
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第5回)です。前回と同程度の難易度と思います。チャレンジャーの方は、トライしてみてください・・・。なお、模試は第2回以降は(できれば)順番に解いていくことをおすすめします。前回問題を解いておくと、次回以降の問題が簡単、あるいは、より深く理解できるような問題構成に・・・一部分ですけど・・・配慮して作成していますので・・・👋👋👋なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いづれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋


<訂正>(08312214)(六)の1.の解答が間違っていました。解答を訂正。
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第5回>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.大道、亶亶、その身を去るに遠からず
2.何れの処にか感亨無からん
3.何の造做もない
4.車が偈偈と疾駆する
5.其れ必ず考覈する所あらん
6.凭欄し吟詠する
7.听然と笑う
8.学問に耽嗜する
9.郢人、その鼻端を堊慢す
10.居る者は積倉あり、行く者は裹糧あるなり
11.嫖姚校尉として驍名を馳す
12.嵌竇潜みて瀬を洩らす
13.幵零が棲息している (注)「幵零」は鳥の名称で、野鳧のこと。
14.平生允当なるを賛するなり
15.西戎を廱偃す
16.霹靂閃電、怕驚す
17.学びて行わざる、之を名づけて掫囊と曰う
18.駿馬を晨鶩す
19.醯醢を瓶に保存する
20.暹国はタイ(シャム)の古国名である。
21.天に跼り、地に蹐する。
22.心做し、やつれて見える
23.仏を廃して釈を毀る
24.烏賊の醢を食す
25.その場に似わぬ言葉・・・
26.幣を神に捧げる・
27.圧制の衡を逃れる
28.宥め賺して機嫌をとる
29.咸、感極まる
30.鬣の黒い駱の馬がいる
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.この釣堀ではヘラ鮒が釣れる
2.待ちボウけをくわされる
3.モウセンゴケは代表的な食虫植物だ
4.慢性皮膚病の一種に、ナマズ肌がある
5.香をタき込めて客を迎える
6.このドラ焼は美味しい
7.「ししびしお」のことをニクショウと書く
8.トリモチで蝉を捕る
9.カサに懸って攻める
10.ユダメを用いて強弓を調える
11.非望をキユするの愚を犯す
12.テイガクの情
13.好言口よりし、ユウゲン口よりす
14.勝利を知らせるショウショが届いた
15.議会の招集を命ずるショウショが発布された
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.穀物をカマスに入れて運ぶ
2.湖にニオが浮かんでいる
3.足袋のコハゼがはずれている
4.シボリ染めは染色法の一つだ
5.シキミの果実は猛毒で「悪しき実」が名の由来という
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.みだりに迎合すること
2.しおからの類
3.墓参り
4.人の行状、経歴
5.日と月。日月。
<語群>
(そうたい、へいけい、かいしょうひん、きょうじゃく、けいしょうひん、ふんぼ、せんじょ、こうごう)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア( )之契 2.イ( )不霊 3.ウ( )懸隔 4.エ( )獲珠 5.オ( )棋布
6.カ零絹( ) 7.キ咬文( ) 8.ク蓋瓦( ) 9.ケ宴安( ) 10.コ鴉巣( )
<語群>
(せきちょ、せいら、しゃくじ、たんり、てんじょう、きゅうせん、れいたく、めいがん、ちんどく、せいほう)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語からう一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.絹や紙のきれはし
12.危険を冒して大きな利益を得ること
13.互いに助け合う友人関係
14.ぐずぐずいう。いろいろ言う。
15.かたくなで道理に暗く、鈍いこと
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.乾海鼠 2.恭草 3.仙蓼 4.尻腰 5.蝸螺 6.黄楊 7.浮塵子 8.針孔 9.褞袍 10.栄螺
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1 淹恤 ― 2 淹まる
イ.3 蕭疎 ― 4 蕭しい
ウ.5 演繹 ― 6 繹す
エ.7 旌表 ― 8 旌める
オ.9 撕破 ― 10 撕く
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.齟齬 2.隠棲 3.劈頭 4.肥沃 5.仰視
<類義語>
6.荒瘠 7.殲滅 8.推敲 9.蒼穹 10.擬議
<語群>
(おうさつ、へきくう、しゅつろ、とうび、こうぶ、ふんごう、ちゅうちょ、ふかん、ふえつ、せきろ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.シュギョクの縁
2.カショの国に遊ぶ
3.ハンドクが愚痴も文殊の智恵
4.クンユウは器を同じくせず
5.考えとソクイは練るほど良い
6.ダツ多ければ、即ち、魚、擾れる
7.ソウリン実ちて囹圄空し
8.羹に懲りてナマスを吹く
9.アコギが浦に引く網
10.ナメクジに塩
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・これから安政三年に至るまでの間には記すべき事が少い。姑く二三の消息を注すれば、先ず天保十四年に河原崎座が、先に移った中村、市村両座と共に猿若町に移って、勝諺蔵が立作者柴晋助となった。芝宇田川町にいたからである。河竹新七の名は暫らく立ってから、三代目桜田治助の勧に依って襲いだ。嘉永元年六月二十七日に、子之助の祖父伊兵衛が七十余歳で歿した。(ア)法諡は繁誉宝寿徳昌善士である。墓は願行寺(1)センエイの中にある。竜池の師、静廬もこの年八十三歳で歿した。寿阿弥曇の歿したのも同年である。寿阿弥と竜池父子とは(2)ソウシキではあっただろうが、その交の(イ)奈何を詳にしない。しかし後に子之助は清浄光寺から寿阿弥号を受けて、間接に真志屋の阿弥号を襲いだのである。三年に竜池の友諸持が都派を脱して宇治紫文と称した。安政元年に竜池父子の贔屓にした八代目団十郎が自刃した。二年は地震の年である。江戸遊所の不景気は未曾有で、(ウ)幇間は(3)ロシに(4)テンプラを売り、町芸妓は葭簀張におでん燗酒を(エ)鬻いだそうである。山城河岸の雨露はこれを(オ)霑し尽すことが出来なかったであろう。・・・」(鴎外・「細木香以」)
(注)センエイ:祖先の墓 ロシ:屋台店のこと。
(B)「・・・独美、字は善卿、通称は瑞仙、錦橋又(5)センオウと号した。その(5)センオウと号したには面白い話がある。独美は或時大きい(カ)蝦蟇を夢に見た。それから『抱朴子)』を読んで、其夢を(6)ショウズイだと思つて、蝦蟇の画をかき、蝦蟇の彫刻をして人に贈つた。これが(5)センオウの号の由来である。
・・・種痘の術が普及して以来、世の人は(7)ホウソウを恐るゝことを忘れてゐる。しかし昔は人の此病を恐るゝこと、 (8)ロウを恐れ、癌を恐れ、癩を恐るゝよりも甚だしく、其流行の盛なるに当つては、社会は一種のパニックに襲はれた。池田氏の治法が徳川政府からも全国の人民からも歓迎せられたのは当然の事である。そこで抽斎も、一般医学を蘭軒に受けた後、特に痘科を京水に学ぶことになつた。丁度近時の医が細菌学や原虫学や生物化学を特修すると同じ事で ある。・・・」(鴎外・渋江抽斎)
(注)ロウ:肺病。肺結核。
(C)「・・・例へば大きな水流を私は心に描く。私はその流れが (キ)何処に源を発し、何処に流れ去るのかを知らない。然しその河は(9)ヨウヨウとして(ク)無辺際 から無辺際へと流れて行く。私は又その河の両岸をなす土壌の何物であるかをも知らない。然しそれはこの河が(ケ)億劫の(10)ネンショをかけて自己の中から築き上げたものではなからうか。私の個性もまたその河の水の一滴だ。その水の押し流れる力は私を(コ)拉して何処かに押し流して行く。或る時には私は 岸辺近く流れて行く。そして岸辺との摩擦によつて私を囲む水も私自身も、中流の水にはおくれがちに流れ下る。更に或る時は、人がよく実際の河流で観察し得 るやうに、中流に近い水の速力の為めに蹴押(けお)されて逆流することさへある。・・・」(有島武雄「惜しみなく愛は奪ふ」)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第5回 標準解答>
(一)
1.たんたん 2.かんこう 3.ぞうさ 4.けつけつ 5.こうかく 6.ひょうらん 7.きんぜん 8.たんし 9.あまん(注) 10.かりょう 11.ひょうよう 12.かんとう 13.けんれい 14.いんとう 15.ようえん 16.はきょう 17.しゅうのう 18.しんぶ 19.けいかい 20.せんこく
21.せぐくま 22.な 23.そし 24.ひしお・しおから 25.そぐ 26.みてぐら・ぬさ 27.くびき 28.すか 29.みな 30.かわらげ
(注)2015.12.20補筆:「あまん」は字通での読み。大字源・漢字源「あくまん・おまん」、大漢和「を(お)まん」となっています。
(二)
1.篦 2.惚 3.毛氈苔 4.癜 5.薫・焚・炷 6.銅鑼 7.肉醬 8.鳥黐・黐 9.嵩 10.檠・榜 11.覬覦 12.棣鄂 13.莠言 14.捷書 15.詔書
(三)
1.叺 2.鳰 3.鞐 4.纐 5.梻
(四)
1.苟合 2.醢醬品 3.掃苔 4.景迹 5.萍桂
(五)
問1
1.ア 麗沢 2.イ 冥頑 3.ウ 天壌 4.エ 探驪 5.オ 星羅 6.カ 尺楮 7.キ 嚼字 8.ク 級甎 9.ケ 鴆毒・酖毒 10.コ 生鳳
問2
11.カ 12.エ 13.ア 14.キ 15.イ
(六)
1.ほしこ(いりこ) 2.ふだんそう 3.われもこう 4.しっこし 5.にな 6.つげ 7.うんか 8.めど、みず 9.どてら 10.さざえ
(七)
1.えんじゅつ 2.とど 3.しょうそ 4.ものさび 5.えんえき 6.ひきだ 7.せいひょう 8.ほ 9.しは 10.さ
(八)
1.吻合 2.出廬 3.掉尾 4.荒蕪 5.俯瞰 6.斥鹵 7.鏖殺 8.斧鉞 9.碧空 10.躊躇
(九)
1.種玉 2.華胥 3.槃特 4.薫蕕 5.続飯 6.獺 7.倉廩 8.鱠・膾 9.阿漕 10.蛞蝓
(十)
(1)先塋 (2)相識 (3)露肆 (4)天麩羅 (5)蟾翁 (6)祥瑞 (7)疱瘡 (8)癆(通用字の「労」でも間違いではないが・・・) (9)漾々 (10)年所
(ア)ほうし (イ)いかん (ウ)ほうかん (エ)ひさ (オ)うるお (カ)がま (キ)いずこ (ク)むへんさい (ケ)おくごう(原文ルビ)*「おっくう・おっこう」で可か。 (コ)らっ
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