戦略核ミサイルと戦術核ミサイルとの違いはその破壊の規模にある。通常の爆薬TNT(トリ・ニトロ・トルエン)の量がその目安となる。
戦術核は大体5ktが多いようだ。TNT換算で5000tを一度に爆発させたということである。広島に投下されたリトル・ボーイと同じである。東京都の国会議事堂に落とされたと仮定すれば千代田区、中央区、港区が壊滅する。
戦略核はMt単位の破壊力である。TNT換算で100万トンを一度に爆発させるということである。仮に20Mtクラスの戦略核を東京で爆発させた場合、首都圏が壊滅する。
戦略核ミサイルは当然大型であるため、多弾頭化ができるのは数カ国しかない。通常ICBMやSLBM(潜水艦発射ミサイル)などの大型ミサイルや戦略爆撃機(米軍コードで「B」が付く)などで運用される。
一方、戦術核ミサイルは、戦闘機から発射されるミサイルや艦船から発射されるミサイル、砲弾にさえ搭載される。「通常弾頭には非ず」とは戦術核を一般的に指す。
核攻撃はその応酬が人類滅亡を意味することで、その恐怖により使用をためらわせる。この恐怖のバランスの上に平和が保たれてきた。「バランス・オブ・パワー」といわれる。
残念ながら世界史で全人類的に平和な時代は見つけることができない。しかし一部の地域で平和な時代はあった。「パクス・ロマーナ」といわれる。「バランス・オブ・パワー」と「パクス・ロマーナ」方式、この2つの方法以外人類は平和な時代を構築できていない。
第二次大戦後直ぐに米国から旧ソ連に原爆の製造方法をもって亡命した、オッペンハイマー博士、彼にどのような意図があったのか不明であるが結果「バランス・オブ・パワー」の時代となった。ベトナム戦争や中東戦争などの地域紛争は絶えないが世界大戦はなかった。旧ソ連崩壊後「パクス・ロマーナ」ならぬ「パクス・アメリカーナ」になるのかとの観測もあったが、そうはならなかった。ソ連と言うジャイアンが居なくなったため中国や中東諸国の民族主義(狂信者)と言うスネオが暴れ始めた。
核兵器と言う「メギトの火」を狂信者やその能力がない者(スネオ)が手にして使用する可能性が出てきた。
パキスタンなど自国の統治能力も怪しい国である。トライバルエリアではそれこそ「ティシュペーパーから核弾頭まで売られている」との例えがある、現実にロシアのGRU(内務省特殊部隊)やCBP(旧KGB)が核弾頭用のプルトニウムのペレットを回収している。
狂信者にあるのは冷静な判断ではない、「バランス・オブ・パワー」が機能しない。ISISも早めに潰さなければ人類の大変な脅威となる。
イラク政府からの要請を受けた時直ぐに行動していればこのような大事にはならなかった。ボヤで消火できていた。これはオバカいやオバマ大統領の責任である。まさに現代のチェンバレンである。ナチスドイツがチュコ・スロバキアを併合した時英国が軍事行動を起こせば第二次世界大戦は起こらなかった。ヒットラーがマイン・ガウフ(我が闘争)にそう書いている。当時の英国首相チェンバレンが平和主義に走り断固たる行動ができなかった、そのためボヤが大火事(世界大戦)になった。
チェンバレン英首相
オバマ大統領の外交音痴や軍事センスのなさがISISの跋扈を許した。1991年の湾岸戦争時、パパ・ブッシュ大統領に英国のサッチャー首相が「我々は同じ過ちを繰り返してはいけない」と電話した話は有名である。これはチェンバンレンの故事を指す。
そして現代は核の時代でもある。ISISが何時核爆弾を入手するのかわからない状況でもある。トライバルエリアもイスラム圏(パキスタン)であり、核爆弾製造の原理は高校の物理と化学の知識があれば作れる。映画「太陽を盗んだ男」がその様子の描写に優れている。
世界最大の軍事力を有する米国のオバマがこの状況では、地域紛争は増加し何時世界大戦へと拡大するかわからない。
微妙な軍事均衡と平和…突出し過ぎても引きすぎてもダメなのですね。やはり、国にとって軍事は大切なんだ~と実感じした。記事アップありがとうございます。