木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

敵をむりやり作り出す「安保法制」

2015年04月28日 | Weblog

低投票率が嘆かれる統一地方選だが・・・
私は政治に関心があり、それゆえ誰に投票すればいいか、自分で決められるが、関心がなく、日々忙しく過ごしている人にとっては「それは権利だ」と言われても投票に行こうという気にならないのも仕方のないことに思える。
政治に関心のある私でも「県議選」は遠く感じられる。県会の役割も県議の役割も見えてこないのだ。
それに比べると、市会の方が生活に直結しているので、関心を引き寄せることができる。
以前から感じていることだが、日本の「公職選挙法」は縛りが多すぎて、本来の意味での「選挙」を妨害している。
これは今の社会を支配している側の意図に沿っていることなのだろう。
皆が政治について普通に話し、個別訪問して政策を訴え、議論しと、政治意識が高くなると、自分達の思うようにはできないから、今のままがいいと。

「戦争への道」を着々とひた走っている「安倍政権」なのに、それに待ったをかけられないもどかしさ・・・
今、郷静子著『れくいえむ』という小説を再読しているが、小学校2年生の頃からずっと国が戦争をしている状態の中で成長し、16歳の現在、工場に勤労動員されている女学生が軍国少女というより殉国少女として、最後は防空壕の中で、たった一人家族も亡くし、結核で死んでいく物語だが、今の時代、この主人公のように人々は「お国のためこの困難はやむを得ない」と、ひたむきになるのか、またなれるのか、私にはわからない。だがどう思うおうと、現代の戦争ではイラクやシリアやアフガニスタンに見られるように市民が爆撃の犠牲になるのだ。
では何のためにそうなるのか。今進められている「安保法制」とやらはやたらに他国からの攻撃事態を想定しているが、むしろ攻撃の口実を作り出し、挑発するのは安倍政権の方のように思う。
私は右翼的な言葉が踊っているという2チャンネルなどは疲れるのと時間の無駄なので見ないのだが、そういう情報を信じてしまう人たちが増えているとしたら、旧ユーゴスラビアやアフリカのルワンダで起こったような隣人を襲う虐殺の構図が思い描かれる。
日本人にとってのそうした対象は中国・朝鮮の人々なのだろう。
まさに言われなき「憎悪」だ。中国も朝鮮も歴史上、日本に軍隊を送りこんで攻めて来たことは無い。鎌倉時代の「元寇」はモンゴル族であって、中国民族とは違う。逆に中国大陸に侵略し、朝鮮を植民地にしてかの国人々を苦しめたのは日本の方だ。
また世界中に軍隊を送って荒らしまわることを未だに続けているのがアメリカで、そのアメリカと同盟関係を一層強めて、どこまでも宇宙までもついていきますと、そんな独善・独裁を安倍晋三とその仲間に託してはいない。

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不気味な真実。日本軍が中国大陸で犯した罪業

2015年04月21日 | Weblog

平和憲法と反戦の人、愛川欽也さん死去。
俳優、タレント、演出家など多彩な活動をしながら、護憲の立場で、反戦を主張し続けた愛川さん。
第二次安倍政権の国会の議論も国民も無視した「戦争をする国」への暴走をさぞかし無念の思いで耐えていたことだろう。
「朝日ニュースター」というCS放送で「パックインジャーナル」という政治討論番組の司会をずっと続けて来られた。
私もCS視聴できるようにしてから、ずっとこの番組を見ていた。
しかし朝日ニュースターは2年ほど前に大きく体制が代わり、政府に批判的な政治番組は消えた。
愛川さんは民主党に随分期待を寄せていて、右寄りになる自民党への対抗勢力になると考えていたようだが、その期待も裏切られ、高齢で病気にもなり、やむを得ないかもしれないが、この間の政治・社会情勢は死期を早めさせたことと思う。
愛川さんの平和への強い思いはその戦時体験にある。敗戦の年、まだ10歳の少年であったが、学童疎開、食糧・物不足、そしてそれゆえに人々の心がどんどん荒んでいく、その体験を経て、中学生の時に出会った「平和憲法」の素晴らしさにこれからの日本はこれで行くんだという強い思いを植え付けられたと語っていた。
菅原文太さんといい、愛川さんといい、戦時体験をした人たちには理不尽な日々の記憶がその身体に焼き付いているが、その後の世代にはその実感がなく、軍需でもうけをする勢力の誘導のまま「やれ北朝鮮が攻撃してくる」だの「尖閣諸島を中国に奪われるだの」、「在日本の韓国・朝鮮人に日本が乗っ取られる」だのという煽動に目を奪われる人が増えている。
そんな煽動に乗る前によく考えて見るべきだ。今の政府がそうした相手とまともに向き合う外交努力をしているのかを。
むしろ逆の行動をしている。
愛川さんや菅原さんは日本国内での戦時生活体験だが、中国大陸で戦場体験をした皇軍兵士は殆ど真実を語らずこの世から消えていった。そこには語れない加害の真実があって、生き残り、日常生活に戻った時にはまるでそんなことは無かったかのように心の奥底に押し込めなければ現実生活が送れない現状があった。
しかし戦場体験をした作家の中にはそれを小説という形ではあるが、自身の加害体験を含めて語っている人がいる。
その一人が武田泰淳氏である。いくつかの短編作品がある。作家の辺見庸氏が書いている。
中国の人々は皇軍兵士の、その戦場での悪鬼になった振る舞いを記憶し、語り、記録している。
それは嘘だ、大げさだと言うことは、言い立てる日本人が再び曽祖父や祖父や父と同じ悪鬼となり、餓鬼道に沈んでいくことである。
1943年生まれの辺見氏の父もまた中国大陸に狩り出された兵士の一人であった。
戦後の父は戦場体験について何も語らず、辺見氏も聞くべきではあったが、聞かずに終わったという。
しかし何気ない父の振舞の中に辺見氏は父もまた皇軍兵士の一人として悪鬼の所業をおかしたのではないかという疑念を抱き続けている。

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キューバはどこへ

2015年04月15日 | Weblog

キューバ・アメリカ首脳会談
先週の大きなニュースだった。NHKBSとBSTBSがよく似た視点からの特集番組を放映した。
今、キューバは外国からの観光客であふれているようだ。その人たちはアメリカと国交を開始すれば、キューバの良さが失われ、たちまちアメリカの商業主義に席巻されてしまうのではと危惧し、そうなる前に来たと言う。カナダ人やノルウェー人の言葉だった。
1959年の革命の成功以来、目の前のアメリカによる経済制裁に苦しんできたキューバ。
それでもソ連が崩壊する前はソ連の援助で何とかしのいできた。
私は1980年前後にメキシコ経由のキューバツアーに参加したことがある。当時の日本はアメリカ追随ながら今ほどポチではなかったのだろう、大挙して押しかける先ではなかっただろうが、ツアー旅行することができた。
確かにスペイン風の街並みはさびれた感じではあったが、外国旅行者は優遇されて、キューバの現実を考えると精一杯の受け入れ体制だったと思う。大した額ではないが外貨獲得の一助にはなっただろう。
ソ連が崩壊して、あの頃以上の苦境に陥ったと思われるキューバが、それでも持ちこたえ、都市の人々も有機農業に精を出し、それをルポした日本の農業専門家の著書もある。
アメリカは中南米諸国を自国の「経済植民地」として傀儡政権を盾に支配してきたわけだが、当然それに不満を持ち、傀儡政権を倒す運動が起き、人民政府が動き出すと、これを工作して政権転覆を図ってきた。
そんな中でキューバが持ちこたえてきた理由は何か。大きな理由はバチスタ従米政権で恩恵を受けてきた一部の地元資本家とエリート層がキューバからアメリカに亡命してしまったことにあるのだろうと推測する。
外から政権を転覆することはむつかしい。内部工作ができないから。CIAは亡命キューバ人を使って何度も転覆・カストロ暗殺を計画するが失敗している。
ここで生きていくしかない人々と革命の理想を信じる人々が暮らす国がキューバなのだ。
テレビ番組ではキューバで医師をしていた夫婦が安い給与に耐えかねてキューバを脱出、アメリカでそれなりに豊かに暮らせる生活を手に入れて満足そうにしている姿も伝えていたが、技術や能力のある人はどこの世界でも生きていける。
そうできない人々のためにあるのが政府の役割だと思う。
アメリカという国は資本家が自分たちのやりたいように金儲けができない国を敵視する。それは今も変わっていないと思う。
チャベス亡き後のベネズエラも表向きは石油価格の下落とか経済政策がうまくゆかないとかあるだろうが、政権転覆の暗躍の影が感じられる。
キューバもこれからの政府のかじ取り次第ではカストロ兄弟が中心となって持ちこたえてきた理想が崩れ去る可能性もある。
オバマ大統領にその意思はなくとも大統領の思うようには動かない国がアメリカだ。議会を共和党に握られている今は特に。

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アメリカの中国への代理戦争をさせられる?日本

2015年04月02日 | Weblog

政権は支持し、その政策には懸念を示すという支離滅裂
共同通信による電話世論調査の結果が報道されていた。相変わらずの安倍政権の支持率の高さだ。
その一方で安倍晋三が熱に浮かされるようにして切望している「集団的自衛権行使」には慎重な対応を求めるという回答が上回っている。
しかしこの間の政権の態度を見れば、そんな声に耳を傾ける連中でないことは明らかではないか。
沖縄の人達の総意も無視して代表である知事に会おうともしない。
安倍晋三にとっては権力を持っているうちに戦前回帰の軍国主義体制にしてしまうことしか頭になく、それに反対したり懸念を示す意見に対しては「そんなの関係ねえ」の一言であろう。全てを委任されていると思い込んでいる。
だから「集団的自衛権行使」に懸念を示し、平和憲法を維持していきたいと願うなら、この政権を支持してはいけない。
マスコミは「一強多弱」を強調して、他の選択肢がないように誘導するが「安倍政権を支持しない」というのは立派な一つの選択肢である。

アジアインフラ銀行への参加見送りで孤立する日本。
ボスのアメリカに首根っこをつかまれて「お前は参加しねえよな。俺に逆らったらどういうことになるかわかってるだろうな」と脅されて、この中国主導の投資銀行の参加を見送った日本。
遠いアメリカより近隣諸国とうまくやっていかなくてどうするのだ。
日本を脅したアメリカは、そのくせ自分は裏へまわって中国とこそこそ密談している。梯子を外されるのは日本だけという哀れな末路が予想される。
「運営に不透明さが懸念される」などと負け惜しみを言っているが、それでは既存の世銀やIMFやアジア開発銀行がそんな公正で立派な組織だったと言えるのか。
韓国も日本同様アメリカ従属の国だが、今回参加を決めた。97年の経済危機の際、韓国はIMFによって厳しい財政規律を迫られた。
そのために一層の財閥支配が進み、中小企業の疲弊がし、そこからなかなか立ち直れないでいる現実がある。
アメリカの言いなりにばかりなっていては国が立ちいかなくなる。
今まで世界を支配していたという自負のあるアメリカにとって、ソ連に代わる大国である中国の影響力の増大は懸念である以上に恐怖だ。
そこで身も心も自分に捧げている日本の政権を利用して、中国への戦争を仕掛ける、そのための日本の憲法9条破棄、自衛隊の活動拡大を安倍晋三にけしかけているのではという気がする。
原爆を落とされ、空襲で焼かれ、米軍基地を土地と共に金までつけて提供させられていることは恨まずに、逆に侵略していって蹂躙した中国に憎悪を抱くという倒錯した精神の持ち主である安倍晋三以下右派政治家と自衛隊幹部が進める「戦争への道」が進行している気がする。
中東での「テロとの戦い」に付き合わされるのかと思っていたが、本命はむしろ東アジアの海域での紛争かと思う。
恐ろしいのはごく普通の人々にも広まっている根拠の薄い「反中・嫌韓感情」だ。
最近のテレビではやたらに「日本のモノづくり」を称賛する番組が増えている気がする。自分達で自分達を称賛してどうする。
「神国日本」を称揚した戦前軍国主義のマインドと同じである。

コメント (2)
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