わたしたちが読み合わせ会で読んでいる文書は上のようなものです。これは桜木の板に文字を彫りつけそれを紙に刷ったものです。漢字には変体カナのルビが振ってありますが、振られてないのもあります。この図でいえば順に町、時、今、井、内、大江戸、目などがそれです。一方カナも漢字を崩したもので、ある文字がカナなのか漢字なのか判別に苦しむ時があります。たとえば「者」は漢字では「モノ」ですがカナとして読む時は「ハ」なのです。「川」もカナでは「ツ」漢字では「カワ」です。このようなことから変体カナの文章は読みづらいのですが、これも慣れてしまえば何ということもありません。文脈の中で判別できるからです。
講師としては語句の意味などある程度下調べをして会に臨み、段落毎にその意味などを説明をするのですが、会員の皆様の反応がどうも今一なのです。気になるので聞いてみたら、読むのに精一杯で意味にまで意識が向かわないと言う返事でした。なるほどそういうことかと自分の初心のころをおもいだして納得したのですが、早く読みより意味に成長してもらいたいものだと思った次第です。
「この字はなんと読むか」という質問より「この語の意味は・・」という質問のほうがレベルが高いですよね。