あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

生徒指導提要の改訂に関する協力者会議(第5回) 議事要旨

2022-01-22 06:50:18 | 生徒指導・教育相談・キャリア教育

文部科学省より生徒指導提要の改訂に関する協力者会議(第5回) 議事要旨を紹介します。

1.日時

令和3年11月26日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

Web開催(Webex)

3.議題

  1. 多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導に関するワーキンググループ における審議結果の報告について
  2. 生徒指導提要の改訂に係る執筆スケジュール案について
  3. その他

4.出席者

委員

   浅野委員,新井委員,石隈委員,伊藤委員,伊野委員,岡田 俊委員,岡田 弘委員,奥村委員,栗原委員,笹森委員,七條委員,土田委員,野田委員,針谷委員,藤田委員,丸山委員,三田村委員,三村委員,八並座長,山下委員
   

オブザーバー

   滝オブザーバー,宮古オブザーバー  

文部科学省

   鈴木生徒指導室長

5.議事要旨

【座長】  第5回生徒指導提要の改訂に関する協力者会議を開催する。
 本日は、目次構成の第Ⅱ部第10章に当たる「多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導」に関して、第3回会議において設置したワーキンググループで盛り込むべき内容等をワーキンググループの主査より御説明いただく。その後、執筆に当たってのスケジュールや方針について、事務局から御説明いただく。
 まずは事務局より資料1の目次構成案について改めて触れていていただく。
【事務局】  目次構成案についてはお示しのとおり。
 第Ⅰ部は3章構成になっており、第1章の積極的な生徒指導の基礎、第2章は発達の支援に基づく教育課程と生徒指導、第3章のチーム学校による生徒指導の体制、という形で、第Ⅰ部第1章のところに関して、学校、教育のデジタル化があるので、1-2の生徒指導の課題に、デジタル化社会と生徒指導を加えた。
 また、第Ⅱ部については、各個別課題ということで、第1章から第10章、いじめ、暴力行為、少年非行、児童虐待、自殺、中途退学、不登校、インターネット・携帯電話に関わる課題、性に関する課題、そして多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導となっている。
 次に、参考資料2について、生徒指導提要の改訂に係る御意見という資料を用意させていただいた。今御覧になっているところだけでも5つの団体から意見書が届いており、御参考に見ていただければと思う。
【委員】  第2章の2-3について、特別の教科道徳における生徒指導となっているが、教科の道徳を強調するとしたら、「特別の教科道徳を要とした」道徳教育における生徒指導というタイトルでいかがか。
【座長】  この部分を検討したいと思う。
【事務局】  御意見を踏まえてまた御相談をさせていただく。
【委員】  第Ⅱ部では、未然防止・早期発見・対応となっていて、1-3では発達促進的指導・予防的指導・課題解決になっている。これが積極的な生徒指導の根幹のキーワードであり、未然防止は発達促進の一部で、早期発見も予防の一部で、対応も課題解決の一部で、特に発達障害やいろいろな子供のことを考えるときに、未然防止というのは考えにくいと思う。この内容が同じなので、Ⅰ部とⅡ部同じ言葉にしていただけないか。
【委員】  私も同じ考えで、全く同じでⅡ部の3)のところを、第Ⅰ部の1-3の発達促進的指導・予防的指導・課題解決的指導と明記したほうが、今回の改訂の趣旨が非常によく伝わると思う。
【座長】  次に、それでは主査よりご報告いただく。
【委員】  第10章については、当初、第1節で、第2節として、精神疾患と健康問題とを合体させていたが、議論の経過の中で、一つでくくるのは難しいということから、2つに分けた。
 第4節も家庭状況をどう表現するかということはほかの章との関係があるが、多様な家庭状況が今日影響を及ぼしているというところもあり、この4節立てを想定している。ほかの章では、一つの章で扱う以上の分量が節に下りてきているということで、その階層やディレクトリの考え方は、ボリュームも含めて調整が要ると議論になった。
 次の各項の構成について。1ページ目の一番下のところで、第10章の各節に記載する主な事項等として、基本骨格は基本的知識、現状認識、それからアセスメントの部分、それから学校内対応、それで未然防止・早期発見・対応というもの。
 この未然防止といったときに、子供本人の発達促進的な部分のほかに、例えば関係機関のネットワークをどのようにつくっておくかというような、システムに関わる部分も入ってくる可能性がある。
 場合によっては、ここの未然と言ったときに、本人自身へのふだんからの発達促進的な支援のほかに、例えば要対協とのネットワークの構築など、システムの整備、あるいは学校体制の充実のようなことも入ってくる可能性があって、要検討と感じている。
 2ページは各章の枠組み。第1節が発達障害等に関する課題ということで、実際、臨床的にも、DSM-Ⅳや5を使い、ICD-10や11のドラフトが出るなど、領域によって、用語の混乱、表現の多様さがあり、一旦はICD-11を中心に整合性をとっていく。また、法律の用語も違っているところがあるので、留意を要する。
 それから、発達障害とその周辺域の障害、学習障害を含む特別支援に係る対応についても記載し、またギフテッドなどについてもトピック的に触れられるといいのではないか。
 また、本年6月に「障害のある子供の教育支援の手引」が出ているので、リンクで飛び、参照していけるような仕組みとする。
 それから、小中から系統的にメンタルヘルスに関する教育プログラムを入れ、通常学級における対応を含む校内連携体制、検査機関へのつなぎ方の流儀、方法などのようなことも含めて記載していく。第Ⅱ部の特性上、学校の先生方がそういう事態に直面したときに、具体的な手引き機能も必要なので、書き方のバランスは調整しながらやらざるを得ない。
 第2節が精神疾患に関する部分で、発達障害の人の二次障害としての精神疾患という見方もあるが、二次障害というのは必ずしも限局するものだけでもない。精神疾患をどのように考えるかということについて、安易な二次障害という表現ということは、制限的なほうがいいという議論があった。
 学校での精神疾患とはありふれた障害であるという認識のもと、それに気づき適切な手当てを行うことが必要である。あるいは服薬管理、受診、投薬情報等、どんな兆候がありどこから気づいていくか。リストカット、摂食障害、身体化障害、それから希死念慮、飲酒、薬物、それから小児うつや起立性調節障害など、長期欠席の診断に挙がる事例への対応。起立性調節障害が精神疾患のカテゴリーなのか、次の3節とのすみ分けで、まだ十分吟味できてないところはある。
 それから校内連携、カウンセリングマインド、守秘、あるいは学校の体制といった点に留意する。
 インターネットやゲーム症といった最近のトレンドに対して、医学概念として確立してないので、主にはインターネット・携帯電話に関するⅡ部8章で扱ってもらいつつ、必要な部分についてこの節で書くこともある。
 それからLGBTやデートDVなどの性や、男女交際というか、そういう異性間交際等を含む暴力などに関しては、ほかの章で扱っていただく。
 被害者対応のこと、あるいは医療機関につなぐ際の留意点。特に先ほどの発達障害もそうだが、外部機関と連携するときの留意点のようなことが必要。
 例えば、弱視や色覚障害という視覚系のことや、肥満、身体疾患等。ただ当然、2節とのすみ分けが必要なものがあり、例えば、養護教諭の対応の学習手引であるなど、あるいは現代的健康課題を抱える子供たちへの支援というようなものが典型的だが、関連する数種類のところと共有できるようにする。
 それから学校保健安全法に基づく疾病の予防処置や治療指示が出された場合のフォロー、虫歯の治療していないなどというようなことをどう考えていくか。この3節については、やや積み残し課題があり、執筆に向けて精査する必要がある。
 第4節について、一つは、基本的姿勢としては、多様な背景、養育環境の子供たちを知り理解する。トピックについては、取捨選択が必要だけれども、取捨選択という意味ではここに入れるか入れないかという問題と、それから次の項目にあるが、ほかの部でどう扱っていただけるか。
 特に、今日の児童福祉法上の概念である要保護児童、要支援児童、特定妊婦、それから貧困、ひとり親支援、それから就学援助、それから健康保険等がない無保険、それから内科や歯科系の疾患と、受診・治療しない場合、先ほどの健康問題とどう絡むかということもある。
 トピック的な意味ではヤングケアラー、それから保護者の精神的な課題。特に下線を引いている辺りが必要な項目としてということであった。
 それから、「10章執筆に当たっての前提事項」の各項で扱う範囲に照らして、それぞれの事案の対処・対応に必要な関係機関等につなぐための手だてについて包括的に記載するということで、家庭がというだけではなくて、学校だけで対応するということが十分できない、あるいは学校だけでやることが不適切な事例もあり、法的な枠組みも含めて、整理する必要がある。その一つは社会的養護であり、要するに要保護児童に対して、家庭の代替機能として、里親や施設等でという話の部分。
 それから、家庭における多様な背景として想定される例として、全部書くかどうかというのは精査の対象という前提で、同性カップル、あるいはひとり親、それから身体、精神、知的障害などのある親、それから祖父母や親戚の過干渉、DV、それから無職の親、それから貧困、生活保護家庭、家族の自死・事故死、あるいはネグレクト、ごみ屋敷、アルコール、薬物、性依存の親、ステップファミリーなどがあげられた。
 教育の世界では違和感のある表現も含んでいるが、福祉を含む各領域ではこれら一つ一つというのが議論にもなるので、今回の提要の中にどう入れるかということについて検討が要るかと思われた。
 それから家庭教育支援チームの活用など、アウトリーチ型の支援ということも視野に入れる。家庭対応に関しては、不登校児童生徒への支援の在り方について、令和元年10月の不登校児童生徒への支援の在り方についての通知においても、家庭訪問であるとか、あるいは安否確認できないときはどうするかというような記述もある。
 それから、ルーツが外国にある方のことも含めて日本語指導が必要な児童生徒の具体の対応については、「外国人児童生徒の受入れの手引」などを参照できるようにリンクづけしも検討する。
 いずれにしても10章で検討するものには、すみ分けで悩んでいただく部分というのが多く出てくる。特にその中でも、子供の理解とアセスメントの部分や、それから子供理解や配慮や生育歴などの個人情報をどう扱っていくか、それから「相談することは特別なこと」だという意識が出てしまうが、初期の発達促進的な部分からどう考えるか。
 また各機関の具体の役割や各機関における対応の優先順位の違いなど、関係機関がどうものの考え方をしているのかというようなところも大事であり、連携の前提となる重要な要素を確認すること。
 それから少年事件において、発達の課題や保護者、地域、学校との人間関係を構築できないことが、むしろ重大事件に結びついている場合もあり、大規模で家族等とのつながりをどのような意味で重要かということを記載すべきという意見もあったが、生徒指導の重要な柱である非行問題に関しても、もともと非常に荒れていたタイプの子供と、いきなり型の非行と言われるような、まさに第一次的なところから第三次的なところまでを含まざるを得ない。
 それから安否確認できない場合の対応。18歳越えについて、特に高等学校の生徒指導においては、来年の春から18歳が成人になるので、親権者あるいは保護者などという概念が変わってくる。この辺りどうするか。
 厚生労働省のほうで重層的支援体制というようなワンストップ型の相談システムが強く推進されていて、今構築の経過だと思うが、この部分などをどう取り込むか。
 それから、学齢を過ぎたあたりからの子ども若者育成支援推進法などに基づく支援システム、特に引きこもり防止のようなところでは、どことつないでいくのかという視座も必要となる。
 それから市区町村の子ども家庭総合支援拠点、これも設置が義務づけられて、間もなく完成ということになり、従来の市町村のものの考え方とまた変わってくる部分がある。
 引きこもりとの関係をどうするか、一部、あるいは他章で書いていただいて、そことリンクを飛ばすという形のものもあれば、この10章の中でしっかり書いていくということもあろうかと思う。(以下略)


具体的な議論の様子が分かります。


【文部科学省関連サイト】

文部科学省小学校、中学校、高等学校中央教育審議会平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等教育に関する基本的な法律・計画などGIGAスクール構想の実現について統計情報、学校におけるICT環境の整備・運用について文部科学省/mextchannel

【教職員支援機構サイト】

校内研修シリーズ新学習指導要領編、

国立教育政策研究所サイト

中学校英語指導事例集

独立行政法人日本学術振興会


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。