真珠湾訪問と電通でしょう。
今朝の社説を見てみましょう。
朝日新聞
・ 真珠湾訪問 「戦後」は終わらない
・ 電通違法残業 他社の話ではすまぬ
読売新聞
・ 首相真珠湾訪問 日米は「和解の力」を実践せよ
毎日新聞
・ 首相の真珠湾訪問 和解を地域安定の礎に
日本経済新聞
・ 「真珠湾の和解」を世界安定の礎に
産経新聞
・ 真珠湾での慰霊 平和保つ同盟を確認した
中日新聞
・ 和解の力、アジアにこそ 首相、真珠湾で慰霊
※ 全社が首相の真珠湾訪問を取り上げました。
朝日です。
「一方で、抜け落ちていたのは「過去」への視線である。
真珠湾攻撃を、さらには日米のみならずアジア太平洋地域の国々に甚大な犠牲をもたらした先の戦争をどう振り返り、どう歴史に位置づけるか。演説はほとんど触れていない。」
「太平洋戦争は日米だけの戦争だったわけではない。米英などとの開戦は、満州事変以来の10年に及ぶ中国への侵略や、その行き詰まりを打開するための東南アジアへの武力進出から生まれた。アジアの人々にも悲惨な犠牲を強いたことを忘れてはならない。」
「演説で首相は日米同盟を「希望の同盟」と自賛したが、沖縄には触れなかった。
日米の「和解」は強調するのに、過重な基地負担にあえぐ沖縄との和解には背を向ける。そんな首相の姿勢は、納得できるものではない。
首相は、今回の演説で戦後を終わらせたかったのだろう。
だが逆に印象に残ったのは、過去を語らず、沖縄の声を聞かず、「美しい未来」を強調しようとする首相の姿である。」
今回の訪問をほとんど評価していません。
沖縄の基地問題に触れる場所ではないでしょう。
読売です。
「戦後の日米外交の重要な到達点と言えよう。
安倍首相が米ハワイの真珠湾を訪れた。オバマ米大統領とともに、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者らを慰霊した。
今回の訪問は、昨年4月の首相の米議会演説、8月の戦後70年談話、そして今年5月のオバマ氏の広島訪問から連なる日米の戦後処理の歴史的な集大成である。
首相は演説で、「戦争の惨禍は二度と繰り返してはならない」という「不戦の誓い」を今後も堅持する考えを改めて表明した。」
「日米同盟は、東西冷戦中は西側陣営の主要な柱として機能した。冷戦終結後も、多くの不安定要因を抱えるアジア太平洋地域の平和と繁栄を支える公共財として、関係国に高く評価されている。
首相の言う「希望の同盟」を実践するには、日米両国が政治、経済両面で、従来以上に緊密に戦略的な対話を重ねる必要がある。韓国、豪州、インドなど友好国とも重層的な協力関係を構築し、課題を処理することも大切だ。」
今回の訪問を高く評価しています。
毎日です。
「戦後、日米両国は安保条約を結び同盟国となった。しかし、米国にとっては真珠湾への奇襲攻撃や米兵捕虜の扱いが、日本にとっては広島、長崎への原爆投下、日系人の強制収容などが、両国関係の歴史に刺さったトゲのようになってきた。
その傷痕を癒やし、日米の和解の歴史に新たなページを開こうと、オバマ氏が5月に広島を現職の米大統領として初めて訪問し、それを引き継ぐようにして、首相が真珠湾を訪問したことを評価したい。
首相の真珠湾訪問によって、日米間に戦争をめぐるわだかまりがなくなるわけではない。和解プロセスは今後も続けていかなくてはならない。それでも同じ年に、両首脳が太平洋戦争の重要な場所を互いに訪問したことは、象徴的な意味を持つ。」
まっとうな意見です。
日経です。
「戦争への道の検証を
その意味で、安倍首相の所感が、日本がなぜ戦争への道を歩んだのかに触れなかったのは残念である。いつまでも「謝罪」ではあるまい。オバマ大統領は広島で原爆投下を謝罪しなかった。それはその通りだ。
とはいえ、戦争をしかけた側としかけられた側の立場は同じではない。真珠湾で始まった戦争は両国のみならず、アジア太平洋の多くの住民に多大な被害をもたらしたことも忘れてはならない。
なぜ戦争を始めたのかをきちんと検証しなければ、再び戦争を始めるのではないかとの懸念は払拭されない。個別の被害への謝罪よりも、大きな課題である。
安倍首相の真珠湾訪問によって、これまであまり知られてこなかったさまざまなことにも光が当たった。吉田茂、鳩山一郎、岸信介といった終戦からさほどたっていない時期の首相たちがすでに真珠湾を訪れていたことも、そのひとつである。
わたしたちは自分たちの歩みにあまりにも無関心だったのではないか。振り返るべき歴史がまだまだたくさんある。安倍首相の旅にはそれを教えてくれるという効果もあった。」
歴史的な視点で見ています。
産経です。
「この地域における最大の不安要因は、軍事的に台頭した中国の脅威である。慰霊に先立つ首脳会談で、中国の空母が西太平洋へ初めて進出したことが話題となり、その動向を注視すべきだとの認識で一致した点にも象徴される。」
「「和解の力」に基づく日米同盟の絆の強さを発信した意義は大きい。緊密な同盟こそ地域安定の礎となるものだ。その抑止力を一層高めていくことが重要である。
日米戦争発端の地となったハワイ・真珠湾で、安倍晋三首相と米国のオバマ大統領が肩を並べ、戦争で亡くなった人々を慰めたことを素直に喜びたい。」
「ここで安倍首相には、靖国神社参拝の再開を改めて求めたい。吉田茂首相(当時)はまだ占領中の昭和26年10月、サンフランシスコ平和条約締結を戦没者に報告するため靖国を参拝した。真珠湾訪問も十分報告に値しよう。」
中国や靖国に結びつけるところが産経らしさです。
中日です。
「 日本が真に和解すべきは、安全保障や経済ですでに深い関係がある米国ではなく、中国をはじめとするアジア諸国だろう。
首相は、米国との和解に注いだ政治力と政治的資源を、アジア諸国にも同様に注ぐべきである。
憎悪の連鎖断つため
先の大戦終結から七十一年。戦争の惨禍は、いまだ世界から消えず、憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなっていないのが現実だ。ヨーロッパでは難民排斥のナショナリズムも高まっている。
「寛容の心、和解の力を、世界はいまこそ必要としている」という首相の主張には同意したい。
憎しみ合い、戦火を交えたかつての敵国同士の首脳が、肩を並べて寛容の大切さと和解の力を訴える。その姿が国際社会の範となるのなら、せめてもの救いである。」
朝日と似ていますが、評価すべきところはしています。
今朝の社説を見てみましょう。
朝日新聞
・ 真珠湾訪問 「戦後」は終わらない
・ 電通違法残業 他社の話ではすまぬ
読売新聞
・ 首相真珠湾訪問 日米は「和解の力」を実践せよ
毎日新聞
・ 首相の真珠湾訪問 和解を地域安定の礎に
日本経済新聞
・ 「真珠湾の和解」を世界安定の礎に
産経新聞
・ 真珠湾での慰霊 平和保つ同盟を確認した
中日新聞
・ 和解の力、アジアにこそ 首相、真珠湾で慰霊
※ 全社が首相の真珠湾訪問を取り上げました。
朝日です。
「一方で、抜け落ちていたのは「過去」への視線である。
真珠湾攻撃を、さらには日米のみならずアジア太平洋地域の国々に甚大な犠牲をもたらした先の戦争をどう振り返り、どう歴史に位置づけるか。演説はほとんど触れていない。」
「太平洋戦争は日米だけの戦争だったわけではない。米英などとの開戦は、満州事変以来の10年に及ぶ中国への侵略や、その行き詰まりを打開するための東南アジアへの武力進出から生まれた。アジアの人々にも悲惨な犠牲を強いたことを忘れてはならない。」
「演説で首相は日米同盟を「希望の同盟」と自賛したが、沖縄には触れなかった。
日米の「和解」は強調するのに、過重な基地負担にあえぐ沖縄との和解には背を向ける。そんな首相の姿勢は、納得できるものではない。
首相は、今回の演説で戦後を終わらせたかったのだろう。
だが逆に印象に残ったのは、過去を語らず、沖縄の声を聞かず、「美しい未来」を強調しようとする首相の姿である。」
今回の訪問をほとんど評価していません。
沖縄の基地問題に触れる場所ではないでしょう。
読売です。
「戦後の日米外交の重要な到達点と言えよう。
安倍首相が米ハワイの真珠湾を訪れた。オバマ米大統領とともに、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者らを慰霊した。
今回の訪問は、昨年4月の首相の米議会演説、8月の戦後70年談話、そして今年5月のオバマ氏の広島訪問から連なる日米の戦後処理の歴史的な集大成である。
首相は演説で、「戦争の惨禍は二度と繰り返してはならない」という「不戦の誓い」を今後も堅持する考えを改めて表明した。」
「日米同盟は、東西冷戦中は西側陣営の主要な柱として機能した。冷戦終結後も、多くの不安定要因を抱えるアジア太平洋地域の平和と繁栄を支える公共財として、関係国に高く評価されている。
首相の言う「希望の同盟」を実践するには、日米両国が政治、経済両面で、従来以上に緊密に戦略的な対話を重ねる必要がある。韓国、豪州、インドなど友好国とも重層的な協力関係を構築し、課題を処理することも大切だ。」
今回の訪問を高く評価しています。
毎日です。
「戦後、日米両国は安保条約を結び同盟国となった。しかし、米国にとっては真珠湾への奇襲攻撃や米兵捕虜の扱いが、日本にとっては広島、長崎への原爆投下、日系人の強制収容などが、両国関係の歴史に刺さったトゲのようになってきた。
その傷痕を癒やし、日米の和解の歴史に新たなページを開こうと、オバマ氏が5月に広島を現職の米大統領として初めて訪問し、それを引き継ぐようにして、首相が真珠湾を訪問したことを評価したい。
首相の真珠湾訪問によって、日米間に戦争をめぐるわだかまりがなくなるわけではない。和解プロセスは今後も続けていかなくてはならない。それでも同じ年に、両首脳が太平洋戦争の重要な場所を互いに訪問したことは、象徴的な意味を持つ。」
まっとうな意見です。
日経です。
「戦争への道の検証を
その意味で、安倍首相の所感が、日本がなぜ戦争への道を歩んだのかに触れなかったのは残念である。いつまでも「謝罪」ではあるまい。オバマ大統領は広島で原爆投下を謝罪しなかった。それはその通りだ。
とはいえ、戦争をしかけた側としかけられた側の立場は同じではない。真珠湾で始まった戦争は両国のみならず、アジア太平洋の多くの住民に多大な被害をもたらしたことも忘れてはならない。
なぜ戦争を始めたのかをきちんと検証しなければ、再び戦争を始めるのではないかとの懸念は払拭されない。個別の被害への謝罪よりも、大きな課題である。
安倍首相の真珠湾訪問によって、これまであまり知られてこなかったさまざまなことにも光が当たった。吉田茂、鳩山一郎、岸信介といった終戦からさほどたっていない時期の首相たちがすでに真珠湾を訪れていたことも、そのひとつである。
わたしたちは自分たちの歩みにあまりにも無関心だったのではないか。振り返るべき歴史がまだまだたくさんある。安倍首相の旅にはそれを教えてくれるという効果もあった。」
歴史的な視点で見ています。
産経です。
「この地域における最大の不安要因は、軍事的に台頭した中国の脅威である。慰霊に先立つ首脳会談で、中国の空母が西太平洋へ初めて進出したことが話題となり、その動向を注視すべきだとの認識で一致した点にも象徴される。」
「「和解の力」に基づく日米同盟の絆の強さを発信した意義は大きい。緊密な同盟こそ地域安定の礎となるものだ。その抑止力を一層高めていくことが重要である。
日米戦争発端の地となったハワイ・真珠湾で、安倍晋三首相と米国のオバマ大統領が肩を並べ、戦争で亡くなった人々を慰めたことを素直に喜びたい。」
「ここで安倍首相には、靖国神社参拝の再開を改めて求めたい。吉田茂首相(当時)はまだ占領中の昭和26年10月、サンフランシスコ平和条約締結を戦没者に報告するため靖国を参拝した。真珠湾訪問も十分報告に値しよう。」
中国や靖国に結びつけるところが産経らしさです。
中日です。
「 日本が真に和解すべきは、安全保障や経済ですでに深い関係がある米国ではなく、中国をはじめとするアジア諸国だろう。
首相は、米国との和解に注いだ政治力と政治的資源を、アジア諸国にも同様に注ぐべきである。
憎悪の連鎖断つため
先の大戦終結から七十一年。戦争の惨禍は、いまだ世界から消えず、憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなっていないのが現実だ。ヨーロッパでは難民排斥のナショナリズムも高まっている。
「寛容の心、和解の力を、世界はいまこそ必要としている」という首相の主張には同意したい。
憎しみ合い、戦火を交えたかつての敵国同士の首脳が、肩を並べて寛容の大切さと和解の力を訴える。その姿が国際社会の範となるのなら、せめてもの救いである。」
朝日と似ていますが、評価すべきところはしています。