出版されてすぐ話題になっていたので
読んでみたいと図書館に予約を入れていました。
2021年9月発刊となっていたから
半年以上は待ったのではないかと思います。
やっと手にすることができました。
内容は身体のしくみから
病気と診断法、治療法の発見発明の歴史まで
平易な文章でわかりやすく
あっという間に読み終えてしまいました。
読み終えて思うのは
人の身体は信じられないほど精密にできていて
緻密なバランスでなりたっているということ。
医療は日々進化しているということ。
当たり前のようですが
かつて死に至る病だったものが
今は治療法も確立しただの慢性病になっている、とか
傷は消毒しないほうが治りが早い、とか
うがいに何の効果もない、とか
知る機会がないと
情報がアップデートされないままのことは
たくさんある。
私が30年前に言われた
「血液型は自分で知っている必要がない」
(なぜなら自己申告された血液型で輸血することは
ありえないから)ということも
知らずにいた人を割と最近みかけましたから。
そして、いまや常識となっているような
病気や治療法の発見が
当時は常識はずれとして顧みられない
ということが繰り返されていること。
お医者さんになれるほど頭が良くて
なおかつ病気を治したいと切望している人でさえ
「当たり前」に阻まれて
素晴らしい発見・発明を受け入れられない。
そうしてみると、今、常識と思われているものも
現時点で正しいと思われているだけで
将来「あの頃はこれが正しかったんだよ」
と苦笑されるのかもしれません。
さて、昨今話題の
「PCR検査で陽性なら新型コロナの患者なのか」説
著者は病気を「不快な症状があったり
他人に感染させる可能性がある状態」としたうえで
症状がなくなり感染させる可能性がなくなって
2、3週間たっても陽性がでることはあるので
陽性=患者 とは言えないけれど
この考えは多数のかたにとって
腑に落ちないようだとしています。
別のお医者様が「まず医師が診断をして
(お医者さんが不快な症状があったり
他人に感染させる可能性がある状態かを
確認するということですね)
そのうえで検査があるべき」とおっしゃっていたのも
そのときは何が違うんだろう?と疑問でしたが
著者がいうのと同じ意味だったとわかりました。
たくさんの人が
お医者様の診断より
最新鋭の機械で白か黒かの判定がつくことを
求めている。
考えは人それぞれですし
日々情報が更新されるこの時期に
それこそ今日の当たり前が
明日はひっくり返っているかもしれないので
なんとも言えませんが
ひっくり返る可能性がある、ってことだけは
頭にいれておく必要があると思いました。