文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

10/26,この日の写真を検証していた私は驚いた。 第一稿とは段違いだったからである。

2024年12月29日 23時11分16秒 | 全般
中津済生会病院の担当医師から「生きる確率25%」を宣告されたのが2011年5月。
医師は、当時の私の身の回りにいたごく少数の関係者を、病院に呼んで、そのことを告げた。
一人は、滂沱の涙を流していた。
神様から、天才と呼ばれる領域の頭脳を授かった私は、遥かに若い時分から、自分の事を「永遠に生きたいと願う無限の思索者である」と定義してきた。
その事は親友たちにも話してきた。
私は、態勢的には、今でも死にゆくための態勢は作れていないが。
2011年5月までは、なおの事、そうだったにも拘わらず…。
最初は「軽い肺炎、肺炎は入院したほうが治りが早い…」が担当医師の診断だった。
物心ついて以来、一度も入院生活を送った事がない…つまり大病にかかった事がなく健康そのものだった私は、入院するのも悪くないな等と、逆に楽しいもののように感じた。
だから、病院の近所に在った事務所に戻って、軽やかに「明日から入院する…」と専務に告げた。
暫くして机の前の電話が鳴った。
担当医師からだったのだが、彼の声色を聞いた瞬間に、私の背中に冷たいものが走った。
「構いませんから病名を教えてください」
病名を聞いた私は、即座に「死ぬ事」を覚悟した。
それまで全く態勢が出来ていなかった…何しろ独身のままだったのである…私は、「死」に対して、言わば恐怖を抱いていた。
まだ、全く準備が出来ていないから、絶対に来ないでくれ、そんな風に考えていたのである。
その私が、一瞬にして「覚悟ができた」のには我ながら驚いた。
翌日、入院した。
最初に命じられたのが、院内の歯科での検診だった。
歯に悪い箇所があると、治療が開始されたら、最初に副作用が現れて、食事に支障を来す…それを回避するためだった。
私は今でも思い出すのだが、担当の歯科医師が、心底、私に感心した感想を述べたからである。
私のどこからも不安や恐れを全く感じない。「感心しました…」と。
前日、一瞬にして覚悟を決めた私は、だが、同時に100%の治癒も確信していた。
私は、その時、死ぬわけには、どうしてもいかなかったのである。
何故なら、私は、神様から授かった頭脳を、未だ、発揮していなかったからである。
自分には、どうすることもできない以上、後は、医師に任せるしかない。
私は担当医師に「腕に自信があるかどうか」だけを尋ねた。
彼は期待通り、1点の曇りもなく「ある」と話してくれた。
中略。
2011/12/16に完治して8か月の入院生活を終え退院した。
中略
翌年、1年365日の内300日を、私は京都府立植物園で花鳥風月を撮影して過ごした。
確か、この年、「植物は見ている」というタイトルの世界的な植物学者の本が新聞の書評欄に掲載されていた。
私は即座に合点した。
何故なら、帰宅してPCに取り込んだ私の写真には、植物たちが見ている、話しかけていると考えなければ説明がつかないものが多かったからである。
中略
今年、岡崎の京セラ(京都市立)美術館で村上隆が展覧会のタイトルを「もののけ京都」とした時、私は、彼は、京都の真髄を知っているな、と即座に合点した。
何しろ、私の写真は、もののけ、だらけなのだからである。
中略
毎年、5月には、京都府立植物園の薔薇園に撮影に行く。
シーズンの間、多い時には10回も訪れる。
それほど私は薔薇に魅せられている…薔薇の花の香りが好きなのである。
花の香では、藤の花と薔薇の花の香りが、私にとって双璧である。
数年前に、大阪に、それも私の家からほど近い場所に、素晴らしい薔薇園があった事に、気が付いた。
以来、毎年、欠かさず、春、秋の年2回、撮影に訪れる。
2023年の10月は、特に、夕刻の美しさにも気が付いた。
中略
10/22日から撮影に訪れた。
10/24も…この両日は先ほど出稿した通り。
10/26,この日の写真を検証していた私は驚いた。
第一稿とは段違いだったからである。
全ての写真に私は息をのんだ。
撮影を開始して3度目である。
全ての薔薇が、私を見ている。
以前に、親友が言うには、まるで憑りつかれているように、野鳥を撮っていた。とにかく野鳥を撮るのは大変なのである。
ところが、京都のどこに行っても野鳥の方から近づいてくるようになった。
平安神宮に枝垂桜を撮りに行った時などは、桜をそっちのけで、突然、やってきた野鳥の一団を夢中になって撮っていたり。
何しろ、皆さんの全く反対方向、野鳥がやってきた方向にカメラを向けて撮っていた程に。
植物園では、目と鼻の先にアトリの大群が現れた事もあった。
そばでシャッターを切っていたおばさんは「こんなこと初めて」と言ってシャッターを連写していた。
物の本によれば、野鳥は、野鳥大好きフェロモンに集まってくるらしい。
何しろ、私は若い時から尋常じゃないオーラを発していたらしい。
京都・鴨川沿いの老舗喫茶店のマダムには「様々な人が店に来るけど、あなたのようなオーラを発している人は初めて見た。その方面に進んだ方がいい」等と言われたり。
中略
私は10/26の薔薇の花に目を見張った。
ただの一枚もクズがない。
尋常ならざるほどに薔薇の花が好きな天才に、薔薇の命=薔薇の精が反応している。3度目に至って、彼らが私を見だしたのである。
この写真集は、私の薔薇の花の傑作と言っても過言ではない。
最初は、音楽を着けずに、写真集として、世界中の読者に贈る。
様々な心に、この写真集は、きっと語りけてくれるはずである。
寂しい人には深い癒しを、幸せな人には大きな喜びを、
この写真集はもたらしてくれる。

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