景気は好景気と不況とを繰り返すものであるのだが、中華人民共和国は大不況を初めて経験する。建国後50余年にして初めて経験する。基本社会主義や共産主義国に不況はない。しかし開放路線に転換し30年弱で初めて中華人民共和国は大不況に見舞われようとしている。
工業指数で鉄鋼の在庫が約1億トンもある。住宅やビルの建設が一巡したと思われる。上海や北京には空き家の超高層ビルが相当な比率である。「予約」が意味を成さない社会であるためだ。また中国の鉄鋼の質では国際市場に相手にされない、しかし生産調整ができない。「金儲け」は上手い人間はいても「経済」に強い人間は未だに育っていないのであろう。
不況になれば好景気に隠されていた社会の矛盾を暴きだす。環境破壊に民族問題、中国共産党にとりいずれも頭が痛い問題である。国民ではなく人民の目を逸らそうとして設定した「防空識別圏」は、米国が設定し日本が引き継いだものである。米軍機もこの日本の「防空識別圏」を利用している。更に「防空識別圏」でのフライトプランの提出を求めるなど、人民解放軍は「領空」との違いさえも理解できていないとの低レベルを世界に公示してしまった。中国政府の外交部の人間が後始末にヤッキになっている。中華人民共和国に於いての序列は、中国共産党、人民解放軍、中国政府の順であり、シビリアンコントロールの下に人民解放軍はない、政府の上席にある。人民解放軍は中国共産党の「私兵」と言ったほうが正しい。
この「防空識別圏」で、日本が構えた、民主党政権ではなかった、安倍政権だった。欧米のネット上で「日本を目覚めさせるだけなのだけどね。中国は大きなミスを犯しているよ。」との意見が一番的を射ていると思われる。日米安保条約の大きな柱の1つに、「日本の軍を押さえ込む」と言うのがあることは、前々から陰で囁かれていたことである。それ程1950年代太平洋戦争終結直後の米国は日本の軍事力(潜在的能力)に驚異を感じていた。それを中国がワザワザ目覚めさせようとしているとの見方が欧米の一部にはある。
日本国内で左翼系マスコミを総動員して、今回の「特定秘密保護法」の反対運動を行ったが、「防衛識別圏」問題で国民は左翼系マスコミの寝言など聞く耳を持たなかった。最早スパイを野放しに出来ないと言うことである。
朝日新聞が行った「特定秘密保護法の賛否」についてのアンケート、圧倒的多数で「賛成」が多かった。TV、傘下の雑誌等で公表される事はない、紙面でも隅に掲載するだけでスルーの状況である。これほどの労力を日本の協力者に強いても最早意味がないようだ。
そこへ来て、本来の「不況」が顕在化する、中国共産党にとり2014年はある意味正念場になる年となるであろう。日本は中国の混乱に巻き混まれない様に対策を打たねばならない。そして忘れてはいけないことがある、中国経済に過度に寄り添う韓国経済も崩壊する可能性が高い事を前提に、準備をしなければならない。
今後韓国には「貸さない」「教えない」「相手にしない」を外交基本政策として対峙すればよい。しかし政治的には、中国に対してはそう事は単純にはいかない。
企業は少しでも早く中国から脱出することが、利益を守る事になる。代替国は親日の東南アジア諸国がある。親日で5億人のマーケットである。反日で13億人のマーケットより直にニセ物を製造する国より良いと思うが。
2014年、中国や朝鮮半島を中心とした東アジア、未だに冷戦構造が残るこの地域で騒ぎが起きそうである。2014年2月22日、北欧神話(エッタ)では、ラグナロック(神々の黄昏)が始まるとされている。この伝説が「予言」ではなく「物語」(ファンタジー)となることを願い、2014年を迎えたい。