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哲学入門70 仏教と日本文化

2019-04-02 05:41:16 | 哲学の窓
白坂慎太郎先生の哲学入門

第70回、仏教と日本文化です。
 ここから https://www.youtube.com/watch?v=4VH3JuFqAeA





このように宗教的なものが生活化、風俗化していきました。

前回見てきたように、外来文化を取り込むのは日本は得意。
こうして、宗教的なものが生活化、風俗化は、日本文化の特色の一つになったのです。

今、「あなたが信仰している宗教は?」と尋ねると、多くの人は「無宗教」と答えると思われます。

しかし、実際にはそれは不可能です。

クリスマス、除夜の鐘、「いただきます」、七五三、葬式、・・・

生活の中に、宗教がとけ込んでいるのです。
日本人の生活には、多くの宗教的な考え方が入っているのです。


仏教が日本に伝来したのは古墳時代です。

しかし、平安時代までは、内容が難しいために僧侶・貴族など一部の人のものでした。

それが鎌倉時代に、一般の人(農民など)に伝わりました。
シンプル化が進んだのです。

親鸞であれば「感謝」、念仏を唱える。
道元であれば、「座禅」、自力で悟りを開く。

シンプルなのです。

これで、庶民にも仏教が広がり、華道、茶道、能・狂言も広がりを見せました。

それが


利休は、お茶ではなく、精神性を追究したのです。茶道を通じて、生き方を追究したのです。
雪舟や世阿弥も同じです。

「哲学」の世界ですね。



日本人の世界ですね。

立派な高層ビルや高層マンションは日本の美意識ではないのです。

茶道の茶碗のゆがみ、非対称の建築など、整然としたものではなく、異質な所に特色があるのです。

手作り感、自然のまま。

それが文学にも表れています。


西欧から入ってきた論理的思考は、計画性、緻密です。ゴールを見据えて、段階的に登っていきます。

日本は「空」。今、この瞬間をどう生きるかが大切なのです。
現在主義といえるかもしれません。

歴史を省みたり、将来の世界を構想するのではなく、「今、ここ」に関心を集中するのは、日本文化の特色の一つなのです。


日本人は(ドイツ人も)勤勉です。

これから、世界が物質主義から精神主義に向かうとするならば、日本がリーダーになる可能性を秘めているのかもしれません。

なぜなら、西欧の哲学者が今求めているものは、日本がこれまで持っているからです。
経済的にはこれから落ちていくかもしれませんが、日本の精神性は数千年の歴史があるのです。

日本のことをもっと追究する哲学者が必要かもしれませんね。




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