木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

アメリカ、日本の新政権茨の道

2009年09月29日 | Weblog
しばらくは新政権から目が離せない。
今日のワイドショーでは「かたぶつ」と言われている岡田外務大臣を取り上げていた。
会食は割り勘。会合も5000円程度の会費で済む居酒屋の個室。料亭には行かないなどなど。
岡田氏は大手スーパー「イオン」の会長の子息。「岡田屋」という三重県四日市市で代々続く呉服屋兼日用品の店をスーパーに衣替えし今日の大スーパーに仕立て上げたのは岡田氏の父。
岡田大臣の中には「始末屋の上方商人」の血が流れているのだ。上方商人は見栄を張らない。ケチと言われても平気で合理的な生き方に徹するというわけ。
60年代、全国で呉服屋や魚屋や燃料店と言った店々がスーパーに衣替えし、商売を広げていった。
しかし今、当時の店で生き残っているのはどれぐらいあるのだろうか。
ましてや全国展開し、成功させている企業となると・・・。
「イオン」はその成功例の典型だが、さすがにこの消費不況の折り、苦戦を免れてはいないようだが。
鳩山総理は幸夫人と共にパフォーマンスには最適の人材だが、指導力という点ではどうなのだろう。
それを本人もわかっているからか、官房長官に自分の意のままになる平野氏を起用。この平野氏の政治家としての「小物」ぶりが、新政権への失望の引き金になるのではないかという雰囲気が出ている。
たとえば、政府関係者の記者会見をすべての取材者にオープンにするという公約を実行しなかったり。
この人と藤井財務大臣。「ムダを削る」の名のもとに予算を削っていくというのは、財務省の思う壷のような気もしないではない。
亀井郵政・金融担当大臣が打ち出した中小企業等に対する「返済猶予」を設けるという施策に銀行協会がさっそく異議を申し立てたりしているが、たしか大手銀行は90年代の金融危機の際、「公的資金」を受けたのではないだろうか。自分達は助けてもらっておいて、他を助けるというと、文句を言うというのはあまりに身勝手。
鳩山総理はオリンピック開催地を決定するコペンハーゲンのIOCの会議に出席し、演説することにしたようだが、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は、「コペンハーゲンに行くなど愚かな行動だ」と言っている。
東京が2016年のオリンピックに立候補する意味など何もないという。
日本の市民自身が招致したいという熱意を持っていないし、そもそもオリンピックを招致することがインフラ整備を一気に進めるという面を多いに持っているので、発展途上にある、それなりに国力が上向いている国がやるのがいいのではと谷口氏は言っている。
東京に決まる可能性は100パーセントとは言わないがまずないという。
石原都知事はオリンピックより新銀行東京の後始末を真剣に考えるほうが先だろう。
CS「朝日ニュースター」に「デモクラシーNOW」という大手メディアが伝えない世界で起きているさまざまな出来事について取材し、伝える独立系メディア番組がある。
その番組が中東でイスラエルのガザ封鎖によって、そこに暮らすパレスチナ人達がいかに絶望的な状態に置かれているかを取り上げていた。
中東は日本からは遠いので、北朝鮮の核問題などのほうに目がいきがちだが、ガザのパレスチナ居住区に対するイスラエルの破壊と攻撃と封鎖は、暴発して世界を破滅に陥れるのはイスラエルに間違いないと思わせるものだ。
イスラエルの核こそ一番恐ろしい世界の「火種」だ。

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「八ツ場ダム中止」は税金の使い方の転換点

2009年09月24日 | Weblog
「八ツ場ダム」中止をめぐって。
前原国交相はさっそくむずかしい局面に立たされることになった。
国交相という任務がいきなりきつい立場になることは予測されたことだった。「前原、サンドバックになって来い。それに耐えてこの問題を解決に導くことがお前の政治家としての真価を問うことだ」という小沢奥の院のメッセージのように私は感じた。
「八ツ場ダム中止」は民主党の公約の象徴のようなもの。中止は決まっている。「中止反対」を叫んでいる連中の声の大きさに耐えて、住民の生活再建、途中まで作った道路や橋をどのあたりで「軟着陸」させるか、前原大臣、そして馬渕・辻元両副大臣の腕が問われる。
前原大臣がしょっちゅうテレビのニュース番組に登場するので、その顔を見る機会が多くなりつくづく「歌舞伎役者みたいな顔してるのね、この人」と思うこの頃です。
お疲れの際は、時に元気の良い辻元さんに代ってもらうわけにはいかないのでしょうか。
最初に予定した工事費の7割がすでに投入されたが、ダム本体の工事はまだ手がついていない。今ならまだ間に合うのだ。
工事の7割が既に終わったかのように錯覚させる報道がなされているが、既に7割の工事費を使ってしまっているというのが実態。
これから工事を続行すれば、さらに税金をつぎ込まなくてはダムは完成しない。
利水・治水そのどれもがこの50年の間に意義を失ってしまっている。緊急性がない。そのお金は今すぐ必要としているところへまわさなければならないお金だ。
必要な公共事業はたくさんあるのに無駄な公共事業が幅を利かせるのはなぜか。
今やダムや空港の建設・整備はゼネコンとその系列をもうけさせるためにのみ存在している。
「中止反対」を叫ぶ大声はしばらくやまないだろうが、それは言わせておけばいい。
「八ツ場ダム」を中止しても他の地域の人は誰も困らない。むしろあまりごねていると、「国民全体の税金を何だと思ってるんだ」という気持になっていく。
今もうすでに地元長野原町の役場には「中止反対」を叫ぶことへの抗議の電話がいっぱい来て、対応に追われる職員の疲労が始まっているという。
「八ツ場ダム」を始めとするダム建設中止は、「国民の税金を国民一人一人が、健康で文化的な最低限度の生活を営めるために使う」ことへの転換の出発点になる象徴的政策なのだと思う。
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小泉・竹中構造改革推進が健全野党自民党の行く道?

2009年09月17日 | Weblog

16日付「信濃毎日新聞」の「野党自民政策のポント」という経済アナリスト森永卓郎氏の文が面白い。
森永氏は野党になった自民党にぜひ「供給側」に立った対立軸をと促している。供給側即ち企業や資本の視点に立った政策だ。
・規制は徹底的に緩和し小さな政府を作り、社会保障は削減する。
・企業による柔軟な雇用調整のために正社員を含め解雇を自由にする。賃
 金も企業が自由に引き下げられるようにする。
・税制では消費税を大きく引き上げ、それを財源として法人税を引き下げ
 る。資本蓄積を容易にするために所得税の最高税率の引き下げと相続税
 の撤廃を行う。
・教育面では、きびきび働いて文句を言わない労働者を作るため、全国共
 通テストの成績で学校間の競争を促すと同時に愛国心教育を徹底す
 る。
これくらいはっきり言えば、民主党との違いは鮮明になって、こうしなければ日本が生き残っていけないと宣言する。そのことで国民の支持が得られるかどうかは問題ではないと言い切る。強烈な皮肉だ。
冷戦崩壊以後、政権与党自民党が押し進め、小泉・竹中構造改革で「総仕上げ」寸前まで行ったのがこの政策だからだ。
「小泉郵政選挙」で圧勝したのは「小泉マジック」とオセロゲームのような「小選挙区制度」の結果のように言われるが、実は05年の総選挙の際は、まだ自民党を支える諸団体の組織が機能していて、その土台の上に、争点の単純化や、死票が山ほど出る小選挙区制度により、公明党も含めた3分の2の衆院議席が可能になったのだという研究者の分析を聞いた。
この4年間で、自民党を支える組織は、森永氏が列挙したような供給側の政策を推し進めた結果、崩壊していたのだという。負けるべくして負けた自民党だが、民主党が自民党の行った道をまたたどっていく可能性が出てきた。
記者クラブの解放が頓挫しつつあるという。民主主義定着の道は遠い。
    

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衆議院比例定数削減反対!

2009年09月12日 | Weblog

民主党政権発足は目前だ。
岡田現幹事長は、衆議院比例定数を80名削減する方針をあくまで推し進めようとする姿勢を強く打ち出している。
これは絶対やってほしくない。国民はそんなことを是が非でもやってもらいたくて民主党を勝たせたわけではない。
比例定数削減は民主党の方針であって、岡田氏個人の方針ではないが、誰よりも彼がこの公約を実現させたがっているようだ。
即ち、民主党の左側に立つ社会民主主義的勢力を封印せんがために。
民主党の幹部達の中で一番市場原理主義的考え方を持っているように思われる。
今まで政治権力を持っていなかったがゆえに「しがらみ」がなく、既得権益に切り込める力を持っているはずの民主党だが、政権について時間がたてば、今までの自民党のような腐敗政党になっていく危険性は必然だ。その時にそれを批判し、対抗する野党勢力が必要だが、それは自公勢力ではなく、社共や第3の政治勢力だろう。
自民党と民主党の2大政党で政権交代していくための制度としての「小選挙区制」ということだが、肝心の自民党が2大政党の一方として生き残っていくのか疑問に思えるこのところの迷走ぶりだ。
となると民主党の独りがち、「一党独裁」が続くことになる。比例部分の削減はその状態を絶望的に固定化する。また日本は長い不幸のトンネルに入ってしまうのだ。

アメリカのオバマ大統領が「医療保険改革」で、この改革に猛反対している保険業界の反撃で窮地に立っている。
国民すべてが加入し、安い医療費で診療が受けられる、命を守るために欠かせない制度だと思うが、アメリカ国民はそうは考えない。
ジャーナリスト堤未果が言う「無知と無関心」という最大の敵がたちはだかっている。
儲けが減ってしまう保険業界だけではなく、市民の中にも「アメリカはいつから社会主義国になったんだ」と反対する人たちもいる。
社会主義だろうと何だろうと、大多数の人々の利益になることならいいじゃないかと思うが、社会主義=悪という冷戦時代の刷り込みがアメリカ国民の間にまだ生きている。

鳩山由起夫氏が民主党の代表になった時、鳩山さんでは「選挙は勝てない」と思ったが、相手になる自公勢力の敵失が多すぎたことと、選挙を仕切っていたのは、鳩山さんではなく、小沢さんでした。
鳩山氏には少数意見に耳を傾ける柔軟性を期待したい。いい意味で「ぶれてほしい」。


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金で行動を縛る

2009年09月07日 | Weblog
民主党に政権が移ることになって、メディアの論調は「果たして民主党で大丈夫か」一色の感がある。
その際、民主党に対抗する政治勢力に関してあくまで自民党しか想定しないのは「想像力の貧困」かそれとも「意図的」なのか。
私はそれは自民党側ではなく、第3の勢力、社民党や共産党や新党日本あたりも含めた側であると考える。自民党に比べて議席数が少なくて問題にもならないと思うのかもしれないが、第3極の波は必ず起こるしまた起こらなくてはならない。そうでなくては日本社会の明日に希望はない。
民主党政権の一番の売りは「官僚支配の打破」だが、それと共に大企業・金持ちばかりを優遇する政策を見直すことにも力を入れてもらいたい。
そうでなくては民主党が掲げる政策の一つ一つは「財源はどこに?」の批判に耐えられない。
アメリカの貧困の実態を取材するジャーナリスト堤未果は、「チェンジ」をキャッチフレーズに颯爽と登場したオバマ大統領がここへ来て金融危機で一時鳴りをひそめていた海賊かあるいは山賊のような市場主義者の再びの攻撃の前に足踏みしている現実を伝えている。
大統領候補者のなかで最も多くの政治資金を集めたのはオバマ氏だった。
それは一人ひとりの市民の「貧者の一灯」でもあったが、オバマをけん制し、自分達の野望の方に引きずり込もうとする巨大企業からのものでもあった。
アメリカには成功した企業家が巨額の寄付をしたり、奨学金を創設したりといった文化がある。一方日本の企業は、そういう話をあまり聞かない。ひたすら溜め込んでいる印象がある。
これを「キリスト教の信仰を背景にしたアメリカ社会の懐の深さ」みたいに思った時もあったが、それはもしかしたら違うのではないかと気がついた。
社会的弱者のために活動するNGOやNPOに資金を援助して恩を売る一方で、武器を売り、戦争の民営化で儲け、更なる貧困を作ってまた儲ける。
金で口封じをして、自分達の野望を追求する。
巨大な肉食恐竜がアメリカ資本主義の姿だと思う。
これに比べると、日本の資本家側はわかりやすい。ケチな様子がよくわかる。
しかし巨大恐竜は食い尽くすものがなくなって滅びの道をたどった。
弱肉強食、市場原理主義の金儲け活動とは所詮そのようなものだ。
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小沢氏の女性候補選びの基準

2009年09月02日 | Weblog
総選挙が終わった。
投票日以前の予測どおり民主党が圧勝し、選挙による「政権交代」が実現することになった。
熱狂的な交代劇というより冷めた政治劇だが。
この間の自公政権の政治がお粗末すぎた。その結果だからだろうか。
これで2大政党時代の始まり?私にはそうは思えない。自民党は2大政党の一方をになう政党にはもうなれないような気がする。
加藤紘一氏などは自然と調和し、良き伝統を生かし、小学校区ぐらいの地域コミニュティーを大切にする政党にと主張していたが、今回勝ち残ってきたメンバーを見るとそういう再生ができる人たちとは思えない。
かつての幅広い自民党のお株はもう民主党に奪われてしまった。
この10年ほど、アメリカ流新自由主義経済政策に傾きすぎて、もう元には戻れないところまで来てしまった。
やはり2大勢力のもう一方は、社民党や共産党の主張する方向でなければならない。
今回、自公と民主の争いに埋没した感があるが、議席を減らさず、辛うじて現状維持にとどまったことに私は希望を見出したい。
今回の選挙、「小泉チルドレン」に代って、「小沢ガールズ」と称せられる民主党の女性議員が大量に誕生したが、こちらはチルドレンとは一味違うましな人がそろっているように感じる。
かつて小沢氏の側には小池百合子というひとがはべっていたが、女性候補選定に当たっては、小沢氏は小池百合子と真逆なタイプを選んだように思う。そうすれば間違いないという感じだ。
象徴的な人は長崎2区で久間元防衛大臣を押さえて当選した福田衣里子さんだ。
薬害肝炎訴訟の原告代表のこの若い女性に立候補を決意させ、当選させた小沢さんの力量は大したものだ。
「民主党のジャンヌダルク」だが、ジャンヌダルクの運命は最後神通力を失い、火刑に処されるというもの。そうならないように福田さん自身の努力はもちろんだが、民主党がこの人をつぶさないでほしいと思う。
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