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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第9回)です。前回と同程度の難易度と思います。なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いづれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋
<訂正:08270625>①(五)の1.アの解答を訂正 ②(六)の1.の「鼠季」→「鼠李」に訂正。
<訂正:08291800>(七)のケ「縒踪」→「縒綜」に訂正。
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第9回>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.其の馬、蹻蹻たり
2.小人、蹻蹻たり
3.七日火食せず、藜羹、糂せず
4.七日火食せず、藜羹、糝せず
5.雑草を芟汰する
6.紉箴して弊衣を繕う
7.巉嶮を聿越する
8.人を欺紿する
9.民を綏氓す
10.女子は頭髪辮して垂れず、錦纈、纓絡、環釧を著く
11.女子は頭髪辮して垂れず、錦纈、纓絡、環釧を著く
12.橘辺に酒を沽いて半壜空し
13.湿地帯で芹茆を採取する
14.大きな酒がめを罍罌という
15.罕旗はためく
16.鵜の群れが翅楞楞と飛んでいる
17.その行いを翊賛する
18.天命に奉荅す
19.鰧魚は夏が旬で美味といわれる
20.黻冕は、韋でつくったひざかけと冠のことをいう
21.肩を歙めてやりすごす
22.榻の端書き
23.倫、罕なり
24.小人の徳は艸なり
25.鷸の羽かざりのある冠を鷸冠という
26.咸く、劉す
27.腑が煮える
28.箭を買うに牛犢を売る
29.舷を扣く
30.舷を扣く
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.キュウカツを叙する
2.タケヒゴで模型を作る
3.夜間、守衛にスイカされた
4.トドマツの幼樹はクリスマス・ツリーとなる
5.神社のネギにお話を伺う
6.ウシトラの方角は鬼門とされる
7.弱者をヒエキする
8.ブリョウを託つ
9.ツクバいで手を洗う
10.ケンセキ処分を受けてしまった
11.昔のヨシミで無理をお願いする
12.マカり間違うと大変な事態が生じる
13.民のコウケツを搾る
14.カイコウ文字とは横文字のことだ
15.30年ぶりに旧友とカイコウした
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.京都にはクルマ引きが多い
2.デシグラム単位で取引する
3.イスカの嘴は上下食い違っている
4.エソは上等な蒲鉾の材料となる
5.痛みをコラえて走った
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.わずかなもの。わずかなさしつかえ。
2.目的を達成するために執る臨機応変の処置・方便。
3.目的を達成するまでの手段。方便の具。
4.かたじけなく心に感じること、深く感じて忘れないこと
5.悲哀のあまりはなはだしくやせ衰えること
<語群>
(かんどう、かんぱい、ほうく、せんてい、けんどう、きせき、ぼうせき、かいたい)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア( )括羽 2.イ( )反正 3.ウ( )鼓瑟 4.エ( )誰手 5.オ( )玉折
6.カ炊金( ) 7.キ神韻( ) 8.ク酔歩( ) 9.ケ桑田( ) 10.コ筆力 ( )
<語群>
(せんぎょく、ひょうびょう、そうかい、はつらん、ぞくれい、こうう、こうてい、らんさい、ろくし、まんさん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語からう一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.たいへんな御馳走
12.学識を磨き有為な人物になる
13.天下の統一が誰の手になるかわからない状態。勝敗が決まらない状態。
14.詩文などに妙なる趣のあるさま
15.人の好みに合わないことをするたとえ。
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鼠李 2.琴柱 3.木茸 4.雨打 5.杠秤 6.葉盤 7.漏穴 8.瓢虫 9.山茶 10.鳳尾松
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.跳踉 ― イ.2.踉る
ウ.3.彷彿 ― エ.4.彷う
オ.5.髣髴 ― カ.6.髣る
キ.7.淬厲 ― ク.8.淬める
ケ.9.縒綜 ― コ.10.縒れる
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.狭隘 2.恬澹 3.斬新 4.末裔 5.汚穢
<類義語>
6.片田舎 7.韶光 8.音物 9.跋扈 10.大晦日
<語群>
(しょうけつ、かいかつ、ろうじつ、すうえん、しゅんこう、けつじょう、ほうしょ、しつよう、ちんとう、のうそ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.チンヨウの影、再び改まる
2.イッピを仮す
3.鴻毛を以てロタンの上に焼く
4.リンチの道を極める
5.トに安んず
6.キンカ一朝の夢
7.グンシツ、褌中に処(お)る
8.ナンガを読むを悔ゆ
9.チョウラ、喬松につく
10.権はショウスイなり
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・ (ア)頃くありて洋学紳士 (イ)遽かに云けるに、「僕久く先生の高名を聞けり。先生の学東西を (ウ)該ね先生の識古今を (エ)串くと。僕も亦宇内の形勢に於て窃かに看破する有り。願くは先生に就て一たび之を (オ)質すことを得ん。」・・・嗚呼民主の制度なる (カ)哉、民主の制度なる哉。君相 (1)センセンの制は愚昧にして自ら其過(あやまち)を覚らざる者なり。立憲の制は其過を知りて 僅に其半(なかば)を改むる者なり。民主の制は (2)ライライ落々として其胸中半点の (3)ジンオ無き者なり。」(中江兆民・三酔人経綸問答)
(B)「・・・ 此進言が抽斎の意より出で、兼松三郎がこれを承けて案を具し、両用人の賛同を得て呈せられたと云ふことは、 (4)コウハン皆これを知つてゐた。三郎は 石居(せきゝよ)と号した。その (5)リュウセツなるを以ての故に、抽斎は天狗と呼んでゐた。佐藤一斎、古賀侗庵(とうあん)の門人で、学殖 (6)セイハイを超え、嘗て (7)ショウヘイコウの舎長となつたこともある。当時弘前 (8)リショ(*事務官のこと)中の識者として聞えてゐた。・・・」(鴎外・渋江抽斎)
(注1)コウハン:藩中すべて (注2)リュウセツ:注釈の「「リュウセツ」と読むべき」を採用した。
(C)「・・・読んでしまつて、堀は前から懐いてゐた憂慮は別として、此訴状の筆者に対する一種の侮蔑の念を起さずにはゐられなかつた。形式に絡まれた役人生涯に慣れてはゐても、成立してゐる秩序を維持するために、賞讃すべきものにしてある (キ)返忠(注)を、真の忠誠だと看ることは、生れ附いた人間の感情が許さない。
その上自分の心中の私を去ることを (ク)難んずる人程却つて他人の意中の私を (ケ)訐くに敏なるものである。九郎右衛門は一しよに召し捕られたいと云ふ。それは責を引く潔い心ではなくて、与党を怖れ、世間を (9)ハバカる臆病である。又自殺するかも知れぬと云ふ。それは覚束ない。自殺することが出来るなら、なぜ先づ自殺して後に訴状を (コ)貽さうとはしない。又牢に入れてくれるなと云ふ。大阪の牢屋から生きて還るものゝ少いのは公然の秘密だから、病体でなくても、入らずに済めば入るまいとする筈である。横着者だなとは思つたが、役馴れた堀は、公儀のお役に立つ返忠のものを (10)シュウショウの間にも非難しようとはしない。家老に言ひ付けて、少年二人を目通りへ出させた。・・・」(鴎外・大塩平八郎)
(注)返忠:原文のまま。広辞苑では「返り忠」。
👋👋👋 🐑 👋👋👋
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第9回 標準解答>
(一)
1.きょうきょう 2.きゃくきゃく 3.さん 4.さん 5.さんたい 6.じんしん 7.いつえつ 8.ぎたい 9.すいぼう 10.きんけつ 11.かんせん 12.はんたん 13.きんぼう 14.らいおう 15.かんき 16.しりょうりょう 17.よくさん 18.ほうとう 19.とうぎょ 20.ふつべん
21.すぼ 22.しじ 23.たぐい 24.くさ 25.かわせみ 26.ころ 27.はらわた 28.や 29.ふなばた 30.たた
(二)
1.久闊 2.竹籤 3.誰何 4.椴松・椴 5.禰宜 6.艮・丑寅 7.裨益 8.無聊 9.蹲 10.譴責 11.好・誼・媾 12.罷 13.膏血 14.蟹行 15.邂逅
(三)
1.俥 2.瓰 3.鶍 4.鱛 5.怺
(四)
1.芥蔕 2.権道 3.筌蹄 4.感佩 5.毀瘠
(五)
問1
1.鏃礪 2.撥乱 3.好竽 4.鹿死 5.蘭摧 6.饌玉 7.縹渺 8.蹣跚 9.滄海 10.扛鼎
問2
11.カ 12.ア 13.エ 14.キ 15.ウ
(六)
1.くろうめもどき 2.ことじ 3.きくらげ 4.ゆた 5.ちきり・ちぎ・ちぎり・ちぎばかり 6.ひらで 7.くけあな 8.てんとうむし 9.つばき 10.そてつ
(七)
1.ちょうろう(注) 2.おど 3.ほうふつ 4.にかよ 5.ほうふつ 6.に 7.さいれい 8.つと 9.さくそう 10.みだ
(注)2017.9.5追記:「跳踉」の読み:大字源・新漢語林は“ちょうりょう”。踉:“ロウ”は慣用音。“リョウ”は漢・呉音。“チョウリョウ”の方が適切と思う。なお、漢検辞典には本熟語の掲載あるも読みは掲載されていない・・・。
(八)
1.開豁 2.執拗 3.陳套 4.曩祖 5.潔浄 6.陬遠 7.春光 8.苞苴 9.猖獗 10.臘日
(九)
1.椿葉 2.一臂 3.炉炭 4.臨池 5.堵 6.槿花 7.群蝨 8.南華 9.蔦蘿 10.称錘
(十)
(1)専擅 (2)磊磊 (3)塵汚 (4)闔藩 (5)隆準 (6)儕輩 (7)昌平黌 (8)吏胥 (9)憚 (10)周章
(ア)しばら (イ)にわ (ウ)か (エ)つらぬ (オ)ただ (カ)かな (キ)かえりちゅう (ク)かた (ケ)あば (コ)のこ
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第9回)です。前回と同程度の難易度と思います。なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いづれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋
<訂正:08270625>①(五)の1.アの解答を訂正 ②(六)の1.の「鼠季」→「鼠李」に訂正。
<訂正:08291800>(七)のケ「縒踪」→「縒綜」に訂正。
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第9回>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.其の馬、蹻蹻たり
2.小人、蹻蹻たり
3.七日火食せず、藜羹、糂せず
4.七日火食せず、藜羹、糝せず
5.雑草を芟汰する
6.紉箴して弊衣を繕う
7.巉嶮を聿越する
8.人を欺紿する
9.民を綏氓す
10.女子は頭髪辮して垂れず、錦纈、纓絡、環釧を著く
11.女子は頭髪辮して垂れず、錦纈、纓絡、環釧を著く
12.橘辺に酒を沽いて半壜空し
13.湿地帯で芹茆を採取する
14.大きな酒がめを罍罌という
15.罕旗はためく
16.鵜の群れが翅楞楞と飛んでいる
17.その行いを翊賛する
18.天命に奉荅す
19.鰧魚は夏が旬で美味といわれる
20.黻冕は、韋でつくったひざかけと冠のことをいう
21.肩を歙めてやりすごす
22.榻の端書き
23.倫、罕なり
24.小人の徳は艸なり
25.鷸の羽かざりのある冠を鷸冠という
26.咸く、劉す
27.腑が煮える
28.箭を買うに牛犢を売る
29.舷を扣く
30.舷を扣く
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.キュウカツを叙する
2.タケヒゴで模型を作る
3.夜間、守衛にスイカされた
4.トドマツの幼樹はクリスマス・ツリーとなる
5.神社のネギにお話を伺う
6.ウシトラの方角は鬼門とされる
7.弱者をヒエキする
8.ブリョウを託つ
9.ツクバいで手を洗う
10.ケンセキ処分を受けてしまった
11.昔のヨシミで無理をお願いする
12.マカり間違うと大変な事態が生じる
13.民のコウケツを搾る
14.カイコウ文字とは横文字のことだ
15.30年ぶりに旧友とカイコウした
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.京都にはクルマ引きが多い
2.デシグラム単位で取引する
3.イスカの嘴は上下食い違っている
4.エソは上等な蒲鉾の材料となる
5.痛みをコラえて走った
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.わずかなもの。わずかなさしつかえ。
2.目的を達成するために執る臨機応変の処置・方便。
3.目的を達成するまでの手段。方便の具。
4.かたじけなく心に感じること、深く感じて忘れないこと
5.悲哀のあまりはなはだしくやせ衰えること
<語群>
(かんどう、かんぱい、ほうく、せんてい、けんどう、きせき、ぼうせき、かいたい)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア( )括羽 2.イ( )反正 3.ウ( )鼓瑟 4.エ( )誰手 5.オ( )玉折
6.カ炊金( ) 7.キ神韻( ) 8.ク酔歩( ) 9.ケ桑田( ) 10.コ筆力 ( )
<語群>
(せんぎょく、ひょうびょう、そうかい、はつらん、ぞくれい、こうう、こうてい、らんさい、ろくし、まんさん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語からう一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.たいへんな御馳走
12.学識を磨き有為な人物になる
13.天下の統一が誰の手になるかわからない状態。勝敗が決まらない状態。
14.詩文などに妙なる趣のあるさま
15.人の好みに合わないことをするたとえ。
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鼠李 2.琴柱 3.木茸 4.雨打 5.杠秤 6.葉盤 7.漏穴 8.瓢虫 9.山茶 10.鳳尾松
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.跳踉 ― イ.2.踉る
ウ.3.彷彿 ― エ.4.彷う
オ.5.髣髴 ― カ.6.髣る
キ.7.淬厲 ― ク.8.淬める
ケ.9.縒綜 ― コ.10.縒れる
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.狭隘 2.恬澹 3.斬新 4.末裔 5.汚穢
<類義語>
6.片田舎 7.韶光 8.音物 9.跋扈 10.大晦日
<語群>
(しょうけつ、かいかつ、ろうじつ、すうえん、しゅんこう、けつじょう、ほうしょ、しつよう、ちんとう、のうそ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.チンヨウの影、再び改まる
2.イッピを仮す
3.鴻毛を以てロタンの上に焼く
4.リンチの道を極める
5.トに安んず
6.キンカ一朝の夢
7.グンシツ、褌中に処(お)る
8.ナンガを読むを悔ゆ
9.チョウラ、喬松につく
10.権はショウスイなり
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・ (ア)頃くありて洋学紳士 (イ)遽かに云けるに、「僕久く先生の高名を聞けり。先生の学東西を (ウ)該ね先生の識古今を (エ)串くと。僕も亦宇内の形勢に於て窃かに看破する有り。願くは先生に就て一たび之を (オ)質すことを得ん。」・・・嗚呼民主の制度なる (カ)哉、民主の制度なる哉。君相 (1)センセンの制は愚昧にして自ら其過(あやまち)を覚らざる者なり。立憲の制は其過を知りて 僅に其半(なかば)を改むる者なり。民主の制は (2)ライライ落々として其胸中半点の (3)ジンオ無き者なり。」(中江兆民・三酔人経綸問答)
(B)「・・・ 此進言が抽斎の意より出で、兼松三郎がこれを承けて案を具し、両用人の賛同を得て呈せられたと云ふことは、 (4)コウハン皆これを知つてゐた。三郎は 石居(せきゝよ)と号した。その (5)リュウセツなるを以ての故に、抽斎は天狗と呼んでゐた。佐藤一斎、古賀侗庵(とうあん)の門人で、学殖 (6)セイハイを超え、嘗て (7)ショウヘイコウの舎長となつたこともある。当時弘前 (8)リショ(*事務官のこと)中の識者として聞えてゐた。・・・」(鴎外・渋江抽斎)
(注1)コウハン:藩中すべて (注2)リュウセツ:注釈の「「リュウセツ」と読むべき」を採用した。
(C)「・・・読んでしまつて、堀は前から懐いてゐた憂慮は別として、此訴状の筆者に対する一種の侮蔑の念を起さずにはゐられなかつた。形式に絡まれた役人生涯に慣れてはゐても、成立してゐる秩序を維持するために、賞讃すべきものにしてある (キ)返忠(注)を、真の忠誠だと看ることは、生れ附いた人間の感情が許さない。
その上自分の心中の私を去ることを (ク)難んずる人程却つて他人の意中の私を (ケ)訐くに敏なるものである。九郎右衛門は一しよに召し捕られたいと云ふ。それは責を引く潔い心ではなくて、与党を怖れ、世間を (9)ハバカる臆病である。又自殺するかも知れぬと云ふ。それは覚束ない。自殺することが出来るなら、なぜ先づ自殺して後に訴状を (コ)貽さうとはしない。又牢に入れてくれるなと云ふ。大阪の牢屋から生きて還るものゝ少いのは公然の秘密だから、病体でなくても、入らずに済めば入るまいとする筈である。横着者だなとは思つたが、役馴れた堀は、公儀のお役に立つ返忠のものを (10)シュウショウの間にも非難しようとはしない。家老に言ひ付けて、少年二人を目通りへ出させた。・・・」(鴎外・大塩平八郎)
(注)返忠:原文のまま。広辞苑では「返り忠」。
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第9回 標準解答>
(一)
1.きょうきょう 2.きゃくきゃく 3.さん 4.さん 5.さんたい 6.じんしん 7.いつえつ 8.ぎたい 9.すいぼう 10.きんけつ 11.かんせん 12.はんたん 13.きんぼう 14.らいおう 15.かんき 16.しりょうりょう 17.よくさん 18.ほうとう 19.とうぎょ 20.ふつべん
21.すぼ 22.しじ 23.たぐい 24.くさ 25.かわせみ 26.ころ 27.はらわた 28.や 29.ふなばた 30.たた
(二)
1.久闊 2.竹籤 3.誰何 4.椴松・椴 5.禰宜 6.艮・丑寅 7.裨益 8.無聊 9.蹲 10.譴責 11.好・誼・媾 12.罷 13.膏血 14.蟹行 15.邂逅
(三)
1.俥 2.瓰 3.鶍 4.鱛 5.怺
(四)
1.芥蔕 2.権道 3.筌蹄 4.感佩 5.毀瘠
(五)
問1
1.鏃礪 2.撥乱 3.好竽 4.鹿死 5.蘭摧 6.饌玉 7.縹渺 8.蹣跚 9.滄海 10.扛鼎
問2
11.カ 12.ア 13.エ 14.キ 15.ウ
(六)
1.くろうめもどき 2.ことじ 3.きくらげ 4.ゆた 5.ちきり・ちぎ・ちぎり・ちぎばかり 6.ひらで 7.くけあな 8.てんとうむし 9.つばき 10.そてつ
(七)
1.ちょうろう(注) 2.おど 3.ほうふつ 4.にかよ 5.ほうふつ 6.に 7.さいれい 8.つと 9.さくそう 10.みだ
(注)2017.9.5追記:「跳踉」の読み:大字源・新漢語林は“ちょうりょう”。踉:“ロウ”は慣用音。“リョウ”は漢・呉音。“チョウリョウ”の方が適切と思う。なお、漢検辞典には本熟語の掲載あるも読みは掲載されていない・・・。
(八)
1.開豁 2.執拗 3.陳套 4.曩祖 5.潔浄 6.陬遠 7.春光 8.苞苴 9.猖獗 10.臘日
(九)
1.椿葉 2.一臂 3.炉炭 4.臨池 5.堵 6.槿花 7.群蝨 8.南華 9.蔦蘿 10.称錘
(十)
(1)専擅 (2)磊磊 (3)塵汚 (4)闔藩 (5)隆準 (6)儕輩 (7)昌平黌 (8)吏胥 (9)憚 (10)周章
(ア)しばら (イ)にわ (ウ)か (エ)つらぬ (オ)ただ (カ)かな (キ)かえりちゅう (ク)かた (ケ)あば (コ)のこ
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