《やはり最後は言語力 -作文のすすめ-》
作文力は、言語能力の総結集である。
「言語能力=思考力」と言う人もいるが、私はそうは思わない。
思考力は簡単には伸びないが、言語能力は訓練で伸びるからである。
特に、作文力はトレーニングの効果が目に見える。
野口芳宏先生は、「こうすれば作文が好きになる-刺激的提言7箇条-」として次のことを挙げている。(『作文で鍛える 上』明治図書より)
① 大作主義から小作主義へ … 大作よりも、手軽で日常的な文章指導を
② 娯楽として書け … 楽しんで書けるような指導を
③ 精読から素読へ … 子どもの作品を丹念に読まない。さっと書かせてすぐに返す。
④ 評語を書くな … ぐるぐる丸をつけて、一言「感心、感心」「迫力満点!」「よく書いた!」などと一言加えるだけでよい。
⑤ 添削するな … べたぼめすればよい。誤字・脱字の指導をいちいちしない。作文を嫌いにさせるだけである。
⑥ やたら書かせよ … 質より量。いつでもどこでもやたら書かせる。
⑦ ていねいに書かせるな … 細かいことは気にするな。びゅんびゅん書こう。
これらは、教師にとっても発想の転換である。
作文力は、まず「作文が好き」になることから始めるべきだ。
穴あき400字詰め原稿用紙を大量に準備しておき、何かの折にすぐに書かせる。
道徳の振り返り、学級レクの後、朝礼の校長先生の話、最近のニュース…、さっと書かせて、すぐに返して綴じさせる。
慣れると数分で書き上げてしまう。
作文綴りの厚みが増えると、立派なポートフォリオである。
以下は小学6年生の1枚文集で、年間数十枚書き残しているものの一部である。