玉札辱拝見仕候如芳
諭厳暑難凌候處御渾
家御揃益御安寧被
成御座奉恭悦候且
為暑中御見舞江
戸団扇三拾本御恵
玉札かたじけなく拝見仕り候芳諭 の如く厳暑凌ぎ難く候ところ御渾 家御揃ますます御安寧 御座なられ恭悦奉り候且つ暑中御見舞として 江戸団扇三拾本御恵
※ 3行目は文体として不備があります。「御揃益御安寧」というところは「被成御揃益御安寧」と書くべきところです。外の箇所では正しい表記になっていますから、ここは書き忘れたのでしょう。
投被下御深情忝次第
奉存候右御礼貴答
迄如此ニ御座候 恐々謹言
中元之文
中元之御祝儀細微
之至ニ候得共三輪素麺
投くだされ御深情忝き次第に 存じ奉り候右御礼貴答 迄此の如くに御座候 恐々謹言
中元之文 中元之御祝儀細微 の至りに候らへども三輪素麺
※ 三輪素麺(みわそうめん)は、奈良県桜井市を中心とした三輪地方で生産されている素麺(そうめん)で、特産品となっている。三輪地方はそうめん発祥の地とも言われる。(ウイキ情報)
壱箱差鯖五拾致進呈
之 候何方も盆中嘸々
御取込与奉推察候 謹言
月見之文
三五夜中新月色
殊無比類清天ニ御座候
一箱、差し鯖五十これを進呈致し候 何方も盆中嘸々 御取り込みと推察奉候 謹言
月見之文 三五夜中新月の色 殊に比類なき清天に御座候
※ 差鯖・・盆の差鯖、正月の鏡餅と言われる縁起物。鯖を背開きにして塩漬けにし、二尾を刺し連ねて一刺とした乾物をいう。盆の間、父母の長寿を祈る祝儀ものとして食し、蓮の飯とあわせ、親類縁者や世話になった人々にも贈った。
※ 三五夜・・中秋の名月のこと。ここでは唐の詩人白居易の詩によっている。「三五夜中の新月の色、二千里の外の故人の心」の詩句。
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