文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

黒田氏が財務官僚当時から正しい金融政策の重要性を指摘していたことを、安倍首相がよく承知していたからである。

2018年05月31日 16時19分19秒 | 日記

以下は前章の続きである。

経済学を知らない財務官僚 

少し脱線するが、私の手元に一冊の書物がある。

『金融政策の経済学「日銀理論」の検証』(日本経済新聞社、初版一九九三年)というタイトルだ。

著者は岩田規久男上智大学教授(当時)。

のちに安倍政権が日銀副総裁に指名した岩田氏である。

岩田氏はこの本で、「通貨量をコントロールできない」という日銀理論を徹底的に批判した。 

岩田氏はこの本を著す前、九二年頃から経済雑誌などで日銀理論の誤りを批判していた。

すると日銀は、のちに日銀金融研究所所長に就任する翁邦雄氏らを中心に猛烈な反論を繰り広げ、大論争になった。

日銀にとっては、自分たちの政策の正しさを裏付ける根幹の理論を真正面から批判されたので、とても放置できなかったのだ。 

私は専門家ではないが、この本を読んで岩田氏の主張が正しいと確信した。

手元の本の後付けには、私が鉛筆でメモした岩田研究室の電話番号が記されている。

私は岩田氏の研咒室を訪ねて直接、教えを乞うた。

当時の雰囲気を鮮明に覚えている

が、残念ながら、当時は岩田氏の主張が異端とされ、日銀理論が大手を振って歩いていたのである。 

日銀の誤りがようやく正されるのは、安倍政権が誕生し、アベノミクスの下で財務省出身の黒田東彦氏が日銀総裁に就任した2013年以降である。

黒田氏は財務省ナンバー2の財務官まで務め上げた経歴ながら、日銀理論ではなく、世界標準の金融政策を理解していた稀有な存在だった。

そもそも、財務官僚で経済学に精通している人物自体が珍しい。

彼らのほとんどは東京大学法学部出身であり、経済学を本格的に学んでいない。 

そんななかで黒田氏が日銀総裁に指名されたのは、黒田氏が財務官僚当時から正しい金融政策の重要性を指摘していたことを、安倍首相がよく承知していたからである。

この稿続く。

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黒田氏は財務省ナンバー2の財務官まで務め上げた経歴ながら、日銀理論ではなく、世界標準の金融政策を理解していた稀有な存在だった

2018年05月31日 16時17分36秒 | 日記

以下は前章の続きである。

経済学を知らない財務官僚 

少し脱線するが、私の手元に一冊の書物がある。

『金融政策の経済学「日銀理論」の検証』(日本経済新聞社、初版一九九三年)というタイトルだ。

著者は岩田規久男上智大学教授(当時)。

のちに安倍政権が日銀副総裁に指名した岩田氏である。

岩田氏はこの本で、「通貨量をコントロールできない」という日銀理論を徹底的に批判した。 

岩田氏はこの本を著す前、九二年頃から経済雑誌などで日銀理論の誤りを批判していた。

すると日銀は、のちに日銀金融研究所所長に就任する翁邦雄氏らを中心に猛烈な反論を繰り広げ、大論争になった。

日銀にとっては、自分たちの政策の正しさを裏付ける根幹の理論を真正面から批判されたので、とても放置できなかったのだ。 

私は専門家ではないが、この本を読んで岩田氏の主張が正しいと確信した。

手元の本の後付けには、私が鉛筆でメモした岩田研究室の電話番号が記されている。

私は岩田氏の研咒室を訪ねて直接、教えを乞うた。

当時の雰囲気を鮮明に覚えている

が、残念ながら、当時は岩田氏の主張が異端とされ、日銀理論が大手を振って歩いていたのである。 

日銀の誤りがようやく正されるのは、安倍政権が誕生し、アベノミクスの下で財務省出身の黒田東彦氏が日銀総裁に就任した2013年以降である。

黒田氏は財務省ナンバー2の財務官まで務め上げた経歴ながら、日銀理論ではなく、世界標準の金融政策を理解していた稀有な存在だった。

そもそも、財務官僚で経済学に精通している人物自体が珍しい。

彼らのほとんどは東京大学法学部出身であり、経済学を本格的に学んでいない。 

そんななかで黒田氏が日銀総裁に指名されたのは、黒田氏が財務官僚当時から正しい金融政策の重要性を指摘していたことを、安倍首相がよく承知していたからである。

この稿続く。

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日銀の誤りがようやく正されるのは、安倍政権が誕生し、アベノミクスの下で財務省出身の黒田東彦氏が日銀総裁に就任した2013年以降

2018年05月31日 16時16分29秒 | 日記

以下は前章の続きである。

経済学を知らない財務官僚 

少し脱線するが、私の手元に一冊の書物がある。

『金融政策の経済学「日銀理論」の検証』(日本経済新聞社、初版一九九三年)というタイトルだ。

著者は岩田規久男上智大学教授(当時)。

のちに安倍政権が日銀副総裁に指名した岩田氏である。

岩田氏はこの本で、「通貨量をコントロールできない」という日銀理論を徹底的に批判した。 

岩田氏はこの本を著す前、九二年頃から経済雑誌などで日銀理論の誤りを批判していた。

すると日銀は、のちに日銀金融研究所所長に就任する翁邦雄氏らを中心に猛烈な反論を繰り広げ、大論争になった。

日銀にとっては、自分たちの政策の正しさを裏付ける根幹の理論を真正面から批判されたので、とても放置できなかったのだ。 

私は専門家ではないが、この本を読んで岩田氏の主張が正しいと確信した。

手元の本の後付けには、私が鉛筆でメモした岩田研究室の電話番号が記されている。

私は岩田氏の研咒室を訪ねて直接、教えを乞うた。

当時の雰囲気を鮮明に覚えている

が、残念ながら、当時は岩田氏の主張が異端とされ、日銀理論が大手を振って歩いていたのである。 

日銀の誤りがようやく正されるのは、安倍政権が誕生し、アベノミクスの下で財務省出身の黒田東彦氏が日銀総裁に就任した2013年以降である。

黒田氏は財務省ナンバー2の財務官まで務め上げた経歴ながら、日銀理論ではなく、世界標準の金融政策を理解していた稀有な存在だった。

そもそも、財務官僚で経済学に精通している人物自体が珍しい。

彼らのほとんどは東京大学法学部出身であり、経済学を本格的に学んでいない。 

そんななかで黒田氏が日銀総裁に指名されたのは、黒田氏が財務官僚当時から正しい金融政策の重要性を指摘していたことを、安倍首相がよく承知していたからである。

この稿続く。

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岩田氏はこの本で、「通貨量をコントロールできない」という日銀理論を徹底的に批判した。

2018年05月31日 16時15分04秒 | 日記

以下は前章の続きである。

経済学を知らない財務官僚 

少し脱線するが、私の手元に一冊の書物がある。

『金融政策の経済学「日銀理論」の検証』(日本経済新聞社、初版一九九三年)というタイトルだ。

著者は岩田規久男上智大学教授(当時)。

のちに安倍政権が日銀副総裁に指名した岩田氏である。

岩田氏はこの本で、「通貨量をコントロールできない」という日銀理論を徹底的に批判した。 

岩田氏はこの本を著す前、九二年頃から経済雑誌などで日銀理論の誤りを批判していた。

すると日銀は、のちに日銀金融研究所所長に就任する翁邦雄氏らを中心に猛烈な反論を繰り広げ、大論争になった。

日銀にとっては、自分たちの政策の正しさを裏付ける根幹の理論を真正面から批判されたので、とても放置できなかったのだ。 

私は専門家ではないが、この本を読んで岩田氏の主張が正しいと確信した。

手元の本の後付けには、私が鉛筆でメモした岩田研究室の電話番号が記されている。

私は岩田氏の研咒室を訪ねて直接、教えを乞うた。

当時の雰囲気を鮮明に覚えている

が、残念ながら、当時は岩田氏の主張が異端とされ、日銀理論が大手を振って歩いていたのである。 

日銀の誤りがようやく正されるのは、安倍政権が誕生し、アベノミクスの下で財務省出身の黒田東彦氏が日銀総裁に就任した二〇一三年以降である。

黒田氏は財務省ナンバー2の財務官まで務め上げた経歴ながら、日銀理論ではなく、世界標準の金融政策を理解していた稀有な存在だった。

そもそも、財務官僚で経済学に精通している人物自体が珍しい。

彼らのほとんどは東京大学法学部出身であり、経済学を本格的に学んでいない。 

そんななかで黒田氏が日銀総裁に指名されたのは、黒田氏が財務官僚当時から正しい金融政策の重要性を指摘していたことを、安倍首相がよく承知していたからである。

この稿続く。

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だが、こんな基本的問題でさえも、日銀の言い分と世界標準の理論では大きな隔たりがあったのだ。

2018年05月31日 16時11分55秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは世界標準 

これに対して、アベノミクスはそもそもの出発点から、財務省と日銀とはまったく関係がないところから誕生した。

アベノミクスのなかでもっとも重要な金融緩和については、安倍首相自身が第二次政権発足前の野党時代から独自に勉強を重ねて、理解を深めていた。

よく知られているように、指南役になったのは本田悦朗スイス大使や浜田宏一エール大学名誉教授、高橋洋一嘉悦大学教授らである。

第二次政権発足とともに、本田氏と浜田氏は内閣官房参与に就任している。 

それまでの政権は、経済政策と言えば財務省と日銀、あるいは経済産業省などに事実上、丸投げ状態だった。

だが、アベノミクスはまったく違う。

霞が関でも、財務省や日銀のポチ学者・エコノミストでもなく、経済学の理論に忠実な在野の学者、専門家たちに学びながら作り上げてきたのである。 

在野とはいえ、異端なのかといえば、そうではない。

機動的な財政政策と金融緩和、それに規制改革を柱とした成長戦略という三本柱の組み合わせは、世界でみれば「経済政策のスタンダード」である。

その証拠に、たとえば当時の主要七力国財務相・中央銀行総裁会議(G7)、あるいはG8の声明を読んでみればいい。

そこには財政政策と金融政策、構造政策を総動員して景気を回復すると書いてある。 

「アベノミクスの新しさはネーミングだけ」と言ってもいい。

肝心の中身は、どんな経済学の教科書にも書いてある、まったく普通の政策パッケージなのだ。

これを言い換えれば、「いかに財務省・日銀の政策が、世界標準からとんでもなくズレまくっていたか」という話でもある。 

たとえば日銀の政策は、批判的な学者の間で「日銀理論」と揶揄されていた。

有名な論争は「日銀が通貨量をコントロールできるか否か」という問題をめぐって起きた。

経済学の教科書に従えば、もちろんコントロールできる。

だが、日銀は頑なに「コントロールできない」と言い張っていた。 

もしも日銀が通貨量をコントロールできないなら、そもそも「日銀は金融政策を実行できない」という話になる。

金融緩和とは、「日銀が市場に流通している国債の購入量を増やすことを通じて、通貨量を増やす」ことにはかならないからだ。

だが、こんな基本的問題でさえも、日銀の言い分と世界標準の理論では大きな隔たりがあったのだ。

この稿続く。

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これを言い換えれば、「いかに財務省・日銀の政策が、世界標準からとんでもなくズレまくっていたか」という話でもある

2018年05月31日 16時10分53秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは世界標準 

これに対して、アベノミクスはそもそもの出発点から、財務省と日銀とはまったく関係がないところから誕生した。

アベノミクスのなかでもっとも重要な金融緩和については、安倍首相自身が第二次政権発足前の野党時代から独自に勉強を重ねて、理解を深めていた。

よく知られているように、指南役になったのは本田悦朗スイス大使や浜田宏一エール大学名誉教授、高橋洋一嘉悦大学教授らである。

第二次政権発足とともに、本田氏と浜田氏は内閣官房参与に就任している。 

それまでの政権は、経済政策と言えば財務省と日銀、あるいは経済産業省などに事実上、丸投げ状態だった。

だが、アベノミクスはまったく違う。

霞が関でも、財務省や日銀のポチ学者・エコノミストでもなく、経済学の理論に忠実な在野の学者、専門家たちに学びながら作り上げてきたのである。 

在野とはいえ、異端なのかといえば、そうではない。

機動的な財政政策と金融緩和、それに規制改革を柱とした成長戦略という三本柱の組み合わせは、世界でみれば「経済政策のスタンダード」である。

その証拠に、たとえば当時の主要七力国財務相・中央銀行総裁会議(G7)、あるいはG8の声明を読んでみればいい。

そこには財政政策と金融政策、構造政策を総動員して景気を回復すると書いてある。 

「アベノミクスの新しさはネーミングだけ」と言ってもいい。

肝心の中身は、どんな経済学の教科書にも書いてある、まったく普通の政策パッケージなのだ。

これを言い換えれば、「いかに財務省・日銀の政策が、世界標準からとんでもなくズレまくっていたか」という話でもある。 

たとえば日銀の政策は、批判的な学者の間で「日銀理論」と揶揄されていた。

有名な論争は「日銀が通貨量をコントロールできるか否か」という問題をめぐって起きた。

経済学の教科書に従えば、もちろんコントロールできる。

だが、日銀は頑なに「コントロールできない」と言い張っていた。 

もしも日銀が通貨量をコントロールできないなら、そもそも「日銀は金融政策を実行できない」という話になる。

金融緩和とは、「日銀が市場に流通している国債の購入量を増やすことを通じて、通貨量を増やす」ことにはかならないからだ。

だが、こんな基本的問題でさえも、日銀の言い分と世界標準の理論では大きな隔たりがあったのだ。

この稿続く。

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霞が関でも、財務省や日銀のポチ学者・エコノミストでもなく、経済学の理論に忠実な在野の学者、専門家たちに学びながら作り上げ

2018年05月31日 16時09分10秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは世界標準 

これに対して、アベノミクスはそもそもの出発点から、財務省と日銀とはまったく関係がないところから誕生した。

アベノミクスのなかでもっとも重要な金融緩和については、安倍首相自身が第二次政権発足前の野党時代から独自に勉強を重ねて、理解を深めていた。

よく知られているように、指南役になったのは本田悦朗スイス大使や浜田宏一エール大学名誉教授、高橋洋一嘉悦大学教授らである。

第二次政権発足とともに、本田氏と浜田氏は内閣官房参与に就任している。 

それまでの政権は、経済政策と言えば財務省と日銀、あるいは経済産業省などに事実上、丸投げ状態だった。

だが、アベノミクスはまったく違う。

霞が関でも、財務省や日銀のポチ学者・エコノミストでもなく、経済学の理論に忠実な在野の学者、専門家たちに学びながら作り上げてきたのである。 

在野とはいえ、異端なのかといえば、そうではない。

機動的な財政政策と金融緩和、それに規制改革を柱とした成長戦略という三本柱の組み合わせは、世界でみれば「経済政策のスタンダード」である。

その証拠に、たとえば当時の主要七力国財務相・中央銀行総裁会議(G7)、あるいはG8の声明を読んでみればいい。

そこには財政政策と金融政策、構造政策を総動員して景気を回復すると書いてある。 

「アベノミクスの新しさはネーミングだけ」と言ってもいい。

肝心の中身は、どんな経済学の教科書にも書いてある、まったく普通の政策パッケージなのだ。

これを言い換えれば、「いかに財務省・日銀の政策が、世界標準からとんでもなくズレまくっていたか」という話でもある。 

たとえば日銀の政策は、批判的な学者の間で「日銀理論」と揶揄されていた。

有名な論争は「日銀が通貨量をコントロールできるか否か」という問題をめぐって起きた。

経済学の教科書に従えば、もちろんコントロールできる。

だが、日銀は頑なに「コントロールできない」と言い張っていた。 

もしも日銀が通貨量をコントロールできないなら、そもそも「日銀は金融政策を実行できない」という話になる。

金融緩和とは、「日銀が市場に流通している国債の購入量を増やすことを通じて、通貨量を増やす」ことにはかならないからだ。

だが、こんな基本的問題でさえも、日銀の言い分と世界標準の理論では大きな隔たりがあったのだ。

この稿続く。

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もっとも重要な金融緩和については、安倍首相自身が第二次政権発足前の野党時代から独自に勉強を重ねて、理解を深めていた

2018年05月31日 16時07分44秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは世界標準 

これに対して、アベノミクスはそもそもの出発点から、財務省と日銀とはまったく関係がないところから誕生した。

アベノミクスのなかでもっとも重要な金融緩和については、安倍首相自身が第二次政権発足前の野党時代から独自に勉強を重ねて、理解を深めていた。

よく知られているように、指南役になったのは本田悦朗スイス大使や浜田宏一エール大学名誉教授、高橋洋一嘉悦大学教授らである。

第二次政権発足とともに、本田氏と浜田氏は内閣官房参与に就任している。 

それまでの政権は、経済政策と言えば財務省と日銀、あるいは経済産業省などに事実上、丸投げ状態だった。

だが、アベノミクスはまったく違う。

霞が関でも、財務省や日銀のポチ学者・エコノミストでもなく、経済学の理論に忠実な在野の学者、専門家たちに学びながら作り上げてきたのである。 

在野とはいえ、異端なのかといえば、そうではない。

機動的な財政政策と金融緩和、それに規制改革を柱とした成長戦略という三本柱の組み合わせは、世界でみれば「経済政策のスタンダード」である。

その証拠に、たとえば当時の主要七力国財務相・中央銀行総裁会議(G7)、あるいはG8の声明を読んでみればいい。

そこには財政政策と金融政策、構造政策を総動員して景気を回復すると書いてある。 

「アベノミクスの新しさはネーミングだけ」と言ってもいい。

肝心の中身は、どんな経済学の教科書にも書いてある、まったく普通の政策パッケージなのだ。

これを言い換えれば、「いかに財務省・日銀の政策が、世界標準からとんでもなくズレまくっていたか」という話でもある。 

たとえば日銀の政策は、批判的な学者の間で「日銀理論」と揶揄されていた。

有名な論争は「日銀が通貨量をコントロールできるか否か」という問題をめぐって起きた。

経済学の教科書に従えば、もちろんコントロールできる。

だが、日銀は頑なに「コントロールできない」と言い張っていた。 

もしも日銀が通貨量をコントロールできないなら、そもそも「日銀は金融政策を実行できない」という話になる。

金融緩和とは、「日銀が市場に流通している国債の購入量を増やすことを通じて、通貨量を増やす」ことにはかならないからだ。

だが、こんな基本的問題でさえも、日銀の言い分と世界標準の理論では大きな隔たりがあったのだ。

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これに対して、アベノミクスはそもそもの出発点から、財務省と日銀とはまったく関係がないところから誕生した。

2018年05月31日 16時06分15秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは世界標準 

これに対して、アベノミクスはそもそもの出発点から、財務省と日銀とはまったく関係がないところから誕生した。

アベノミクスのなかでもっとも重要な金融緩和については、安倍首相自身が第二次政権発足前の野党時代から独自に勉強を重ねて、理解を深めていた。

よく知られているように、指南役になったのは本田悦朗スイス大使や浜田宏一エール大学名誉教授、高橋洋一嘉悦大学教授らである。

第二次政権発足とともに、本田氏と浜田氏は内閣官房参与に就任している。 

それまでの政権は、経済政策と言えば財務省と日銀、あるいは経済産業省などに事実上、丸投げ状態だった。

だが、アベノミクスはまったく違う。

霞が関でも、財務省や日銀のポチ学者・エコノミストでもなく、経済学の理論に忠実な在野の学者、専門家たちに学びながら作り上げてきたのである。 

在野とはいえ、異端なのかといえば、そうではない。

機動的な財政政策と金融緩和、それに規制改革を柱とした成長戦略という三本柱の組み合わせは、世界でみれば「経済政策のスタンダード」である。

その証拠に、たとえば当時の主要七力国財務相・中央銀行総裁会議(G7)、あるいはG8の声明を読んでみればいい。

そこには財政政策と金融政策、構造政策を総動員して景気を回復すると書いてある。 

「アベノミクスの新しさはネーミングだけ」と言ってもいい。

肝心の中身は、どんな経済学の教科書にも書いてある、まったく普通の政策パッケージなのだ。

これを言い換えれば、「いかに財務省・日銀の政策が、世界標準からとんでもなくズレまくっていたか」という話でもある。 

たとえば日銀の政策は、批判的な学者の間で「日銀理論」と揶揄されていた。

有名な論争は「日銀が通貨量をコントロールできるか否か」という問題をめぐって起きた。

経済学の教科書に従えば、もちろんコントロールできる。

だが、日銀は頑なに「コントロールできない」と言い張っていた。 

もしも日銀が通貨量をコントロールできないなら、そもそも「日銀は金融政策を実行できない」という話になる。

金融緩和とは、「日銀が市場に流通している国債の購入量を増やすことを通じて、通貨量を増やす」ことにはかならないからだ。

だが、こんな基本的問題でさえも、日銀の言い分と世界標準の理論では大きな隔たりがあったのだ。

この稿続く。

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日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。

2018年05月31日 16時03分48秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。 

財務省はとにかく増税を目標にしている。

増税こそが財務省の財布を大きくして、各省や政治家に配分する原資になると信じている。

財布が大きくなってばらまく金額が大きくなればなるほど、財務省の権威が高まると思っているのだ。

実は増税したところで、景気が悪化して税収が減ってしまえば元も子もない。

増税=増収ではないからだ。 

一方、日銀は金融引き締めこそが正しい道と信じていた。

一九八〇年代のバブル景気に懲りた彼らは、インフレ阻止を至上命題にしている。

少しでも景気過熱の気配が見えれば、金融引き締めというムチをしならせて、企業や家計に規律正しい行勣を教えるのが自分たちの役割、と信じていたのである。 

財務省と日銀の政策を合わせれば、「増税+金融引き締め」という不況まっしぐらのとんでもない政策パッケージになる。

だが、第二次安倍政権が誕生した12年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していたのである。 

なぜ、学者やエコノミストたちが「財務省・日銀思想」に溺れていたかといえば、それが彼らの利益に適っていたからだ。 

学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

雑誌への寄稿や講演のアルバイトにも事欠かない。 

銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない。

そんなことをすれば、たちまち財務省や日銀から親会社にクレームが付いて、下手をすればクビになりかねない。

金融機関は、財務省が発行する国債の取引や日銀との取引を通じて利益を得ているからだ。 

多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。

日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。

この稿続く。

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多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。

2018年05月31日 16時02分44秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。 

財務省はとにかく増税を目標にしている。

増税こそが財務省の財布を大きくして、各省や政治家に配分する原資になると信じている。

財布が大きくなってばらまく金額が大きくなればなるほど、財務省の権威が高まると思っているのだ。

実は増税したところで、景気が悪化して税収が減ってしまえば元も子もない。

増税=増収ではないからだ。 

一方、日銀は金融引き締めこそが正しい道と信じていた。

一九八〇年代のバブル景気に懲りた彼らは、インフレ阻止を至上命題にしている。

少しでも景気過熱の気配が見えれば、金融引き締めというムチをしならせて、企業や家計に規律正しい行勣を教えるのが自分たちの役割、と信じていたのである。 

財務省と日銀の政策を合わせれば、「増税+金融引き締め」という不況まっしぐらのとんでもない政策パッケージになる。

だが、第二次安倍政権が誕生した12年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していたのである。 

なぜ、学者やエコノミストたちが「財務省・日銀思想」に溺れていたかといえば、それが彼らの利益に適っていたからだ。 

学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

雑誌への寄稿や講演のアルバイトにも事欠かない。 

銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない。

そんなことをすれば、たちまち財務省や日銀から親会社にクレームが付いて、下手をすればクビになりかねない。

金融機関は、財務省が発行する国債の取引や日銀との取引を通じて利益を得ているからだ。 

多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。

日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。

この稿続く。

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銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない

2018年05月31日 16時01分46秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。 

財務省はとにかく増税を目標にしている。

増税こそが財務省の財布を大きくして、各省や政治家に配分する原資になると信じている。

財布が大きくなってばらまく金額が大きくなればなるほど、財務省の権威が高まると思っているのだ。

実は増税したところで、景気が悪化して税収が減ってしまえば元も子もない。

増税=増収ではないからだ。 

一方、日銀は金融引き締めこそが正しい道と信じていた。

一九八〇年代のバブル景気に懲りた彼らは、インフレ阻止を至上命題にしている。

少しでも景気過熱の気配が見えれば、金融引き締めというムチをしならせて、企業や家計に規律正しい行勣を教えるのが自分たちの役割、と信じていたのである。 

財務省と日銀の政策を合わせれば、「増税+金融引き締め」という不況まっしぐらのとんでもない政策パッケージになる。

だが、第二次安倍政権が誕生した12年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していたのである。 

なぜ、学者やエコノミストたちが「財務省・日銀思想」に溺れていたかといえば、それが彼らの利益に適っていたからだ。 

学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

雑誌への寄稿や講演のアルバイトにも事欠かない。 

銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない。

そんなことをすれば、たちまち財務省や日銀から親会社にクレームが付いて、下手をすればクビになりかねない。

金融機関は、財務省が発行する国債の取引や日銀との取引を通じて利益を得ているからだ。 

多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。

日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。

この稿続く。

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学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

2018年05月31日 16時00分44秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。 

財務省はとにかく増税を目標にしている。

増税こそが財務省の財布を大きくして、各省や政治家に配分する原資になると信じている。

財布が大きくなってばらまく金額が大きくなればなるほど、財務省の権威が高まると思っているのだ。

実は増税したところで、景気が悪化して税収が減ってしまえば元も子もない。

増税=増収ではないからだ。 

一方、日銀は金融引き締めこそが正しい道と信じていた。

一九八〇年代のバブル景気に懲りた彼らは、インフレ阻止を至上命題にしている。

少しでも景気過熱の気配が見えれば、金融引き締めというムチをしならせて、企業や家計に規律正しい行勣を教えるのが自分たちの役割、と信じていたのである。 

財務省と日銀の政策を合わせれば、「増税+金融引き締め」という不況まっしぐらのとんでもない政策パッケージになる。

だが、第二次安倍政権が誕生した12年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していたのである。 

なぜ、学者やエコノミストたちが「財務省・日銀思想」に溺れていたかといえば、それが彼らの利益に適っていたからだ。 

学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

雑誌への寄稿や講演のアルバイトにも事欠かない。 

銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない。

そんなことをすれば、たちまち財務省や日銀から親会社にクレームが付いて、下手をすればクビになりかねない。

金融機関は、財務省が発行する国債の取引や日銀との取引を通じて利益を得ているからだ。 

多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。

日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。

この稿続く。

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だが、第二次安倍政権が誕生した12年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していた

2018年05月31日 15時59分45秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。 

財務省はとにかく増税を目標にしている。

増税こそが財務省の財布を大きくして、各省や政治家に配分する原資になると信じている。

財布が大きくなってばらまく金額が大きくなればなるほど、財務省の権威が高まると思っているのだ。

実は増税したところで、景気が悪化して税収が減ってしまえば元も子もない。

増税=増収ではないからだ。 

一方、日銀は金融引き締めこそが正しい道と信じていた。

一九八〇年代のバブル景気に懲りた彼らは、インフレ阻止を至上命題にしている。

少しでも景気過熱の気配が見えれば、金融引き締めというムチをしならせて、企業や家計に規律正しい行勣を教えるのが自分たちの役割、と信じていたのである。 

財務省と日銀の政策を合わせれば、「増税+金融引き締め」という不況まっしぐらのとんでもない政策パッケージになる。

だが、第二次安倍政権が誕生した12年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していたのである。 

なぜ、学者やエコノミストたちが「財務省・日銀思想」に溺れていたかといえば、それが彼らの利益に適っていたからだ。 

学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

雑誌への寄稿や講演のアルバイトにも事欠かない。 

銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない。

そんなことをすれば、たちまち財務省や日銀から親会社にクレームが付いて、下手をすればクビになりかねない。

金融機関は、財務省が発行する国債の取引や日銀との取引を通じて利益を得ているからだ。 

多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。

日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。

この稿続く。

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アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。

2018年05月31日 15時57分23秒 | 日記

以下は前章の続きである。

アベノミクスは、それまでの日本を陰で牛耳ってきた財務省や日銀の経済政策とは、まったく正反対だったからである。 

財務省はとにかく増税を目標にしている。

増税こそが財務省の財布を大きくして、各省や政治家に配分する原資になると信じている。

財布が大きくなってばらまく金額が大きくなればなるほど、財務省の権威が高まると思っているのだ。

実は増税したところで、景気が悪化して税収が減ってしまえば元も子もない。

増税=増収ではないからだ。 

一方、日銀は金融引き締めこそが正しい道と信じていた。

一九八〇年代のバブル景気に懲りた彼らは、インフレ阻止を至上命題にしている。

少しでも景気過熱の気配が見えれば、金融引き締めというムチをしならせて、企業や家計に規律正しい行勣を教えるのが自分たちの役割、と信じていたのである。 

財務省と日銀の政策を合わせれば、「増税十金融引き締め」という不況まっしぐらのとんでもない政策パッケージになる。

だが、第二次安倍政権が誕生した十二年当時は、主流とされた経済学者やエコノミストの間で、そんな政策思考が蔓延していたのである。 

なぜ、学者やエコノミストたちが「財務省・日銀思想」に溺れていたかといえば、それが彼らの利益に適っていたからだ。 

学者は、財務省と日銀の言うことさえ聞いていれば、大学に予算が付き、自分たちは審議会などに呼ばれてハクが付く。

雑誌への寄稿や講演のアルバイトにも事欠かない。 

銀行や保険会社、証券会社が親会社になっているシンクタンクなどのエコノミストは、もちろん財務省や日銀には楯突けない。

そんなことをすれば、たちまち財務省や日銀から親会社にクレームが付いて、下手をすればクビになりかねない。

金融機関は、財務省が発行する国債の取引や日銀との取引を通じて利益を得ているからだ。 

多くの学者やエコノミストは、財務省と日銀による「隠れた利益誘導」を通じて「彼らのポチ」と化していた。

日本では、そんな歪んだ構造が長く続いていたのである。

この稿続く。

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