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のだめカンタービレ 最終楽章 前編-2-

2010-01-03 10:48:27 | 映画短評
昨日は「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」について、簡単に書きました。

映画の感想は、ストーリーがばれると、これから見る人の興味を半減させてしまうから難しいものです。

今日は、映画の中の音楽に絞って、もう少し詳しく書きたいと思います。

ストーリーを知りたくない人は、読まないでください。



コミック、そしてTVドラマの「のだめカンタービレ」がクラシック音楽をポピュラーにした功績は大きなものがあります。
学校で音楽鑑賞会をやった時も、オープニングはベト7(ベートーベン交響曲第7番)1楽章でした。
それまでは、第九は別格として、ベートーベンといえば「運命」、次に「田園」「英雄」でした。ベト7に光を与えたのは「のだめ」の功績です。

映画の中でまず流れたのは、おなじみベートーベンの交響曲第7番。

千秋がピンチヒッターで振ったマルレ・オケでの演奏曲がラベルのボレロ。
ただし、これはひどすぎです。
アマチュアオケでもここまでひどくない。
オーボエのリードはぼろぼろでした。

デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」。練習を繰り返していました。

メインのシューマン交響曲第1番「春」ってやったっけ?記憶にないのですが…

チャイコフスキーの序曲1812、これは、演出もさることながら、演奏も良かった!このシーンがこの映画の見せ場で、コンサートの雰囲気がよく表現できていました。
クラシックのコンサートは3曲でプログラムを組むのが一般的ですが、その1曲目でここまで盛り上がると、演奏者も観客も疲れてしまうだろう、というほどの盛り上がりでした。

バッハのピアノ協奏曲第1番 BWV1052 千秋の弾き振り、マルレ・オケ定期演奏会の2曲目でした。これも構成がしっかりとした良い演奏でした。

チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」op.74 のだめが「ずるい」とつぶやく場面です。のだめの心情を描写しています。やっぱり名曲です。
でも、本来なら、ここはシューマンの「春」が流れる場面では?

おっと忘れていました。のだめの音楽院の試験曲がモーツァルトのピアノ・ソナタ第11番 K.331トルコ行進曲です。
表情豊かな演奏でした。有名すぎる曲だから、上手に聞かせるのは難しいのですが、よい演奏でした。
上野樹里のピアノと遊んでいる感がとてもよく表現されていました。

そして、マーラーの交響曲第5番第4楽章。これは、ヴィスコンティ監督の映画『ベニスに死す』に用いられて注目されましたが、この映画ではそのパロディの様です。のだめ「パリに死す」という感じでしょうか…。

ところで、映画の中で「オーボエ主席奏者」と書かれていましたが、これは「首席奏者」の間違いですね。よくあることですが・・・。後編では直してほしいところです。

ロケの会場は、ウィーン楽友協会ホールやスロバキアのレデュタ劇場など、いろいろと回ったようです。ヨーロッパ気分が満喫できます。

そして、隠れた功労者は、何といってもオーケストラの団員。
演じたのは、ブルノ・フィルハーモニック。チェコのブルノにあるオーケストラだそうです。
いやいや演奏したり、徐々に楽しそうになっていったりと、しっかり演技をしていました。
日本の映画に付き合っていただきました。

最後に、終わり方がものすごく中途半端でしたね。
中締めがあるわけでもなく、突然終わります。

それでも、あっという間の2時間。
十分楽しめました。 

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