戦時中、特別高等警察(特高)による逮捕、拷問による自白など権力に酔った人間の性は醜いものがある。元々この特別高等警察(特高)は、英国にて生まれた制度である。欧州における共産革命は、残忍で共産主義を受け入れない住民総てを虐殺していた。イスラム帝国の「コーランか剣か」を模し「マルクス主義か銃か」である、これがレーニン主義である。つまり「マルクス主義を受け入れなけなければ殺せ」と言うのが、マルクス・レーニン主義であり思想とその普及(布教)方法とを併せた主義である。
故にそこまで苛烈に多神教の日本人はなかなかなれないので共産主義に賛同できる者が少なかった。
その対抗処置として英国で「外事警察制度」と「特別高等警察(特高)制度」とが生まれる。1920年代の話である。その制度を内務省第一期海外留学生大塚惟精氏が日本に持ち込む。明治維新しか経験のない日本人に住民虐殺を前提としたレーニン主義は恐怖そのモノである、当時欧州全土がその恐怖の渦に巻き込まれていた。
*大塚惟精氏、貴族院議員、
中国地区総監、原爆で死亡
多神教の日本では隣の家と宗教が異なっても余り気にならない、一神教の欧米ではそれは最早「敵」と認識される。共産主義もある一面その傾向が強い。
大東亜戦争時は、モスクワのスパイとしてこの共産主義者が活躍する。朝日新聞の尾崎某などは近衛文麿のブレーンでもあり当時の政策をモスクワに流している。
特別高等警察(特高)も戦争後期には権力に酔い暴走が始まる。この暴走で戦後マルクス主義者たちの影響もあり特別高等警察(特高)は悪の化身とされる。創設時の精神が忘れられたのであり、権力が凶器となり市民に牙をむいた例でもある。
戦時中の恨みを晴らす形で、特に日教組の暴走は目に余るものがあった。小学生のある時、担任が「この中でお父さんが、警察や自衛隊で働いている人手を上げて」と問い、警察の子息をいたぶっていた。佐々淳行氏がこのような担任に「教育委員会で問題とする」と言って対決したそうだ。田舎の山奥にいた私もこの質問をされた記憶がある。私のクラスには該当者はいなかったが、佐々氏の著書を読んで思い出した。そもそも「親の職業は子どもに関係ない」と叫んでいた、日教組の論理破綻の行動であった。
戦前の日本は意外に言論統制が世界各国に比べ緩かったようだ。日露戦争中、与謝野晶子の反戦活動も現在に伝わっている。太平洋戦争中の言論統制さえ、「×××・・・」等の伏字での出版物が多数残っている、しかし欧米では出版そのモノが出来なかった。
現実に超右翼新聞だった朝日新聞がGHQに出版停止処分とされ、これからシベリア帰りの共産主義者を多数登用し再出発し現在に至る。と、朝日新聞社OBの著書にあった。
戦前の日本にも多くのマルクス主義者がいた。「アカ」と呼ばれていた。現在のブラック企業みたいな会社が横行していた。当時の日本は労働者のクビを最も切り易い国で国際的にも評判が高かった。故にマルクス主義に走る方が多かった。ソ連に憧れレーニンの後を継いだスターリンを信奉していた。見方を変えれば共産主義は「マルクス教」ともいえる。
GHQは日本国憲法草案を作る前日本人に憲法草案を作成させた、「松本草案」と言われるものである。これが気に入らなかったのか当時の右翼政治家は首都追放とし新たな国会議員で現在の日本国憲法を可決させた。このようにGHQもなかなか曲者である。米国の後ろ盾を日本が必要とするため、「領土的拡大は行わない」としたヤルタ会談の精神を無視するかのごとく北方領土4島のソ連占領に目をつぶった。これにより米軍の駐留が日本に必要となった。更に、右翼封じに共産主義者を使った。「毒は毒をもって制す」である。
これが占領政策であり米国がエゲツナイわけではない。甘いことを言っている日本人が多いことに憂鬱になる。この寝首をも掻くのが国際社会である。最もエゲツナクないのが米国である。その証拠に、小笠原諸島や沖縄県を日本に返還した。他にヤルタ会談の精神を護り占領地を返還した国はない。
しかし朝鮮戦争勃発で、日本国内の治安に問題が生じた、米兵は戦地に行かねばならない。そこで警察予備隊、後の自衛隊が生まれる。GHQの誤算は日本国憲法を日本に押し付けたため、吉田茂元総理(麻生元首相の祖父)や白州次郎氏により、日本の参戦を拒否される。白州次郎氏の口癖の(プリンシプル:原則論)である。
*白州次郎氏 マッカーサー元帥を怒鳴りつけた男、日本でジーンズ最初にはいた日本人、サンフランシスコ講和条約の宣言文を日本語にした男
しかし、ソ連建国から80年後マルクス主義の本家たるソ連が崩壊した。困ったのが旧社会党や日本共産党と朝日新聞をはじめとした左翼系マスコミであった。そこで、「反日」で、それまで国家と認めていなかった韓国と野合した。
阪神淡路大震災やオーム心理教事件、その後の北朝鮮による拉致事件の解明で、社会党が崩壊し、共産党も議席を減らす。
北朝鮮のテポドンの発射、北朝鮮の言い分を信じて当初「あれは衛星だった」と主張していた旧社会党。衛星が送る電波をキャッチした国が北朝鮮以外になかったのだが、左翼の方は証拠など関係がないようだ。自分が思い込んだモノだけしか視ないし視えないようだ。この傾向は現在の左翼運動にも見て取れる。
これは新興宗教と何ら変わらないように思える。