社会科学上の不満

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兵器と贈収賄

2007-11-27 14:59:38 | 外交と防衛
国防とそれに群がる業者の贈収賄は切っても切り離せない関係にあいます。第二次大戦前の造船疑獄で山本権兵衛内閣は頓挫します。この時疑獄の元になった戦艦が金剛です。皮肉にも第二次世界大戦中唯一活躍らしい活躍をした戦艦です。他の戦艦は飛行機(空母起動艦隊)に押され活躍の場はもはや存在しませんでした。
 このように贈収賄で汚れた兵器だから活躍できないかというとそうではないことを、戦艦金剛が実証しました。
 兵器の採用には兵器体系が必要です。補給や乗務員の連度が継続できる必要があるのためです。新しい武器をさいようしたから最強の軍隊ではないのです。この武器を使いこなして最強の軍隊なのです。バカな社長が最新のコンピュータシステムを導入したらすぐに効率が上がると考えていますが、なれるまでそうはいきません。同様に兵器体系が同じであれば慣れることも早いわけです。
 補給も互換性があるものが望ましく、容易に行えます。日本は第二次大戦を米国の物量に負けた仰る方が多いのですが、日本が国力が有利で過去に戦争したことがあったでしょうか。日清戦争しかり、日露戦争しかりです。国力の差はアメリカと同様に圧倒的に貧しいものでした。しかも第二次大戦はアメリカも2正面作戦ですし、一般に言われている1:20の国力差が当面の対象となりませんでした。アメリカの戦費の半分はヨーロッパ戦線に費やされていたからです。しかし、アメリカは規格の統一というすばらしいシステムを持っていました。陸海空の全ての機関銃が同じブローニングM2重機関銃でした。つまり弾薬も3軍で同じものを使用できました。日本は陸海軍それぞれが犬猿の仲であり、ヒッラーが「日本の陸・海軍はまるで敵同士だ」と発言したほど仲が悪く、弾薬の互換などあり得ませんでした。また、同じ陸軍でも使用する銃の弾薬の規格の統一性がなく、前線では弾薬はあるが使用できないなどのあきれた事態が生じていました。
 造船疑獄以後採用された兵器は殆どが規格が従来のものと異なります。しかし前線には従来の兵器を多数残っていました。
 兵器はその体系の中にフィットしなければ如何に贈収賄と関係なくとも役にたちません。

コメント
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