わからないことを発言する
生徒主体の学び合いにするには方法がある。
よくある光景は、「わかる子」が手を挙げて、教師はそのわかる子を指名する。
他の多くの子は聞いているだけで、互いに深め合う授業とはほど遠い。
岐阜市立のある学校では、ハンドサインを次のように使っている。
0本指 … 反対
1本指 … 質問
2本指 … つけたし
3本指 … 賛成・同じ意見・その考えに納得
4本指 … ここまで考えたけど、ここからがわからない・こんなことで困っている
5本指 … 意見(自分の考え)
1本指 … 質問
2本指 … つけたし
3本指 … 賛成・同じ意見・その考えに納得
4本指 … ここまで考えたけど、ここからがわからない・こんなことで困っている
5本指 … 意見(自分の考え)
この中の4本指が優れているのである。
「ここまで考えたけど、ここからがわからない・こんなことで困っている」
これを設定することにより、必ず全員の手が上がる。
したがって、授業に参加しているかどうかの“見える化”になる
また、話し合いを深めるのが、この4本指の子だ。
教師は、「わかる子」ではなく、4本指「わからない子」を指名するのである。
○○さん、どこに困っているの
「・・・まではわかるのですが、この先の~がわかりません。」
「Aの資料にヒントがある気がするのですが、どう読み取ってよいのかがわかりません。」
「Aの資料にヒントがある気がするのですが、どう読み取ってよいのかがわかりません。」
そして、同じようなことで困っている生徒や、少し進んだ生徒を指名していく。
その次に、自分なりの考えで課題を解決した生徒を指名する。
さらに他の方法で考えた生徒を指名した後、ここで教師のねらいとなる考え方の生徒を指名するのである。
ここでその生徒の発言を聞いてわかったような表情をした生徒を指名する。
実質は意図的指名である。全員が挙手しているからこそできるのである。
しかも、生徒は、自分たちの話し合いで解決できたという思いをもつことができる。
安心して「わからない」と言える学級経営にもとづく話し合い。
この積み重ねが、学び合いの心を育んでいく。