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児童生徒の学習評価の在り方について-2-

2010-05-11 05:30:56 | 教育関連情報
前回の続きです。

これまでと最も大きく変わったのは、「思考・判断」が「思考・判断・表現」になったこと、「技能・表現」が「技能」になったことです。

社会科を例にすると、これまで次の4観点ありました。

1 社会的事象への関心・意欲・態度
2 社会的な思考・判断
3 資料活用の技能・表現
4 社会的事象についての知識・理解

これらが、「学習指導要領等で定める学力」の3つの要素に合わせ,評価の観点を整理し直したのです。

「学習指導要領等で定める学力」とは、以前にも紹介しました、学校教育法第30条の次の部分です。

基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うこと

この文章を生かして

【1】 基礎的・基本的な知識・技能は「知識・理解」「技能」において,

【2】 これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等は「思考・判断・表現」において,

【3】 主体的に学習に取り組む態度は「関心・意欲・態度」において,

となったのです。「学校教育法第30条」そのままですね。

実際の運用面でも、変わってくるかもしれません。

社会科を例にしましょう。
これまで「表現」は、資料活用の技能・表現でした。

例えば、地理分野では、

地図や統計,映像など地域に関する様々な資料を収集し,有用な情報を適切に選択して活用するとともに,追究し考察した過程や結果を地図化したり報告書などにまとめたり,発表や討論などを行ったりしていました。

簡単にいえば、資料を活用して表現していたのです。


しかし、これが「思考・判断・表現」になると・・・

社会事象について多面的・多角的に考察し,公正に判断したことを、言葉に表現して他に分かるように伝えること、
すなわち思考の結果を言語に置き換えることが求められるのです。

もちろん、思考・判断には、地図や統計、年表などの資料を基にしますので、結果的にプロセスは似ているのかもしれません。

しかし、その方法は、次のようになることが考えられます。

「資料を活用して表現」;地図やグラフなどを使ってビジュアルに表現
「思考したことを表現」;文章で表現

今回の「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」は、言葉の力を重視した結果なのです。

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