べんりや日記

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村上 町屋の基本構造

2009-09-12 00:14:26 | 伝統構法について
ここでは町屋の内部の様子と、構造を解説します。
村上の町屋は間取り上、構造上に共通した部分があります。
玄関から入ると、座敷の脇に土間があり、この土間が建物を貫通し、ずっと続いています。
土間から靴を履いて各部屋へと移動できます。同じく部屋から部屋へと移動もできます。
来客者は、この土間を通って、何処からでも部屋へ入ることができます。
コミュニティ性の高い間取りで、商店と言わず、公民館や集会場のような役割も果たせるので、町おこしにはうってつけの形状となっています。




土間がずっと続いています。


上から見た座敷と土間。
座敷は続き間になっていて、仕切りに「差鴨居(さしがもい)」が入ります。
差し鴨居に建具をはめて、部屋を仕切って使えます。


柱はケヤキを使っている場合が多く、そこに差鴨居がからみます。差鴨居もケヤキが多いようです。
小屋の重量を支えるため、強度のあるケヤキが多用されます。


小屋梁と中引(なかびき)が交差し、その上に束。それを結ぶ「通し貫」が四方に広がります。湾曲した小屋梁が美しい。
金物は使っていません。栓、クサビのみで固定しています。


断面図
右側が道路です。
道路から土間の部屋(店の場合が多い)に入り、そこから座敷、和室へと続きます。
土間の部屋の上には2階が載ります。
座敷や和室から2階に上がる階段があり、左右の2階部屋は独立していて、専用の階段から上がります。

真ん中の和室や座敷には囲炉裏があり、ここで出た煙が屋根裏へ登り、棟から換気されます。




外観
「平入り」という道路に沿って屋根の軒が平行に向いていて、軒先の下から家に入る造りです。
入り口と縦格子の入った窓が印象的。屋根は道路側に軒が向いています。瓦屋根が殆どです。


玄関先の下屋。
2階の載る部分に力桁(丸梁)がかかり、3間のスパンを支えます。
化粧タルキが美しく映えます。


隣の家とは壁1枚でつながっています。屋根まで隣の家とつながっているのにも驚きです。
建築基準法では考えられない建て方です。
(民法では最低50センチ境界から離すことになってます)




城下町情報館の場所



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