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ゆさぶり発問

2009-06-11 06:48:07 | 社会科関連情報
 昨日に続きます。
 発問こそが、教師の専門性と言いました。
 発問の中でも、もっとも高度なものの一つが「ゆさぶり発問」です。

 以前、私(土井)は岐阜市立加納中学校でこんな授業を見ました。
 ある地域の祭りを残すべきかについて生徒が話し合っていました。全員が、いろいろな立場から賛成意見を述べていきます。「祭りなんかやめよう」という意見は一人もいません。ただ、人事、きれい事の意見にも聞こえます。
 そこで、教師が一枚の古い写真を見せます。山車が写っており、お祭りのようです。
 「何の写真にみえる?」「お祭りの写真」
 そして、究極のゆさぶり発問です。
 「この写真は、かつてこの加納地区にあったお祭りなんだよ」
 この一言で教室の空気が凍り付きました。
 お気楽に、祭りを残すべきだと発言していた生徒の住む地域で、山車が出るような大きな祭りが消えていたのです。
 これ以後、なぜ加納地区で祭りが消えたのか、祭りの維持には多くの費用と労力がかかり、住民の協力が必要な事が浮き彫りになってきました。

 ここからが、勝見先生の話です。
 教師の「ゆさぶり」発問は、議論を焦点化し考えを深める契機です。主に、次の4つの場合があります。
 ○ 一つの象徴的な考え方をモデルに考える
 ○ 複数の考え方を比べる
 ○ 関係性(矛盾点や対立点)の存在を取り上げる
 ○ 新たな角度の見方や考え方の視点を提示する 等
個々の状況の把握した上での教師の「深めどころ」の戦略がゆさぶりなのです。
 ゆさぶりが成功したときは最高の気分です。

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