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エジプトにおける日本式教育の導入

2016-07-29 06:12:22 | 日本を見つめる世界の目
エジプトにおける日本式教育の導入を紹介します。

原稿執筆は在エジプト日本国大使館  星野 有希枝 一等書記官 さんです。

□●□ ODAメールマガジン □●□  2016年7月27日発行 第328号 より引用します。

本年2月28日から3月2日にかけて,エルシーシ大統領が日本を訪問しました。

大統領の訪日では,日エジプト間における関係強化にとって
政治・経済面等多くの成果が上げられましたが,
中でも教育・人材育成の分野での協力強化は最重要事項の一つとして扱われ,
両首脳間の合意文書として「エジプト・日本教育パートナーシップ(EJEP)」
が発表されました。

エジプトでは,2013年の政変後,
様々な経済・社会改革の努力が行われており,
中でも教育は国づくりの基礎であるとの認識のもと,
教育改革,若者の能力強化が極めて重視されています。

こうした状況の中,2015年1月の安倍総理のエジプト訪問時には,
エルシーシ大統領から日本式教育を通じて
教育分野での支援を求める要請がなされました。

エジプトでの教育分野での協力として,
エジプト日本科学技術大学(E-JUST)プロジェクトが良く知られています。

これは,日本の工学教育の特徴を取り入れた大学院大学を
エジプトに設置し運営するもので,日本からの支援は,
主に専門家や大学教員派遣,教育・研究に必要な機器の供与に
充てられています。

EJEPでは,この他に,日エジプト間で就学前から基礎教育レベル,
技術教育及び高等教育までを包括的に捉えた協力を推進していくことを
謳っています。

具体的には,今後5年間で少なくとも2,500人のエジプト人を
日本に留学や研修のために派遣すること,
エジプト政府から,道徳心や規律,協調性を
エジプトの若者の間に醸成するような学校活動を発展させることに
強い関心が示されていることから,
特に,日本の教育課程の特徴的な要素である特別活動や,
体育・音楽といった科目の推進を図ることが明記されました。

これまでに,カイロとギザの2校をプレパイロット校に指定して,
日本の特別活動にあたる活動をいくつか試験的に実施したところ,
教員・生徒ばかりでなく保護者からも前向きな反応が得られています。

当面は,これら2校を含む12校をモデル校として協力を実施し,
今後更に100校,200校と拡大していく方向で,
日本式教育の導入拡大を図っていく方針です。

また教員・指導者が日本またはエジプトで適切な研修機会を得ること,
学校における運営や教育活動の改善を図るための
エジプト政府関係当局の取組みを支援すること,
技術教育についてエジプト政府の取組を,
エジプト駐在日本企業を中心とした産業界と連携しつつ支援すること,
E-JUSTの今後の発展・強化のため引続き両国が協力すること,
これらの実施を確実にするためのメカニズムを構築すること等も
盛り込まれています。

現在,EJEPの本格的実施のため,
日・エジプト双方の参加を得た運営委員会が立ち上げられ,
協力を具体化するための作業が全力で進められており,
また新規プロジェクトも順次開始される見込みです。

人づくりは国づくり。

教育分野における日エジプト間の協力の強化は,
両国の平和と繁栄につながるものと確信しています。

 
今、世界のあちこちで日本の教育が注目されています。

ここでいう特別活動や、体育・音楽といった科目のほか、「学級担任制」「掃除の時間」「給食」その他いろいろです。

国内から見るだけでなく、外から日本の教育を見ることも必要ですね。

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