文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

第二次世界大戦中の人道の危機に対して、彼らは何もしていなかった。ただ戦況をながめて、優雅にパンを食べていた。そして、事態を傍観するだけではなく、莫大な量の鉄鉱石をドイツに売ったのだ

2019年11月10日 20時16分05秒 | 全般

以下は月刊誌Hanada今月号の、文在寅総崩れ、と題した特集の冒頭を飾るエドワード・ルトワック 氏の論文、韓国よ、歴史の真実を学べ  朝鮮半島四つの選択肢の続きである。
スウェーデンの偽善 
もう一つ別の例が、スウェーデンである。
第二次世界大戦中、ドイツがヨーロッパ中で行っていた非人道的な行為に対して、この国は消極的な傍観者の立場を変えなかった。 
スウェーデン人は、自分たちを世界で最も偉大で人道的であるかのように見せたがる。
最近の例は、国連の地球温暖化サミットの演説で注日を集めたグレタ・トゥーンベリという女子高校生だ。
彼らは常に世界に対して人道主義を説き、人類を救済し、地球を救えと主張する。 
ところが、第二次世界大戦中の人道の危機に対して、彼らは何もしていなかった。
ただ戦況をながめて、優雅にパンを食べていた。 
そして、事態を傍観するだけではなく、莫大な量の鉄鉱石をドイツに売ったのだ。
ナチスはそれを鉄鋼に変え、銃や戦車にした。
最も人道的なはずのスウェーデンが、ドイツの兵器の材料を供給していた。 
さらに、ドイツ人が同じスカンジナビアの兄弟国であるノルウェーを占領した時、スウェーデンはまったく助けず見殺しにした。
それだけではない。
事後に占領地のノルウェーに向かうドイツ軍に、自国を横断する鉄道を使わせて、国内を楽々と通過させた。
彼らはノルウェーを裏切り、ドイツに部隊輸送の協力をしたのである。 
戦後、たとえば一九五三年頃になると、ヨーロッパの多くの国ではドイツをすでに許していたが、スウェーデンはオランダと同じように、超がつくほどの反ドイツ感情を保持していた。 
戦争中、彼らはオランダ人と同じように臆病者で、ナチスに協力していた。
戦後のスウェーデンは世界に道徳を説いてきたが、彼らの実際の大戦中の行為は、きわめて非道徳的たった。
逆説的だが、だからこそ道徳的高みに立ちたがるのである。 
スウェーデン企業や財界人のなかには、大量の物資や資源をドイツに売ることで、戦時中、非常に経済的に豊かになった者が数多くいた。
ナチスの金塊の多くが、最終的にスウェーデンに渡っていたことはよく知られている。
彼らはドイツに積極的に協力したからこそ、戦後になって激しい反ドイツ感情に転じたわけである。 
韓国人にも同じことがあてはまる。
韓国の行動は、一見すると不可解なところがある。
ところが注意深く比較してみると、その本質は、ドイツに対する欧州各国の態度と同じであると分かる。 
戦時中にドイツに協力的だった国こそ、本当に反ドイツ的な態度をとるようになる。 
スウェーデン人は、自らを世界の人道主義の守り手であり、それ以外の国々は自己利益を追求する強欲な人たちであるかのように主張する。
戦争終結までドイツに積極的に協力していたからこそ、戦後になると「ドイツはひどい国だ!」と非難して回るようになった。
オランダ人も従僕のようにドイツに協力したため、戦後は「ドイツ人お断り」に転じた。
韓国人の反日心理 
それと同じ構図で、韓国が抱える問題も韓国人の内面に起因する。
つまり、戦後生まれの息子たちと、その父親や祖父たちとの関係の話であって、外交や二国間交渉で解決できる問題ではない。 
つまり、これは心理的な問題だ。
自分たちの恥である祖父の世代の奴隷的な態度を隠したい、忘れたい一心なのである。 
ここに新たな問題の根がある。
今日の韓国は、従属相手を切り替えて中国の従僕になろうとしており、そこに戦略的な問題が出てくる。
それは韓国が、アメリカの主導する反中国・封じ込め同盟に参加できないことを意味するからだ。 
この同盟は、日本、オーストラリア、インド、ベトナムによって構成されるインド太平洋地域の戦略的枠組みである。 
米国が構築に努力している新たな同盟関係で、韓国の立場はASEANにおけるカンボジアのそれとよく似ている。ASEANは東南アジア諸国がまとまって中国の影響力に対抗する意味をもつが、カンボジアは中国の従僕なので、その結束を弱めるように動いている。 
中国に忠実なカンボジアは、ASEAN全体が合理的な政治声明を発表しようとしても、そこに反中の臭いをかぎつければ必ず否決に回る。 
ここで紹介してきた六十年前のヨーロッパの歴史は、現在の韓国の状況に、二つの点で教訓となっている。
第一に、日韓関係は外交問題ではないこと。
日本は関係改善のためにあらゆる努力を試みてきたが、問題の本質は日韓の間にはなく、韓国人の世代間ギャップ、つまり現役の世代と、その父や祖父たちとの間に横たわる問題だ。
自分たちの祖先が、日本の統治時代に臆病者として行動したことへの反発なのである。
第二に、非常に残念なことだが、韓国はもはや米国や日本と過去に結んでいた関係には戻らないことが明白になった。
彼らに中国に抵抗する意思はなく、一方的に従属しつつある。
韓国が米日との同盟関係から離脱すれば、戦略面での悪影響は大きい。
この稿続く。

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