木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

安倍政権支持のリスク。親イスラエル

2018年06月25日 | Weblog

カジノで傷つく日本の中東外交(信毎・2018年・4月15日付。国際政治学者・高橋和夫氏の記事より)
いよいよ日本でカジノが解禁されようとしている。しかし日本へ進出をねらているカジノ企業の一つサンズ社を経営するカジノ王、シェルドン・アデルソン氏はイスラエル国籍を持ち、共和党支持者のトランプ支持である。そして熱烈なイスラエル主義者。反パレスチナの強行右派ネタニヤフの支援者でもある。
パレスチナ人の反対を押し切って、トランプはエルサレムにアメリカ大使館を移すことをきめているが、その移転費用負担をアデルソン氏は申し出ているという。
以前このブログでも書いたが、ユダヤ人がこの地から離散していったという歴史的事実はないという。そんなところへ元々住んでいたパレスチナ人を追い出し建国した。何の正義もない。もしサンズ社が日本に進出したなら日本人がカジノで使ったお金が回りまわってパレスチナ占領地でのユダヤ人入植地の建設資金として寄付されるような状況も考えられる。日本は親イスラエルの国としてアラブ諸国の敵になるのである。この地の紛争に関係のない日本はそんな愚を犯すべきではない。ギャンブル依存症のリスクだけでなく、こっちのリスクも同じくらい高いのだ。
安倍政権の支持率が下がらない、その理由は朝鮮への拉致問題だという。しかしすでに拉致問題は14年のストックホルムでの会合で「解決済み」だという。その結果を日本が受け取らず、引き延ばしているだけだというのだ。
日本国民はいい加減に目を覚まさないと「アラブの敵」になってしまう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国のつくウソを見抜く

2018年06月18日 | Weblog

朝、大阪北部、高槻市等で震度6強の地震があった。テレビのワイドショーは地震速報一色になってしまい、お昼もそれが続いた。
自分が当事者になれば大変なことだが、そうでない地域だとそれ以上心配してもどうしようもない。
フジテレビの「バイキング」だけが至学館大学レスリング部の栄氏の監督のクビ報道をしていたのでそれを見た。
このおかしな学長が君臨している大学はどんな大学かとネットをのぞいてみたが、大した情報はなかった。「健康科学部」という学部が売りのようだが、少子化で学生集めに苦労し、大学の統廃合が避けられない時代にこんなんじゃ生き残れないだろう。学長はどうでも教職員は「大学の行方がどうなるか」気が気じゃないはずだ。

政権と一体になったマスコミを信じている一般日本国民は朝鮮半島の非核化に懐疑的だが、朝鮮の非核化ばかりを話題にするおかしな論調を批判する人はテレビには出てこない。
しかし日本原水爆被害者団体協議会の事務局次長藤森俊希さんは諏訪市内での講演で「北朝鮮は核兵器を無くす。では米国はどうするのか。米国の恒久的な核兵器保持が前提となっていることはおかしい」と批判した。
被爆者として米国の核兵器保有が続いていることが一番心に引っかかっていると話した。当然だ。70年前の原爆投下こそがすべての始まりなのだ。

初等教育における洗脳。
「日本よい国、清い国、世界に一つの神の国。日本よい国、強い国、世界に輝くえらい国」
現在80歳以上ぐらいの高齢者は小学校入学と共にこんな言葉を暗唱させられ、森元総理に至ってはいい年になってからも「日本は神の国だから」と当たり前に信じているようだった。
1941年(昭和16年3月1日)国民学校令が公布され、文部省指令により子供達への洗脳教育が本格化し、真面目な教師程洗脳教育にまい進していくのである。
しかし小学校中学年ぐらいになると、こうした不条理な押し付けに疑問を持つ生徒もいた。
科学史家・山田慶児さんは小学4年生の時、真珠湾攻撃で戦死した特殊潜航艇5隻の9人を大本営が「軍神9勇士」としたのを新聞で読み、二人づつ5隻に分乗したなら10軍神のはずで、大本営が一人の生存者を隠していると気づくのだ。実際一人は潜航艇の座礁で捕虜になり戦後に生還した。
生きて捕虜になってはならないと命令していた軍は不都合な真実を隠したのである。「国もうそをつく」を実感した山田さんはその後も丹念に新聞を読み「大本営のうそ」を見抜いていく。中々こういう鋭い観察の子供はいないが。
「国家は嘘つきである」。これが山田さんが戦中時代に学んだことだ。
科学史家になった山田さんは「今は政治家を含め戦争を知らない人ばかり。戦争がどれほどあほらしいか、書き残しておきたかった」として『ぼくの戦争』を刊行した。(信毎2018・5・16日号の記事)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歴史の偽造「ユダヤの離散」

2018年06月10日 | Weblog

2002年、一般教書演説で、ブッシュ大統領(息子)がイラン・イラク・朝鮮を<悪の枢軸>と非難したが、全くよく言うぜといったところだ。18世紀以降の帝国主義政策で<悪の枢軸>として世界を引っ掻き回して来たのは米・英・仏の3国だと思う。
シリアに内戦を作り出し、いよいよ自分達の作戦がうまくいかなくなったと悟るとこの3国は「最後っ屁」のようにシリアを空爆した。
極東では朝鮮半島の平和を演出する方向に踏み切ったようだが、これは中東に本腰で介入するためではないかと思うような3国の動きである。

『ユダヤ人の起源』
オーストリア生まれでイスラエルで育った歴史学者シュロモー・サンド氏の著書で、2010年に日本でも出版されている。(武田ランダムハウスジャパン刊、高橋武智監訳、佐々木康之・木村高子訳)
2000年前、約束の地カナンから追放され、世界中に「離散」したとされるユダヤ人だが聖書にあるその記述は事実ではなくユダヤ人という民族も存在しないというサンド氏。執筆のきっかけは「ユダヤ人の離散は起きなかった」という論文を見つけたこと。イスラエルの歴史の本を探したが一冊もみつからない。古代史の専門家の間では「離散の事実はなかった」ことは常識だと知った。
だがイスラエルの学校では6才から歴史で聖書を教え、一般の人々はモーセがエジプトを脱出して同朋をカナンへ導き、その後ローマ人によって離散させられた物語を強く信じている。
世界各地にあったハザールなどのユダヤ教の王国は離散者が作ったのではなく改宗の結果に過ぎないことを多くの資料や文献を引用して示す。現在パレスチナに住むアラブの人々こそが聖書時代のユダヤ人の子孫かも知れないのだ。
教えられてきた歴史はパレスチナを植民地化するために必要な物語だったと言える。
それなのに今パレスチナ人は理不尽なイスラエルの攻撃にさらされている。
日本にも戦前「皇国史観」を歴史として学校で教え込んだ過去があり、今またそうした都合よく捏造した偽史を歴史の中にすべりこませようとする企みがある。
こうしたイスラエルの不正義を後押ししているのが英米仏だ。
中東現代史の専門家栗田禎子千葉大教授はイスラエルを「現代版満洲国」だと批判している。それを後押ししているのが従来からこの地を植民地化してきた欧州、特に英仏、そしてアメリカなのだと指摘していて、この点でも無知な日本人はイスラエルと距離を置かなくてはならないのに安倍政権はイスラエルと連携しようと積極的に乗り出している。この地の紛争に関係がなく、親日派であったアラブの諸国を敵に回す危険な安倍政権なのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝鮮と水俣病

2018年06月02日 | Weblog

朝鮮が今劇的に変わろうとしている
日本の政府と世論はそれを喜んでいない。「拉致問題」が解決していない、そして解決するのかという不信がマスコミによってまき散らされている。
しかし日本には拉致問題より以前に「植民地時代」の朝鮮への謝罪と清算が済んでいない。そのことを政府もマスコミも触れず、大部分の日本国民はそのことを意識することなく平気で朝鮮を、そして慰安婦問題で韓国を非難している。
2000年に入って小泉純一郎首相が平壌に飛び、「日朝平壌宣言」を締結し、拉致問題の解決に乗り出したが、安倍晋三を中心とする一派が拉致被害者は一時帰国するだけという約束を破って「日朝平壌宣言」は宙に浮いてしまった。
それから植民地支配を全く反省せず、「拉致批判」の嵐が日本中を覆って、その中で安倍政権が6年も続いている。そして今やウソをつこうが、税金を私物化しようが、公文書を改ざんしようが何をしても許される世の中になってしまった。

植民地時代の朝鮮。
朝鮮北部は元々鉱物資源が豊富で、帝国日本はその鉱物資源を利用して一大工業地帯として整備していた。その中に後に水俣で水俣湾に有機水銀入りの排水を垂れ流し漁民を中心とした人々を塗炭の苦しみに追い詰めた日本窒素肥料=チッソがあった。朝鮮ではアジア最大規模と言われた電気化学コンビナートを築いていた。朝鮮の興南工場にいた社員達は後に「社宅の生活は実に快適だった」と語ることになる。社宅は豊富な電力を使ったオール電化。スチーム暖房が完備されていた。一方朝鮮人従業員の社宅は4畳二間程度、水道や便所は共同。勤務外で日本人社員と接することはなく、「日本人の快適さ」は地元の朝鮮人と切り離したところにあった。
敗戦後、窒素水俣工場にやってきた「朝鮮組」の技術者達は
「朝鮮ではこうだった」というのが口癖だった。もう朝鮮の工場はないのに。幹部の中で最も戦前の体質を引きずっていた一人が西田栄一という人物でまさに水俣病が発生し拡大している時期の水俣工場長だった。
1963年、熊本大学医学部研究班は「水俣病の直接的原因は工場の廃液にあることは疑いのないところである。全責任は会社にある」と熊本日日新聞2月17日付で、世良宗介班長名で語ったが、チッソが排水を止めたのは68年、公式確認から12年がたっていた。原発も同じ構図だ。
被害が広がり死者が出てもチッソ社内には排水を止めようとしなかった人たちがいる。背後に「戦前なるもの」があったことは今の時代改めて思い返す必要がある(2016年4月29日「週刊金曜日」・野中大樹)

水俣病に襲われた患者の魂の叫び、つぶやきを土地の言葉で書き取り文学にした「苦界浄土」を書いた石牟礼道子。今年2月10日、90才で亡くなった。
改めてもう一度読み返している。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする