさんいるので、彼らの体験にもとづいた生き生きとした言葉の力を借りて(予め了承は取ってあります)、伝えるためのちょっとした自主キャンペーン――自己宣伝とも言う――をしていきたいと思っています。

 授業がいいと思った学生諸君、元学生諸君、よかったらキャンペーンに参加・協力してください(例えばコメントとか、自分のツイッターやファイスブックなどで)。


 次の学生は、たぶんコスモロジーの授業が「コスモス・セラピー」であり、トーク・セラピー(話すことによる心理療法)という意味を持っていることを必ずしも自覚していないと思われますが、自分の感じで次のように言ってくれました。



 H大社会学部1年女子

 大学で現代社会と宗教の授業に出ていなかったら、ニヒリズムなどについて考えることはまずなかったであろう。

 人間の存在する意味について考えたことなどなかった。

 自分で望んでこの世に生まれた人などいない、ということばに妙に納得し、さみしい気持にもなった。

 しかし、先生の授業に出ていて良かったと思う。

 なぜなら、ぼーっとしながら生きていたころよりも、毎日が充実させ、感謝することができているからだ。

 病院にいくよりも先に先生のところへ行ってお話を聞けば、救われる人はたくさんいるだろうな、と思った。



 実際、例年、精神科に通っていたのが行かなくてもよくなった、という報告をしてくれる学生がいます。

 患者を薬漬けにしてお金をもうけることしか考えていない、治せない・許せない精神科医ばかりだとは思いません。

 私の存じ上げている方にも優れた良心的な精神医がいらっしゃいますが、率直なところ、まずコスモロジー教育=コスモス・セラピーを先に受けてみてほしいと思うことがしばしばです。



 H大社会学部1年男子

 毎日のように意味もなく死にたいとつぶやいていた僕ですが、先生の授業をうけていき、宇宙も、ムシも、となりの人もみんな全てがつながっているとわかると、何か心の中にあったモヤみたいなものがとれるすっきりした気分に少しなることができました。

 全世界的ニヒリズムを克服するためにも全ての人、一人一人が一体だという考えを持つことができればよいと切に願う。



 上記の学生のように、特に「意味もなく死にたいとつぶやいていた」ような状態から、ふとしたきっかけで実際に死ぬ試みをやってしまうというケースがあるようです。

 実家を離れ一人暮らしをしていて孤独を感じがちな若い世代の心は、とても危ういところがあります。いや、青春の孤独感は実家にいても似たようなものです。

 しかし、すべてのものがつながっていると理解すると、それが実感=気分にも影響を与え、孤独感を癒し、死にたいという気持ちが解消または緩和されることがしばしばあります。

 さらに積極的には、下記の学生のように「生きる希望がとても湧いてきました」というところまでいくこともあります。



 H大社会学部1年女子

 今回のレポートを書いていて生きる希望がとても湧いてきました。

 今までは宇宙と自分がつながっているなんて考えたこともなかったけど、自分の命が宇宙によるものだと思うと、今までよりも命がすごくすごく尊いものに思えました。

 自殺したい、死にたいなどと思ってるみんなに読んで欲しいです。

 宇宙から生まれた私。そう思うと自分がなんだかすごく好きになりました!

 自分が星の子であるなんてとても幸せです。

 これからは宇宙の子である自分にふさわしい生き方をしなくてはいけないなと、とても考えさせられる内容でした。

 すべてのものに感謝しながら生きていきます!



 彼女も言ってくれているように、「自殺したい、死にたいなどと思ってるみんなに読んで欲しいです」。

 その人に向いていたら、多かれ少なかれ癒し・生きる勇気づけの効果があるでしょうし、向いていなくても、少なくとも害はまったくないはずです。

 ただ、落ち込み、引込み、あるいは逆にとんがり、つっぱりなどは、その人のアイデンティティ=ライフスタイルにまでなっていることがあり、そういう場合には、アイデンティティを若干ゆるがされることになって、それをある種、反発、いやだ、迷惑だと感じるケースはあるにはありますが、それは「害」とは言わないのではないでしょうか。

 よかったら、騙されたと思って、三信七疑くらいの気持ちで読んでみてください。





コスモロジーの心理学 コスモス・セラピーの思想と実践
クリエーター情報なし
青土社



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