小学館 ウィーン魅惑の名曲28巻 リスト シノーポリ指揮「前奏曲」
サン=サーンス ベーム指揮「動物の謝肉祭」他を聴き直しました。
ジュゼッペ・シノーポリは、語り甲斐のある指揮者です。
語り甲斐があるということは、すなわち個性的ということです。
彼はイタリアのヴェネツィアに生まれ、精神医学の博士号を持つ異色の指揮者です。
音楽解釈も分析的で、
シューマンの2番で実質デビュー(たぶん)したと思うのですが、全く別の曲に聞こえました。
「シューマンっていいじゃん。」
この作品に対する世間の評価を変えたのがシノーポリなのです。
CDには、なんとシノーポリ自身によるシューマンの病理解説が掲載されていました。
曲を、精神分析的視点からアプローチするために、細かくとらえると
たいへん情熱的、感情的にきこえます。
私がいつも「感情のうねり」と表現しているマーラーの交響曲にはピタリ!
圧倒されます。
しかし、全体を大きくとらえようとすると、妙に誇張感が目立ったり、疲れる曲に聞こえてしまいます。
熱烈な信者と批判が同居しているのがシノーポリなのです。
私は好きですが・・・・。
というわけで、精神性の高い前奏曲やハンガリー狂詩曲ははまり役です。
ベームの動物の謝肉祭は意外な組み合わせ。
希少価値です。
本誌の内容です。
【28号】
リスト サン=サーンス
◆ウィーン・フィルをめぐる断章
・エキセントリックな鬼才マーラー
◆マエストロの横顔
・ジョゼッペ・シノーポリ
◆ウィーン・フィル 音の小宇宙
・誰もが心で感じる”ウィーンの歌”
◆作曲家の肖像
・リスト 世界を家として生き、華麗な音楽家
・サン=サーンス 多才で革命的な音楽家
◆曲の情景
・年月を超えて、広く親しまれるユニークな作品
◎交響曲第3番≪前奏曲≫ハンガリー狂詩曲 第2番
組曲≪動物の謝肉祭≫
◆名曲をより楽しく聴くためのキーワード
★CD
・交響詩第3番≪前奏曲≫ハンガリー狂詩曲 第2番
指揮:ジョゼッペ・シノーポリ
・組曲≪動物の謝肉祭≫
指揮:カール・ベーム