以下は今しがた発見した高橋洋一(嘉悦大)氏のツイートからである。
@YoichiTakahashi
【日本の解き方】
円安批判は誰の代弁者なのか
利益享受している政府が救済を
財務省は海外投資支援より企業の国内回帰に注力すべし
https://zakzak.co.jp/article/20220929-DZ2VIBEEPZODHH6S6MYTIV2JIE/
米連邦準備制度理事会(FRB)は3回連続で0・75%の利上げを実施した。
これに対し日銀が金融緩和を維持したことについて、「円安を招いている」と批判的なメディアもあるが、いかがなものか。
本コラムで再三繰り返して書いたが、円安で国内総生産(GDP)は増加する。
その兆しは法人企業統計での史上最高収益で既に現れている。
結果として税収も増えるだろう。
そもそも自国通貨安は、これまで「近隣窮乏化」といわれ、海外からは批判の対象になった。
しかし、今回、円安の要因はもっぱら海外にあるので日本は批判されにくい。
これは日本の幸運としてとらえるべきだ。
政府の保有する外債では数十兆円に達する含み益が発生している。
円安で困るのは中小企業であるのは事実だが、一番の利益享受者は政府である。
であれば、利益還元して困っている者を助ければいい。
それでも、国全体としてはお釣りが来るのが円安だ。
これを批判するメディアは、利上げをもくろみ日本経済を台無しにしてでも利益を追求したい金融界など一部業界の代弁者だといわれても仕方ないだろう。
財務省の動向も不可解だ。
先進国つまり変動相場制の国で日本ほど外貨証券を保有している国はない。
日本の外貨証券保有をGDP比でみると、20%以上であるが、他のG7先進国ではせいぜい数%程度以内だ。
いつもなら、国際比較をして日本の政策の正当性を説明する財務省だが、外貨証券保有では国際比較をほとんどしないのは、公表したくないのだろうか。
恒常的に外貨証券を保有していることで、常に外貨証券購入で「為替操作」しているとみなされても反論が難しい。
今回、その保有している外貨証券の一部を売却することで為替介入を行ったが、再びかなり円安に戻ってきており、やはり持続的な効果はなかった。
筆者が事前に予測した通りだ。
財務省の持つ多額の外貨証券は何のためかが改めて問われることになるだろう。
筆者は、たいした効果もないのに、財務省が多額の外貨証券を持つのは、いざというときのためという表向きの説明より、天下りのためという方が、より説得力があると思う。
というのは、外貨証券の保管などのために、年間十数億円以上も金融機関に支払われており、その代わりに財務官僚からは天下りを受け入れるのではないかと邪推を招いている。
8月1日、財務省主導で内閣官房に海外ビジネス投資支援室が設置されたが、現在の為替の趨勢(すうせい)とは真逆の政策で、今やることかと思った。
海外に出て行った企業を日本に誘致する政策が望まれる。
いずれにしても、日銀として重要なのは、インフレ目標のコミットメントを守ることだ。
為替が二国間の金融政策の差で決まる以上、金融政策のコミットメントが強ければ、一時的に為替が振れてもその予測はできるので、国民にとっての弊害は少なくなる。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)