初午の文
打続天気快晴殊ニ
初午当日至極穏ニ而
一段大慶仕候然者
如兼約之王子稲
荷へ社参可仕奉存候
初午の文 打ち続く天気快晴 殊に初午当日は至極穏やかにて 一段大慶仕候然れば 兼ねて約の如く王子稲荷へ 社参仕るべく存じ奉り候
尤昼食者如例之
福寿布袋之内相
定可申候勿論帰
路之程者瀧之川
より肇候而至道
灌山及日暮之里若
尤も昼食は例の如く 福寿布袋の内に相 定め申すべく候勿論帰 路の程は瀧之川より肇候て道 灌山及び日暮れの里に至り若し
※ 2行目に「福寿布袋之内相定・・」とありますが、これはどういう事でしょうか。北区中央図書館の学芸員の方に教えていただいたのですが、福寿というのは福禄寿のことで田端東覚寺に祀られている神様のこと、当時の人々には福寿と言えば通じたそうです。
また、同様に布袋と言えば西日暮里の修性院をさし両寺の間は900mほどで街道が通じており沿道には料理茶屋、水茶屋などが軒を並べていたそうです。
夕陽ニも及候ハゞ
可傭辻駕篭事
与御覚悟可然奉存候
先者御案内旁草々
御入来奉待入候不一
上巳之文
夕陽にも及び候はゞ 辻駕篭を傭うべき事 と御覚悟然るべく存じ奉り候 先ずは御案内旁草々 御入来待ち入り奉り候 不一
上巳之文
春暖日々相催候處
弥御安全被成御座珍
重之至御座候随而江戸
細工人原舟月作之内
裏雛一対並京都玉山
作之囃子かた禿人形
春暖日々相催し候ところ いよいよ御安全に御座なされ珍 重の至りに御座候随って江戸 細工人原舟月作の内 裏雛一対並に京都玉山 作の囃子かた禿人形
五人揃且庭前之桃花
相添御愛女様致進上
之候聊上巳御祝詞之
験迄御座候御笑納被
下候ハゞ幸甚之至奉
存候 頓首
五人揃い且つ庭前の桃花を 相添え御愛女様へこれを進上 致し候聊か上巳御祝詞の しるしまでに御座候御笑納くだされ候はば幸甚の至りに存じ奉り候 頓首
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