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世界がキューバの高学力に注目するわけ -2-

2016-09-15 06:05:21 | MY BOOK
キューバの教育水準が世界トップレベルということは知りませんでした。 

そのレベルの高さの一例を示すと…

ユネスコの第2回国際学力試験(2008年6月実施)の6年生では、4段階の最高レベルⅣに達したのは、算数は全体の11.4%、国語は17.6%、科学は2.5%でしたが、キューバでは半分以上の生徒が、そのレベルⅣに達しました。
さらに、最低点が、他の国の平均を上回るのです。
あまりにも高いので、無作為に5校を選んでやり直したところ同じ結果でした。

サッチャーの民営化路線で教育崩壊を起こしたイギリスは、キューバをモデルに選んで立て直しを図りました。

そんなキューバですが、経済的に豊かというと、一人あたりのGDPはラテンアメリカ諸国21か国中、16番目(2007年)。
欧米諸国とは比較にならないくらい貧しいのです。

それではキューバの教育水準の高さの秘密は何でしょうか?

前回紹介があったように、幼稚園から大学まで教育費はタダ

小学校は20人、中学は15人の少人数教室。

過疎地では生徒一人の学校も維持し、地域間格差を作らない。

これだけでも驚きです。

日本でも、効率化のために、少人数の学校は統合しています。
しかし、キューバでは例えへき地でも「通える距離」に学校があることが重要なのです。
そのために、生徒一人の学校を維持しているのです。

コンピューター教育は、小学校から行われています。
全教室にあるテレビとビデオも有効に活用しているそうです。

また、小学校から落第があります。
学期末ごとに国がつくる試験で点数を取らなければ進級出来ません。
学力不足のまま、進級したり社会に送り出すことがないのです。

まだまだ日本との違いがあります。

中学校では15人の少人数学級です。
日本と決定的に違うのは、英語と体育は専門の教師が教える以外は、一人の教師がビデオやコンピューターを使ってそれ以外のすべての教科を教えることです。

教育省の方の説明です。

「教師は教室で生徒たちがアイデアをわかちあい、議論できるように勉強のやり方と情報の見つけ方を教えています。その方が、一人だけで勉強するよりも、ずっと良い結果が得られるのです。生徒たちが問題を克服できるように家庭教師や師匠以上のものとなって一緒に助けているのです。」

これは、試行錯誤の結果だそうです。

最近、日本でも多くの学校が目指している学び合いの考え方と同じです。

15人の少人数学級は真似ができませんが、学び合いは真似ができます。

日本の学校に学び合いが広がり、学力が向上することを望みます。

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