べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

物価は上昇?

2009-01-07 00:35:08 | 日々雑感


世界的な不況に伴い、原油価格もどんどん下がって、市内のガソリンスタンドでは1リットル(レギュラーガソリン)100円を割る所も出てきました。こちらで・・
灯油も50円台。
先物取引は3ヶ月前を反映しているので、まだまだ下がるのかと思いきや、スタンドサイドの話では、これから「上がる」とのこと・・
在庫が底をついているのもありますが、ここ最近の中東和平問題が関与しているとか。
3ヶ月の先物価格に関係なく、ダイレクトに反映してくるそうです。
不況にあえぐアメリカも、国際問題をからめて次の展開を用意していたのか?
日本のバブル崩壊直後にも、各地で紛争が勃発していたのを思い出すと、不況離脱は戦争を利用して回復するという、アメリカらしい構図が浮き彫りになってくる。


以前紹介した、「ペレットストーブ」は、灯油80円を境に、下がればランニングコストが割高になってしまいます。
現在の50円台では、衰退していた石油ストーブが見直されてしまい、せっかく「薪ストーブ」や「ペレット」等のバイオエネルギー利用が普及するチャンスだと思っていたのが、水の泡です。
石油高騰を背景に優勢だった「オール電化」も同様です。


そこへきて、原油高の兆しがあれば、またもや追い風。
価格や供給が不安定な石油から足を洗わなければ、いつまでたってもエネルギー依存の高い日本では不安要素が残ってしまう。
「ハイブリッド」や次世代エネルギーへの転換はまだまだ先なのでしょうか?
自動車メーカーのホンダも自社のハイブリッドを低価格で実現しようと新年からの新聞広告で掲載していたのを見ると、脱石油エネルギーの動きがあるような感じがしますが・・


鉄やアルミに関しては、引き取り価格は北京オリンピックを境に、がくっと落ちました。需要が落ちて、急激に値を落とし、夏まではくず鉄屋へ持っていくと、かなりの高額で引き取ってもらっていたのが、現在では逆に支払わなければならない状況にあります。
では、鉄製品は値下がりしたのかというと、鉄筋に関しては、高額で引き取っていた在庫が無くなるまで、当面の間は上がったままで据え置きとのこと・・
鉄板サイディング、鋼板屋根材も同様です。

水廻りメーカーのTOTOも、春先から価格が上がるとのこと・・
この不況時にそんなことが出来るのか?
よほどブランドに自信があるのか?
と思っていた矢先に、石油価格上昇の情報があり、原油、材料共に不況下でありながら値下げはしない傾向にあるようです。

消費物価は上がる一方で、給料は減るという現象が起こりうる懸念があります。
こういった状況下では、やはり海外の安い輸入品に頼る傾向が出て、ますます国内産業が衰退する元になる・・
一次産業はなおさらのこと。
国として、国土をどう守っていくか、政策の転換が急がれます。
食糧問題や、水問題、環境問題を背景に、重要視される方向にもっていければ良いのですが・・
各問題は5年前よりも更に深刻になっていますから・・

そういうときに役立つのは、日本の古来からある文化。
醗酵や多様性といった、東洋的な技術です。
比嘉教授の多種類の有用部生物群による醗酵。
宮脇教授の潜在的多樹種植生による短期間の樹林育成。
木炭や木酢液などの広範囲利用。
どれをとっても、自然に学び、共存することで消費エネルギーを最小にしながら効率よく成果が得られる単純技術。

一つの種が、繁栄し勢力を伸ばしたとき、大量絶滅を引き起こす可能性がある。
多種多様の種が共存し、一定の方向を向いたときが、持続可能な繁栄が長続きする。
ここ10年間でそういった技術が、日本から生み出されているのをみると、日本の文化も捨てたものではないと思っているのですが・・・
コメント (2)
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新年 明けましておめでとうございます

2009-01-05 17:59:52 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

昨年も、色々な家、木組みにチャレンジすることができました。

この完全バリアフリーの家もそのひとつです。

2002年に竣工した旧吉田町T邸は、円形屋根で大黒柱が象徴的な家でしたが、さらにバリアフリーの家としても、先端を行っていた。

今回の中島町H邸は、更にそれを上回る重度のバリアフリー住宅となりました。
考えられる、工夫を注ぎ込んだ代表作ともなりました。
バリアフリーとなると、医療機関の箱物のように、真四角で何の味もない建物になるのが普通なのですが、「住宅」という面を強調し、そこに癒しともいえる空間を実現するのが、両者(吉田町T邸、中島町H邸)のメインテーマでした。

普通の人が普通に暮らせなければ、住宅ではない。
特殊な人も、普通の生活が出来る住宅が、バリアフリー住宅と考えます。

県産杉材をふんだんに使用した、伝統構法の家でもある。
「癒しの空間」を実現するには、やはりこのやりかたが一番であると考えます。
訪れた人が、ついつい長居してしまう家。
そういう家が、さりげなくバリアフリーという・・

しかも、耐震、耐雪に優れている。耐久性も在来木造を軽く凌駕する。
そういう家に守られながらの安心した生活。
そういう家を、もっと作り続けたいところです。



中島H邸の外観


昨年の、旧吉田町T様への年末の挨拶の折、中島H邸の完成の報告をしました。

「バリアフリーで一番大切なことはなんですか?」

というお客さんの問いに対して、

「その人の重度によって、それに合わせたバリアフリーを考えなければならない」

と答えました。

「えらい」

との一言を頂きました。
障害の度合は人によって、様々。一つの雛形があって、それに沿っていては、人それぞれに合ったバリアフリーは実現できません。
それは、健常者の場合もそうなのですが、人それぞれの生活の仕方があって、間取りに大きく影響します。
バリアフリー住宅にしても、間取りや装置はその人その人によって変わる。
1からつくりあげていく姿勢が必要だと思います。
旧吉田町T邸の場合はネットコンペで、こちらの提案にお客さんが賛同された形となりましたが、今回の中島町H邸に関しては、更にリハビリの先生を交えての3者による会議が月に1度のペースで開かれ、綿密に打ち合わせしながらの設計、施工。

全てのケースがこのように時間をかけれれば良いのですが、そうはいかないのでしょう。
今回の中島H邸に、リハビリの人達が見学に来たいとお客さんが言っていましたが、形にこだわらず、それぞれに合った形を模索、考えて頂きたい。そして、そのデータが集まれば、今後のバリアフリー住宅の新築、リフォームに役立つこととなるでしょう。
また、介護用品や器具の使い勝手の発展も考えられます。

何時までも、
「これでいい」
というものはなく、常に新しい最善の方法を模索する。

我が社の建物に関しても中島H邸にて試した技術は、さらに次の物件では発展しています。
「じゃあ、いままでのはしょーもないのか?」
と言われても、その時、その時、持てる、考えうる技術を駆使しています。
(どっちにしろ、在来木造は軽く凌駕してるし・・)


「百年に1度の大不況」

と言われています。
前の不況の時もそうでしたが、そのほうが地元に目が行きます。
どうすれば今もてる技術で、道具で、乗り切れるのか、みんなが工夫するようになる。知恵を出し合う。
節約、資源を大切に使うようになる。
環境問題をもっと考えるようになる。
地元の資源や、自然を有効に活用するようになる。

不況は、人を鍛える。試される。

前の不況時は、地元木材で家を作ろうといっても、流通経路がなかったけれど、今回は全く状況が違います。
山の木で作ろうと思えば、どんな木でも使えるし、山から出す術もある。
楽しい形の家だって実現できる。耐久性も向上している。

国をあげても、「国産材を使おう」という法整備が着々と進んでいる。
「温暖化防止、CO2排出削減」のスローガンをかかげている。
減反政策を推し進めてきた政府も、食料自給率の上昇を唱え始めています。

石油下落とアメリカの不況により、外材が安く入る気配がありますが、どこまで「自給自足」「地産地消」が世に浸透するか・・

また、伝統構法は生き残ることができるのか?
日本の文化は継承できるのか?

波乱な1年の幕が開け、また、楽しみな年が始まったと思っています。
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