構造が傾き、土壁は崩れ、再起不能の様な気もしますが・・・・
土塗り壁自体には耐震壁としての能力は意外に乏しいものです。(とは言え、ちゃんとした仕様だと壁倍率2.5まで行けます)
どちらかというと、「耐震」と言うよりは、壁自体が崩壊することで振動のエネルギーを吸収していく「吸震」構造となります。
壁が崩壊することで地震のエネルギーを吸収していきます
壁が崩れ、コマイがむき出しになりますが、
構造はちゃんと残っています
土壁を取り去り、屋根葺き材を降ろして構造を復旧します
練った壁土を再び塗り込んで使用します
壁が傷んだとしても、再度練り直して使うことが出来るので、何度地震が来ても再生できる体力壁なのです。現在の建築基準法では1回地震が来れば、次の地震での保障が難しく、構造や耐力壁を補修する必要があります。木造ならば構造が傷んでいなければ体力壁と金物を補強してやれば済みますが、コンクリート造や鉄骨造の場合は簡単に補修はできません。多大な費用と時間が必要となります。そういった面では、災害が起きても容易に復旧が可能なリーズナブルな構造と言えます。
土塗り壁へ・・
もくじへ・・
興味深く記事を読ませていただいております。
実は子供の夏休みの自由研究で「土蔵の研究」をしておりまして、情報を集めていたところ、貴殿のページをお見かけいたしました。
実家の土蔵が東日本大震災で崩れ、取り壊すことになり、その歴史や作りを研究しようと思っています。
特に土蔵の耐震性に関する貴殿のブログ記事はまさに探していた通りの内容で、可能でしたらぜひイラスト等使わせていただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
土塗り壁の良さを残してほしいところですが、解体するのは勿体ないですね。
土塗り壁のイラストが、本来、上の方から塗らなければならないのが、逆になっているので、書き直そうと思っております。
座敷蔵だったので、造りが重厚で大変惜しかったのですが、維持費と将来を考えて泣く泣く解体に至りました。
幸いなことに近くに移築の予定で、形は違えど歴史が続いていくことに安堵しているところです。
小6の息子も親に似て古い物が好きなようで、何とか記憶にだけでも残したいとの思いで、夏休みの研究に取り上げました。
もし貴殿のイラストを使わせて頂けるようでしたら、ぜひよろしくお願い致します。
本来ならば上から塗って再生されるのですね?
とても勉強になります。
早速参考にさせていただきます。
今後もぜひ参考にさせていただいて、土蔵の素晴らしさを考えていきたいと思います。
よろしくお願い致します。