テロがなぜ起こるか報道しない日本のメディア
今回のアルジェリア人質事件は、元々は欧米が悪い。
500年以上続いた欧米によるアフリカ搾取。アフリカ各国が独立を果たした後も、その政権基盤が弱いことにつけこみ、従わない者は暗殺し、自分達の言いなりになる者を擁護してきた。
アフリカの豊かな資源はそこに暮す人々の生活を豊かにすることに回ってこなかった。
貧困と収奪がテロを生む一番の原因だ。そのことを日本のマスメディアは一切報道しない。ただ「テロが起きた、テロが起きた」と、まるで自然災害が突然襲ったような言い方をする。
日本政府は今回の人質事件に関して情報を得るのに苦労している。アルジェリアには日本大使館があるのにまるで機能していない。
各国に置かれている日本大使館が本来の情報収集や外交をしていないことを気づかせてくれたのはペルーで起きた「大使公邸での人質事件」だった。
12月23日の「天皇誕生日」を祝うパーティーが開かれていた。そこを狙われたのだが、「えっ?大使館てそんなことしているんだ」と、奇異に感じた。
天皇誕生日のために皇居に参集するという行事はあるが、日本で「天皇誕生日」を公的な場所で祝っているなんて聞いたことがなかった。
かつて参議院議員を務めたことのある俳優の中村敦夫さんは、「在外公館がやることといえば、天皇誕生パーティーとカラオケ大会ぐらいなものだ」と書いていた。
それ程外務省は堕落し、腐敗しているのだ。もう十年ぐらい前のことだから、それからも何も変わっていないのだ。日本国民の目の届かない外国で、税金を私物化して、大使級の任務を終えて日本に帰国する時には豪邸を建てられるぐらいに蓄財しているのだという。
かつてODA(政府開発援助)の無駄遣い問題で名前がしきりに出てきた「日揮」という会社。事件が起きた「天然ガスプラント」の建設に関わっていたわけだが、犠牲になった人の中にはこの会社の社員ではなく、人材派遣会社から回されてきた人がいた。
国内だけでなく、こうした海外の治安の悪い地域での仕事に派遣社員として出て行かざるを得ない人達がいるのだということも改めて認識した。
これからますます増えるのだろう。「原発」の現場と一緒だ。
危険な部署は下請けや派遣社員に。社員は後方に。
自民党の石破幹事長?はテロと対峙するために「自衛隊員の派遣も必要」などと馬鹿なことを言っている。情報収集能力がないのにただ出て行って何をするというのだ。それこそ「テロのかっこうの標的」になるだけだ。
海外へ出て行って仕事をする人達のために日本政府がすることは外交能力を高め、友好関係を作ることだ。
「テロとの戦い」を掲げるアメリカにただただ従っていると日本もテロの標的になる。
アルジェリアで日本人らイスラム武装勢力により拉致
フランスのオランド政権は旧植民地であるマリに対して、反政府側が支配している地域への空爆に踏み切った。そのことへの報復と宣戦の意味がこの事件にこめられている。
フランスは何でこんなことをするのか。
イギリスとフランスの植民地支配の違いについて、最近何かで読んだが、イギリスは植民地の独立が不可避とみるや、独立後の政権とうまく交渉して、実利を得るというふうに切り換えるが、フランスは独立を認めず長い抗争に入り泥沼化させてしまい、相手側にもそして自国にも大きな傷を残して、結局多くを失う不合理な道を選んできた。
今回の「マリ空爆」に関してフランス国民はどう思っているのか、聞こえてこないが。
中国「南方週末」記事に広東省当局介入報道
先週、NHKは夜7時のニュースでこれを長々と報道した。
中国広東省共産党委員会のやり方は稚拙だ。これは一時代前のやり方だ。
日本の場合は大手メディアは自主規制という形で、政府に従っている。
政府がして欲しくない報道はしないのだから介入などする必要もない。
それどころか政府の意図を先回りして巧妙に宣伝する役割も引き受けている。
そんなメディアがいかにもこれは「報道の自由への介入だ。中国は遅れている」みたいな報道をするのは笑止千万ものだ。
原発の危険性も消費税が社会保障のために必要なのではなく、実は富裕層の減税のためであるというカラクリも報道してこなかったマスコミに他国のメディア規制を批判する資格はない。
ところで広東省共産党委員会宣伝部と同じようなことを過去にした人物がいる。狂い咲き・返り咲きの安倍総理だ。
NHKが教育テレビで放映した「太平洋戦争時代の慰安婦」に関するドキュメンタリーにイチャモンを付けた張本人だ。
NHKさん、あの件は報道への政府当局の介入じゃないんですか?確かあの時安倍はたなぼたの官房長官だったような・・・。
バカ殿コンビが日本を破滅に導く予感
お札を刷ってばらまき一時的に景気をよくする手法は江戸時代からさんざ繰り返されてきた。それが過ぎると更なる苦境が待っている。
江戸時代は社会にとって不要な武士階級を養うためにそれが繰り返されたが、今の日本では、株や投資で設けるハゲタカたちのためにそれは用意される。
安倍は岸信介の孫、麻生は吉田茂の孫。「政界の貴種」だ。
安倍は「馬鹿だ」と言われると「馬鹿じゃない」と必死に叫ぶ子供だ。
麻生は馬鹿だ、漢字が読めないと言われても平気だ。彼は劣等感というものを知らない。
何でそんなこと感じなきゃいけないんだ。俺には金もあるし、偉大な?祖父の背後霊もついている。
この二人は「バカ殿」として、使い勝手がよい。側近の言うことを聞くしかないからだ。
もう一組「政界の貴種」がいる。「鳩山兄弟」だ。
しかしこの二人は側近の言うことをそのままは聞かない。自分は彼らより賢いはずだと思っているから。事実、時に正論を主張して「正義の味方」になったりすることもある。
兄の由紀夫がそうだが、弟の邦夫も厚生年金機構が作った無駄な施設の転売で儲けようとした政府の諮問機関だったかの役職に就いていたオリックス会長の宮内義彦らの手口を見抜いて追及したことがあった。
ネット右翼に人気があるという安倍・麻生。同類の馬鹿だからだろう。
しかし私が購読しているブログ「世に倦む日々」では、このままでは中国との軍事衝突になり、最終的には日本の降伏で終わるだろうと予告している。
バカ殿によって私達の日本は引導を渡されるのだ。
2020年東京オリンピックは「原発廃炉」でないと招致の資格なし。
メディアでは「東京オリンピック」招致の話題がこのところのメインだが、福島第一原発の事故処理もまだ途上、他の原発もその立地の下の地層が大地震に耐えられないものではないかという疑いが立て続けにクローズアップされて来ている。
そんな危険な日本の、東京で「オリンピック」とは冗談でしょうと言いたい。
地震大国で狭い国土に54基もの原発がある、そんな危険な日本に各国の選手も役員も観客も来たくはないだろう。
次に原発立地地域で大地震が起こったら日本は終わりなのだ。わかっているのか。
津波対策の防水堤防を高くして、ごまかそうとしているが、福島の場合、津波以前に地震で配管などが壊れた可能性が高い。
東京の他にスペインのマドリード、トルコのイスタンブールが立候補しているが、スペインは深刻な経済危機が続いている。オリンピックどころではないような気がするが。
スペイン在住のジャーナリストの報告によると、スペイン経済の危機はそもそも一部の王族も含めた富裕層・特権層の国民をかえりみない、自分達だけのフトコロを潤すことばかり考えている腐敗に一番の原因があるという。
民衆による革命が起こっても不思議ではないが、ユーロの支援が辛うじてこれをまだ止めているということか。
マドリードは経済で、東京は環境で問題を抱えているので、これはイスラム圏で初のオリンピックを掲げているイスタンブールというところか。
取材では「オリンピックで元気を」という街の声を拾うが、震災、特に原発被災を置き去りにして元気はない。
処分場の選定はまず自分の選挙区から
1月5日の信濃毎日新聞に、井上信治環境副大臣が東京電力福島第一原発事故で発生した「指定廃棄物」の茨城県高萩市と栃木県矢板市を政権交代後初めて訪問の記事があった。
両市長は改めて白紙撤回を求めた。当然だろう。これに対して副大臣は「前政権が進めたことを検証して行く」などと答えるにとどまった。
処分場を選定したいという意志があるなら、まず自分の家から、そして周辺、選挙区、それがとてもできないなら他へ押し付けるべきではない。
京大原子炉実験所助手の小出裕章氏は、放射性廃棄物はまず東電の本社で引き受けるべきだと言っている。
具体的には福島第一原発、ないしは第二原発の敷地内しかない。
現在明らかになっている「原発」の問題点を既に全て描いた映画『東京原発』
猪瀬は石原の後継指名で都知事になったからと「オリンピック招致」に浮かれている場合ではない。
最も彼が本気で「オリンピック招致」を望んでいるようには見えないが。
私にはこの人はいつもどこへ立てば有利でいられるか、そればかり考えて行動しているように見える。
不利になったら真っ先に逃げる。一見要領のいい奴だが最後はその要領の良さが仇になって墓穴を掘る。
映画「東京原発」だが、脚本・監督山川元。02年に制作され、04年に公開されている。
石原慎太郎のキャラクターを彷彿とさせる都知事天馬が登場する。演じるのは役所広司なので、年齢的に石原とは違う。
東京都は赤字財政である。ここも実際とは違う。有力企業の集まる東京は大阪などと違って黒字財政だ。だから石原の暴政が許されてきた。
さてその赤字を解消するために天馬知事は局長達を集めて「東京に原発を誘致する」と宣言する。
狙いは「原発立地交付金」だ。仰天し、恐怖する局長達。
その天馬が原発誘致の説明をするために呼んでいるのが原子力委員会の某。
ところが彼は英国で再処理されたMoX燃料の輸送船が福井の港に入るのを反対派に阻止されため、それを東京のお台場から陸揚げし、トラックで福井に輸送する仕事に追われていた。
運転手として雇われたのは地方でリストラされ、上京して清掃車の運転をしている中年の男。彼は東京の地理がわからず、高速道に乗りそこなう。指定時間をせかされ、自暴自棄になった運転手は酒を飲み、暴走し、何かにぶつかって止まる。そこへ乗り込んできたのが爆破マニアの少年。彼は爆弾を仕かけた、都庁へ行けと命じる。実況中継も要求する。
さて都庁で原子力委員の某に代わって、説明に来た大学の研究者、彼が説明することは事故後、反原発や脱原発を主張する学者や技術者が説明してくれた内容そのまま。
02年で原発の危険性は充分に予見されていた。ただ大地震が起こることだけは予見できなかった。
この映画では地震ではなく、テロや爆破マニアによっても原発事故が起こることを描いている。
酒の勢いでメチャクチャな運転を続ける輸送車。障害物を跳ね飛ばしながら走る。その衝撃で少年の持っているタイマーのスイッチが入ってしまう。
時間がない。警視庁のチームが呼ばれる。しかし最後は天馬みずからドライバーを持ってタイマーの解体をするのだ。
しかし実は暴走している間に爆弾の導火線が切れてしまっていたという結末。
天馬が「東京に原発を誘致」を宣言したのは、そこから議論を巻き起こし、エネルギー問題を都民に考えてもらうためだった。
そのために天馬は秘書に大量に出る都のゴミをバイオエネルギーとして利用できないかというミッションを与えていたのだった。
今見てもこの映画少しも古くなっておらず説得力がある。
2013年は実に穏やかな天気で明けた。
しかしこれは穏やかな一年を意味しない。
思えば年末の総選挙の前日もそして当日も実に良い天気だった。(少なくとも長野では)。
しかし選挙の結果は恐るべきものだった。極右と新自由主義経済主義を信奉する者共に国会は占拠されてしまった。
戦前、日本が全体主義の軍事国家に転落していく大きな契機になった1932年(昭和7年)の五・一五事件。海軍の青年将校達によって「問答無用」として殺された犬養毅の孫娘美智子は、その著書の中で、「この日は日曜日で、5月のそれは澄んだ良い天気の日で、そんな血なまぐさい事件が起こるなど想像することがむつかしいほどの五月晴れだった」と書いている。
良い天気にボーッとしている間にとんでもないことが進行してしまう。
自公は圧勝したのではないという宣伝に安心するな!
総選挙後、マスコミは「自公は得票数、得票率ともに、09年の惨敗選挙と比較してもそれ程増えているわけではない」と言い訳するようになった。
野党勢力もこの事実に飛びついて、自らの惨敗から目を背けて、安心・油断しているように見える。
これこそが安倍政権と背後の応援団の狙いだ。
社共、その他、脱原発や消費増税反対、TPP反対等掲げる政治勢力は「オリーブの木」的な大同団結を組まないと、参院選でも人々を投票所に向かわせることはできない。
参院選で自公・維新を勝利させると、もう一気に憲法96条改定により、9条も変えられてしまう。
それを本気で狙っているのが今の安倍政権だ。本気だからなりふりかまわない。
だとしたらそれを阻止しようとする側も本気にならなければとても勝てない。
相手は金と権力、宣伝力を持っているし、それを使って不正義だって何だってするのだ。
拉致問題に関する安倍の相変わらずの馬鹿さ加減。
安倍が首相になって、「北朝鮮拉致被害者の家族」と面会した。
「圧力に軸足を置いて交渉する」と言う。それでこの十年何も進まなかったのではないか。その張本人が安倍だ。
馬鹿でわがままな子供のような主張だ。安倍と同レベルの馬鹿でなかったらこんなことが通用するはずがないことがわかるはずだけど。
いくら相手に非があることとはいえ、「拉致問題」に関しては家族会を始めとして、大方の日本人は思考停止状態だ。
拉致被害者の何人かが、死亡しているという、たとえそれが動かしようもない真実だとしても、「いや、北朝鮮はうそを言っている」と聞き入れないのではないかとさえ思う。
自分に都合の悪いもの、見たくないもの、聞きたくないものは「うそだ」と言って、それを認めない、それは家族会だけでなく、今の日本人全体を覆っているマインドではないかと思う。
中国に対する見かた、原発事故の現状と、原発の今後など、見たくない、聞きたくないで済めばこんな楽なことはないが。
安倍は言えばいいのだ。「私、アメリカのパシリなんです。偉そうに美しい日本だの、強靭国家だの、自主憲法だの言ってますが、アメリカが許可してくれないと拉致問題も何も解決しないんです」と。
日本人の淡白さ(忘れっぽさ)は自然が育んだ誇るべきものか?
元日の信濃毎日新聞で作家の高樹のぶ子は「アメリカに二つも原爆を落とされて、それでも恨みを忘れて、それどころがアメリカに従って行ったのは、事が決着したあとはすべて水に流すという、日本の自然が育んだ誇るべきDNAだ。だから戦後の繁栄があったのだ。中国5千年の権力闘争の歴史から来る自国民への不信感や恨をかかえたまま南北がいまだに戦争状態にある朝鮮半島の現状を思う時、日本人の本質が逆に浮かび上がってくる」と、能天気な意見をのべているが、そうじゃやないだろうと強く思った。
朝鮮が南北に分断されたのは「恨」のせいではなく、アメリカとソ連という東西大国の思惑だ。かれらは大国に否応無く引き裂かれたのだ。
その引き金になったのは日本による植民地化だ。それを水に流せとはあんまりな言いようだ。
原爆に関しても広島・長崎で被曝した人の情報は徹底的に封じ込められた。そのためにそれ以外の地域の人達はその惨状を意外なほど知らなかった。
こんにちの福島原発事故にしてからが、本当のことは他地域の人は知らない。
だから「経済のためには原発再稼働やむなし」だのと不用意・不見識な発言をする人がいるのだ。
沖縄の基地の現実も本土では報道されない。
水俣病、各種の薬害、アスベスト被害などの公害と言われる企業による健康被害、みな真実が隠され、被害に遭った人は苦しみながらも沈黙させられているだけ。
高樹さんの言うような認識だと、原発事故も企業が引き起こすような健康被害も責任を問わない流れに加担してしまう。
そして大して罪の意識無く、また同じ罪や過ちを繰り返すのでは?
今、日本はそんな岐路に立っている。