木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

社民党が連立していた意義

2010年05月30日 | Weblog

社民党福島党首、「普天間移設」政府方針署名拒否で罷免。
社民党の方針を貫いて、署名しなかったのはまずは正しい選択だったと思う。
評論家の中には、元々「平和・護憲」を掲げる社民党が、そのへんをあいまいにしたまま、連立に加わったことを批判する人もいるが、もし、社民党が野党のままで、閣僚も送らず、正しい主張を叫んでいても、これほどのニュースにはならなかっただろう。
米軍基地のあり方に関してはほぼ同主張の共産党が、この間マスコミに登場してその主張を展開する機会が殆どなかったのに比べて、福島さんの姿は毎日ニュースの絵になっていた。
自民党の弱肉強食型の政策から「人を大切にする、国民大多数の生活を守る」を掲げたからこそ民主党は大勝したのだ。
政権と鋭く対立してきた共産党でさえ「政策に関しては是々非々でのぞむ」と言っていた。
社民党が政権に入って、民主党の政策を社会民主主義側に引っ張る意義はあるはずだと思う。
だから最初から今度の新政権に社民党が入ったのは間違いだったとは思わない。
またもっと早く福島氏はアクションを起こすべきだったという批判もあるが、それは弱小政党社民党の限界であり、社民党の人材不足でもある。
来る参議院選挙では社民党は「米軍普天間移設問題」の不当性をただ一つの争点にして戦えばいい。
「普天間問題」は単に米軍基地の問題ではなく、日米のあらゆる関係、軍事・経済を中心にしたそのあり方を考え直すキーワードだ。
社民党がぶれずにこの問題を主張し続ければ、今まで民主党に行っていた票はかなり社民党に流れるはずだ。
そのことは寄せ集めの党である民主党の姿・形をはっきりさせることになるだろう。それこそ望むべきあり方だ。
寄せ集め・選挙互助会政党である民主党に最もふさわしい党首が鳩山由紀夫という、自分が何を言っているのか、何をしているのか、さだかでないような「浮遊人」だった。
そしてそのような「浮遊人」を助けるというか、足を引っ張る脇役は平野博文というわけのわからない、「政治的無能者」しかいなかった。
だいたい鳩山首相がこの「日米安全保障」に関する諸問題を解決していくにあたって、前政権で指南役を務めた外務官僚OBを起用するというところからボタンが掛け違っている。そういう人脈しか持っていないということだ。

グローバル化がもたらした口蹄疫。
コストダウンを求めて輸入食品が増えた、そしてウィルスがともに持ち込まれた。
それが口蹄疫に先んずる鳥インフルエンザ、豚インフルエンザの流行だった。
安い物を求め、その結果、インフルエンザや口蹄疫が流行し、その後始末のコストは膨大となり、私達は税金でそのツケを払うことになる。
「地産地消」、肉ばかり食べたがる傾向を「食い改める」ことがいっそう求められているのだ。
(「週刊金曜日5月28日号/天笠啓祐氏の文より)

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混迷を経なければ最善は見出されない

2010年05月23日 | Weblog

今日5月23日の信濃毎日新聞の一面トップ記事は、「辺野古周辺埋め立て、自衛隊との共用検討」で、普天間代替の日米合意とあった。
まったくこれじゃ最悪の合意だ。
民主党が政権を握った時、この党が国民のしあわせのために知恵を絞る政党かどうか、半信半疑で、そして鳩山由起夫という政治家がどれほどのものかという点についても不安はあったものの、まさかこれほどひどいとは、予測できなかった。
自民党に戻っていいとは決して思わないが、このような民主党が政権の中枢を担うのもまた日本国民にとって不幸なことだ。
おそらくこの7月の参議院選挙では、昨年の衆議院選挙のような勝利を民主党にもたらさないだろう。そして政治の混迷は続く。だがその中からしか私達は「民主的で公正な社会」を作り出せないのだと思う。

映画『密約』を見る。
映画の冒頭、「この映画は事実に基づいたものであるが、個人を誹謗中傷するものではない」というメッセージが映し出される。
このメッセージの意味は映画の後半で意味を持ってくる。
1972年の「沖縄返還」に関して、日米政府間で、今に続く「思いやり予算」に通じる「密約」があった。
それを外務省への取材の中で明らかにしたのが、毎日新聞の西山記者だった。
外務省の審議官の秘書事務官だった女性職員を通じて日米間の極秘電文を手にしたことで、この密約の暴露は可能になったのだが。
政府は「密約」それ自体を認め、国民に謝罪するのではなく、逆に西山氏に対しては女性事務官に「秘密を漏らすようにそそのかした罪」、女性事務官の方は「国家公務員法違反」の罪で裁こうとしたのだ。
最初は日米間の「密約」に焦点があたっていたのが、検察側が「情を通じて」事務官から密約の証拠を持ち出させたと反撃したところからこの密約を暴露したというそのこと自体より、その取材方法に世間の関心が移ってしまうという逆転現象が起きた。
私もこの「情を通じて」という言葉にはずうっと引っかかってきた。
このドキュメンタリー映画の原作はノンフィクション作家の澤地久枝さんだが、女性ならではの視点で、この秘密の電信文を持ち出すという行動をした女性事務官の心理と人生の軌跡を追った。
辣腕記者に利用された事務官という構図では決してなかったということをこの映画は示唆していた。

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民意をより汲み取れる選挙制度は?

2010年05月16日 | Weblog
小選挙区制度による2大政党制の崩壊。
日本がお手本にしたイギリスの小選挙区による2大政党制が見直しを迫られている。
第一党に返り咲いたものの、保守党は単独で政権運営ができる過半数を獲得することができなかったのだ。
中道左派とされる自由民主党と連立を組むことになった。
富裕層の利益を代弁する保守党と、労働党以上に低所得層や移民に配慮する政策の自由民主党が連立を組んでうまくいくのかという疑問があるが、自民党は小選挙区制の見直しを連立の条件に挙げている。
自民党というと、日本では戦後ほぼ一貫して政権をになってきた日本の自民党がまず思い浮かんでしまうのだが、テレビなどのメディアは意識的にこのイギリスの自民党が日本の自民党とは立場の違う政党であることに触れず、視聴者に混同させるようにしているように見えた。
先進国では小選挙区制で、2大政党制を追求している国は少数派で、むしろ比例代表制の多党傾向で、1党で過半数を制することはまずなく連立を組む。
2大政党では多様な民意を汲み取ることはできない。
日本は1周遅れ、2周遅れの制度の中で、政治が迷走している。
ところで連立を組むことになった保守党のキャメロン党首と自民党のグレック党首は、一卵性双生児のように年令も見た目も似ている。
共に名門大学出身のエリートという点でも共通している。
小選挙区制度が揺らいでいるイギリスだが、日本の小選挙区とは違って、世襲や有名人が幅を利かせるというものではないようだ。
新人はまず当選がむつかしいような選挙区を割り当てられ、落選を繰り返し、その中できたえられ、政策の勉強をし、しだいに有力選挙区を割り当てられ当選するという仕組みになっている。
小泉進次郎君のように、いきなり親の威光で当選し、そのイケメンぶりに焦点をあててもらって、政治家を演じるというようなことはないという。
また日本では、議員定数の削減を言うと、拍手を受ける傾向にあるが、今の選挙制度のまま、定数を削減すると、それこそ民意を汲み取らない議員ばかりが当選する悲惨が待っている気がする。
また国政における1票の格差をめぐって、訴訟が起こされ、都市と地方の票の重味の違いは是正されねばならないという判決が出て、それはその通りなのであろうが、しかし、では人口に合わせてもっと厳密に選挙区割りをしたら、都市部を代表する議員ばかりになってしまうわけで、多様な民意を反映するという点で問題が生じるだろうし、これも選挙制度と合わせて考えていかなければならないことだと思う。
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謝罪をしない者は報復を恐れる

2010年05月09日 | Weblog
米軍駐留の抑止力について。
迷走する「普天間基地の移設」について、今更のように鳩山首相が「抑止力」を持ち出したのには驚き。
沖縄米海兵隊の「抑止力」を鳩山氏にレクチャーしたのはおそらく「売国官僚」、ろくな連中ではないだろうけど。
「抑止力」を言う人達は、北朝鮮のテポドンが、韓国が竹島を占拠してる、中国が尖閣諸島のガス田を独り占めしようとするというようなことをあげて、海兵隊が日本の国外に行くことで、そうした危機が一挙に押し寄せてくるかのように言う。
しかしこのブログでも以前専門家の意見を紹介したことがあるが、海兵隊というのは最前線の上陸部隊で、抑止のために駐留しているわけではないし、もし仮に戦乱状態が起きた時、自国民を救出するのが第一の任務だという。
日本のために中国や南北朝鮮に「睨み」をきかせてくれるわけではない。
日本が北東アジア諸国に対して、過剰に警戒心を抱くのは、やはり過去に彼らに対して犯してきた罪に対する「報復」を恐れる気持が上層部ほど強いからではと思う。
過去に対する「謝罪」をわが国はきちんとしていない。
日本は海を越えて、中国大陸や朝鮮半島を侵略していったけれど、大陸側から日本に侵攻しようとしたのは「蒙古襲来」だけ。
それも元のクビライが、日本との交流を求めてきたのに、それこそ時の鎌倉幕府が、唐の商人の情報ばかりで判断して、それに真摯に向き合わなかった、つまりちゃんとした外交を展開しなかったという歴史エピソードをNHKが放映していた。
日本は今までアメリカ一辺倒で、独自の外交をやって来なかったので、アジア諸国と平和外交をして行く方法を持っていないと言ってもいいが、これからそれを模索していくべきで、米軍の軍事力に頼っている時代ではない。
沖縄でも徳之島でも、住民は反対運動で盛り上がっている。
成田空港建設反対でも、各地のダム建設でも、最初は住民は一丸となって、反対する。それを政府や行政は先延ばしし、あるいは押さえ込み、振興策や補償で分断してきた。
やがて人々は疲れ、あきらめさせられる。
そうしたあり方を繰り返させないために、私達はどうすればいいのか。
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軍事・軍備にさようなら

2010年05月01日 | Weblog
小沢氏「政治資金」起訴相当の検察審査会の見解。
小沢氏の政治資金に関しては、不透明だという気はするが、しかしこの「検察審査会」のメンバーは誰なのか私は知らないし、市民団体の告発を受けて、審査した結果だというが、この市民団体とは何なのか、その人達が記者会見とかをしたというのも見落としなのか、知らない。
しかしネットで見たら、この市民団体なるもの「在日特権を許さない会」とかいう、在日朝鮮人をターゲットに理不尽な攻撃をしかけて、うっぷんを晴らしている、まともな市民団体とは思えない組織のよう。
このことが知られていれば、国民はここまで、小沢氏を非難の目で見ただろうか。もう少し冷静に考えたのではないだろうか。
メディアは報道する時、この市民団体名を明らかにして伝えるべきだ。
辺野古沖くい打ち滑走路と徳之島への一部移設の米軍普天間飛行場に関する政府提案。
沖縄や徳之島の人達が挙げて反対しているのに、これが改めて出す政府案って、一瞬目を疑う案だが、ここで私は思った。
鳩山さんは大波にほんろうされる小船のようにあっちへ揺らぎ、こっちでたたきつけられ、そうしてもがいてみせて、「これだけ努力したんですが、やっぱりみなさん嫌だって言うんです。アメリカさんかんべんしてください」と、アリバイ工作のためにこんな案だしてるんじゃないかと、そうでも思わなければ理解不能な政府案だ。
正攻法で、アメリカに対するのが筋だし、国民に理解もされやすいが、こんな方法もありかと。
どうやらそんなフェイント攻撃というわけではないらしいのが残念だけど。
鳩山首相の政権運営の最大の問題点は、最も重要な閣僚である官房長官、防衛大臣、外務大臣によりによって、民主党の中で最も政治的に無能な議員を任命したことだ。
岡田外務大臣は無能とは言えないかもしれないが、少なくとも外務大臣の任ではない。
それが普天間問題をよけいにこじらせているように私には見える。
子供手当てに高校無償化、それ以外にも国民の福祉を第一に考えた政策を実行していこうと思えば、お金はいくらあっても足りないように思える。
そこで浮上するのが「消費税上げ」の論議だ。
米軍基地の問題とも関連するが、今仕分けされなければならない「税金の使われ方」の第一は軍事予算だろう。
「米軍への思いやり予算を福祉予算へ」。消費税を上げる前にすべきことだ。
企業活動を活発にし、外国の企業を呼び込むために「法人税減税」の論議もまかりとおっている。
しかし日本企業はこの20年ほど、社会保険料などの企業負担をコストカットの名の許に削減し続け、雇用も保険料負担を免れる非正規社員を増やしてきた。
日本の法人税は、こうした社会保険料などの負担が少ない点を考えると決して各国に比べて高くはないという。
破たんしたアメリカのGMなどは、社員の医療保険、年金負担など、アメリカ政府がやらないことを企業福祉としておこなってきた結果、営業利益が下がるにつれて、その負担に耐え切れなくなったという側面もあった。
法人税も所得税も「儲けた分」にかかる税であって、消費税のような生活費にかかる税ではない。税の質が違う。
どうしても消費税が避けられないというなら、それはぜいたく品や高級品にかけるべきであって、豆腐一丁、納豆一個にいちいちかけるものではない。
消費税の高いヨーロッパ諸国だが、税の負担感をそれほど感じないという。それは生活の基本をなす食料品などが安いためと、福祉が充実しているという安心感がそう思わせるようだ。
企業も、また株長者のような人達も、社会のインフラの恩恵をこうむっている。応分の負担は当然ではないか。
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