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山岳ガイド 江口正徳の仕事と日常

個人ガイド 北アルプス 奥穂高南稜~明神岳主稜縦走

2024-07-24 10:12:30 | ガイド山行/バリエーションルート登山
7月21日~23日は、個人ご依頼で今シーズン初の穂高ガイドでした。
初日に岳沢小屋に泊まって先ずは奥穂高岳南稜を登って穂高岳山荘(泊)、最終日に奥穂高岳~前穂高岳を経て明神岳主稜を縦走して上高地に下山。バリエーションルートを2本繋げることで体力、技術共になかなかハードですがその分充実感を存分に味わえるコースです。クライアントのお二人様にとって初めての穂高のバリエーションルートでしたが本当によく頑張られて見事に達成されました👏


翌日めざす奥穂高岳南稜を眺めながらの入山です。
この奥穂高岳南稜は僕が穂高周辺で最も好きなルートです。それに前にも書いたことがあるのですが僕が最も尊敬し影響を受けたクライマーの故鈴木謙造氏が雑誌のインタビューでやはり穂高で最も好きなルートと語っているのです。


そういう意味で今までにかなりの回数を登っていますが毎回登る度に感慨深い思いに浸りながら登っているのです。


岳沢雪渓をつめて南稜取付きをめざします。
因みにこの岳沢本流はここから上部は滝沢というルートになっていて且つて岳沢小屋で小屋番をしていた故野田君が単独登攀してその記録を雑誌に発表したことがあります。そのことを野田君に言うと「よく見つけてくれましたね!」と言いながら登攀時の様子を物凄く嬉しそうに語ってくれました。現在岳沢小屋の一角には彼の功績を称えてコーナーが開設されているのでお越しの際には是非ご覧いただければと思います。


という訳で雪渓を離れて南稜を登っていきます。
横を眺めると翌日めざす明神岳主稜の岩峰群が鋭く連なっていてクライアント様は感嘆の声を上げられていました。


下部の長い長いハイマツ&草付きの超ヤブ漕ぎを突破してきてようやくトリコニーの岩場まできました。


モノリス岩




霧で湿って滑りやすくなっている岩場を慎重に登ってこられます。


トリコニー1峰の頂稜を進みます。
ガスガスで殆ど視界なし~


視界が利かなくて展望が楽しめないので沢山咲いている花々を観賞しながら登りました。
ハクサンイチゲはじめかなりの種類の花々が咲き競って所々お花畑が広がっていました。


トリコニーを抜けて上部岩稜をひたすら上をめざして登ります。




懸垂下降


南稜の頭に到着して奥穂高南稜終了~
良いコンディションではなかったですがよく頑張って登りましたね!


奥穂高岳登頂
この後、穂高岳山荘に泊まってゆっくり寛いで翌日の明神岳に備えました。


穂高岳山荘を3時半に出発してきて奥穂高岳山頂からジャンダルムを眺めます。


奥穂を後に吊尾根を進みます。正面には前穂から明神岳に連なる岩峰稜線


前穂高岳登頂


前穂を後に明神岳縦走へのスタートです。


明神のコルを足下に明神岳1峰に向けて登ります。


ドドーンと明神岳1峰(左)と2峰(右)


明神岳主峰(1峰)からの前穂高岳と奥穂高岳、そしてジャンダルムを望みます。


次なる2峰をめざします。




2峰を登ります。短くきって1ピッチ目


続けて2ピッチ目


2峰からの1峰(右)と前穂高岳(左)


2峰からの3峰、4峰、5峰の眺め


4峰から越えてきた3峰、2峰、1峰を眺めます。


5峰登頂! これにて全ての岩峰に登頂です。
ずーっと残る5峰のシンボルともいうべきピッケルと共に越えてきた全ての4峰、3峰、2峰1峰の全ての岩峰群を眺めます。


この後、長い長い激下りを経て上高地に下山してきて今回辿ったコースを眺めてお浚いです。
これにて3日間の山行を無事に終了しました。
大変お疲れ様でした。ご依頼ありがとうございました。






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岩場行動技術講習(ステップ2/実践編)

2024-07-24 09:40:21 | 講習
7月20日は、京都大原の金毘羅山で岩場技術の実践編講習でした。

今週3回目の金毘羅岩場講習、今回は4名様の内の3名様が遠路遥々福岡と鳥取からのご参加でした。毎回思うことですがご参加いただく皆さまはとても熱心でヤル気満々な方ばかりなのが本当に頼もしく講習をさせていただく僕としても嬉しい限りです。
後半の途中で短時間ですがゲリラ豪雨的な激しい降雨があってコンディションが悪くなってしまいましたが内容を少し変えつつも夕方までしっかり行って終了~ ガッツリ密度の濃い一日でした☆彡


先ずは危なくない範囲で登り、下り、トラバース、をひたすら反復練習して動きを体に覚え込ませます。


続けて実際の登山を想定してのシミュレーション行動で岩尾根を登っていきます。




次々と現れる岩場を越えていきます。
実際の山岳地での行動においてはとにかく「慌てず」「落ち着いて」「確実な動作」で行動することが大切なのです。


ワイケンの頭から大原の里を眺めます。




ワイケンの頭のフェースを使って限界点を底上げする為の登り込みです。




途中で突然のゲリラ豪雨で岩場ビショビショになってしまいましたが皆さん登り込みを続けられます。皆さんのヤル気満々さには頭が下がります。

この後、他の岩尾根に行きたかったのですがあまりにコンディションが悪いので内容を変えて下降技術の練習を重点的に行いながら下山することにしました。
登ったからにはちゃんと無事に下るのが登山だから下降技術こそ重要な技術なのです。


懸垂下降を交えながらの下山です。




クライミングダウンではとても下れそうにない所はひたすら懸垂下降です。


濡れて滑りやすくなった岩場を落ち着いた確実な動作でクライミングダウンしていきます。


最後は30mの懸垂下降で平地に下り立ってようやく終了~
朝から夕方まで途中の激しい雨にもめげず本当によく頑張っていただきました。
お疲れ様でした。ご参加ありがとうございました。






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