今週の半ばまで降り続いた雪による積雪も、雨ですっかり消えてしまいました。
先日まで晴れていたので、外部をするには丁度いいのですが、冬にしては暖かい傾向が続いているようです。
2月に入れば、本格的な寒気団が入って、まとまった雪となるのでしょうが、昨年のように3月まで雪が続くような気配がします。
それでも寒い日は寒い。
小国町の古民家再生現場では、排水廻りの工事が終了し、トイレは何とか使える状態になりました。
今週の中頃に、土台のジャッキアップ作業を行いました。
先週から降り積もった雪の中での作業
レーザーレベルをすえつけて高低差を見ます
土台の柱の近辺にジャッキを当てる
10tジャッキは、頭に効かせれば最大10tの揚力が期待できますが、土台と地面との間にはジャッキが入るスペースが無いため、ジャッキ脇のツメをひっかけて土台を揚げます。こちらは5tまでの能力しかないので、向こう側にもう1台ジャッキを当てて、計10tで揚げています。
土台の腐れがひどく、まともにツメを引っ掛けられないため、土台の下に角材をかませてからその下にツメをあてています。
それでもなかなか上がらない。
「差し鴨居」が入っている柱は、そこへ直に荷重をかけることができます。
10tジャッキ×2で計20tの揚力
「差し鴨居」や折置きで桁の下に「梁」が入っている場合、その下に角材を突いてジャッキアップできます。
土台にジャッキをかけるよりも効率が良く、荷重もかけられるので、本屋が乗っていても十分に揚げることができる。
また、外壁を壊さなくても、建物の中だけで作業が出来るので、「差し鴨居」「折置き梁」は、地盤が不等沈下した場合の土台揚げには有効な構造だということが分りました。
土台下のパッキン(ケヤキ)
土台下に束(桧)
ジャッキアップした後は、その隙間にパッキンを挟んで、ジャッキを下げて作業を終了します。
パッキンは、小さい場合は硬木のケヤキ等、大きい場合は防腐性能の高い桧やヒバを束にして立てます。
はじめは、高低差が柱によってまちまちで、差し鴨居や鴨居がちぐはぐにみえていたのですが、ジャッキアップによって、高さが通っているように見えるくらいまで直しました。
お客さんも
「柱が直った分、心なし安心できるようになった」
と言っておられましたが、
もう少し直したかった・・
というのが内心はあり、心残りです。
柱や差し鴨居等は、永年のくせや地震によって曲がってきているので、垂直になっていない部分もあります。そこまでこだわってしまうと、手間もかかるし、当然費用に跳ね返るのですが・・
今回は、この辺で、終了というところ。
あとは、どう構造を魅せながら仕上げるかというところです。
壁材も今は、いろいろな自然素材があり、それらを使って古民家を再生していく楽しみがあります。
お客さんも、ここに住みながら少しずつ手を入れていきたいということで、楽しみながら暮らしていくのもいいのかも知れません。
「永遠に未完成」
そういう建物に人が集まり、手を加えて、より住み心地のいいものにしていく。
集った人々がつながっていく。そういったプロセスを経ていくのが楽しみな建物であります。
村のコミニティ形成の一環を担うような場所になればと、期待も持っているのですが・・
古民家再生へ・・
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