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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

熟語の読み・一字訓読(その99:準1以下):射(シャ、セキ、ヤ)

2017年07月15日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
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●29-1までに間に合わず、かつ、事故のため中断していたシリーズを再開しています。漢検2の頁とは順不同です。
●準1以下の漢字については、自分の調べたいところ(不明なところ、興味あるところ抔)のみ、調べて記載していますのでお含み置きください。
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・最近の朝の日課・・・「ボクちゃん日記」と「模擬試験倉庫」を見てから、漢検2辞典をベースにした調査&記事作成にとりかかる・・・
・「ボクちゃん日記」:自分の復習のため(含、記事チェック)・・・難しい熟語や読みもあるので、都度調べるか難しすぎるのはパスしている・・・
・「模擬試験倉庫」:分野別問題や模擬試験はかかさずトライ・・・お互いのため、また、他の方への参考のためにも極力コメントも入れるようにしている・・・
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●「射」の“シャ、セキ”音の使い分け、“ヤ”音の熟語にひっかかった・・・また進捗が遅れる(苦笑)・・・

<射:小学…シャ、い(る) 準1…セキ、う(つ)、あ(てる)、さ(す)1級…ヤ>
(漢検2)
射:シャ 外)セキ・ヤ  いる 外)うつ・さす・あてる

*漢検2掲載熟語は「射撃(シャゲキ)射幸心(シャコウシン)射倖心(シャコウシン)射殺(シャサツ)射精(シャセイ)射程(シャテイ)射的(シャテキ)射利
(シャリ)等々、ほとんどが“シャ”音読みだが、一部“セキ”音熟語あり、また、“シャ”音読みだけにしている熟語があるが、他の辞典(主として広辞苑、大字源)では“セキ”音読みとなっているものもある・・・まずは、それを整理してみた・・・なお、“シャ”音と“セキ”音については、明確な音による意味分けはないようだが・・・

射利(シャリ:手段を選ばず、利益を得ようと事を運ぶこと。また、楽をして偶然の利益をねらうこと。)
 *大字源では“セキリ”読みのみ。「射利(セキリ):利益をねらいとる」 *広辞苑では“シャリ”のみ。 
射幸・射倖(シャコウ)心:*大字源では“シャコウ”“セキコウ”の両読み。*広辞苑では“シャコウ”のみ。
射的(シャテキ):(“まと”とか遊戯のことなら大字源も“シャテキ”)*大字源では“的を射る”という意味なら“セキテキ”読み。


・その他、“セキ”音のみ、または“セキ、シャ”音両読みの熟語(大字源ベース)
 射殪(セキエイ):いたおす。射殺する。
 射越(セキエツ):発散して遠くまで及ぶ。
 射侯(シャコウ・セキコウ):①獣類の革でつくった的。②的を射る。③天子の行う大射の礼。
 射鉤(セキコウ):帯がねに射当てる。(斉の桓公と管仲の故事あり)
 射策(セキサク):漢代の官吏登用試験の一。
 射殺(シャサツ・セキサツ)
 射雀(セキジャク):①孔雀を射る。(漢の高祖の故事あり。「射屏(セキヘイ)」) ②すずめを射る。
 射招(セキショウ):的を射る。招は、的。
 射雕(セキチョウ):鷲を射る。射術の優れていること。
 射覆(セキフ):覆ってあるものを言い当てる。あてもの。
 飛射(ヒセキ):非常に速く飛ぶこと

 *漢検2
 射石飲羽(セキセキインウ):・・・「射石」は「シャセキ」とも読む。・・・

*また、“ヤ”音熟語は・・・以下の熟語ぐらい・・・
 (漢検2)
 「射干(シャガ):アヤメ科の多年草。林下に自生。葉は剣形。晩春、淡紫色で黄色い斑点(ハンテン)のある花をつける。 季)夏
  「著莪・胡蝶花」とも書く。 同じアヤメ科のヒオウギの漢名「射干(シャカン)」が転じたもの。」とあり、
 「射干(シャカン)」となっているが、
 「射干」は、広辞苑では“ヤカン”、大字源では“ヤカン、エキカン”(“エキ”読みの説明は略)。・・・これは漢検2側の誤植かも???

 *なお、熟字・当て字では「〈射干(ひおうぎ)>:アヤメ科の多年草。「射干」は漢名から。 檜扇(ひおうぎ)」とある・・・。

 (漢検2)
藐姑射の山(バクコヤのやま)」
 ①中国で、不老不死の仙人が住むという想像上の山の名。姑射山(コヤサン) 。 ②上皇または法皇の御所を祝っていう語。仙洞(セントウ)。
 「藐姑射」は「ハコヤ」とも読む。
 *広辞苑、大字源も“ヤ”音読みで同じ。なお、 「射山」だと“シャザン”読み(大字源・広辞苑とも)。わけわからん・・・。

「僕射(ボクヤ)」①中国の尚書省の次官で、左右各一人。唐・宋(ソウ)代には宰相の任に当たった官名。 ②日本では、左右大臣の唐名。

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熟語の読み・一字訓読(その98:準1以下):「まさ(に)」の音熟語 ほか

2017年07月14日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
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●29-1までに間に合わず、かつ、事故のため中断していたシリーズを再開しています。漢検2の頁とは順不同です。
●準1以下の漢字については、自分の調べたいところ(不明なところ、興味あるところ抔)のみ、調べて記載していますのでお含み置きください。
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●昨日のMRI終了後、検査技師との会話
 私 :ああ、吃驚したあ・・・MRI故障したと思って緊急釦を何度も押そうと考えましたよ。あ~、怖かったあ~!!
 技師:そんなにうるさかったですか・・・一度、経験済みでしたよね?
 私 :前回は意識朦朧としてる中で撮ったので、こんな音というか様々な雑音が、おどろおどろしいとは知らんかったよお・・・
 技師:ははは、この音がなんとかできたらノーベル賞もんなんですよ・・・
 私 :ヘエーッ、みんな、よく我慢できてますねえ・・・
 技師:気の弱い人とか問題ありそうな人には睡眠導入剤を飲んでもらってんですよ・・・
 私 :!!
●一昨日のレオンの主治医との会話
 私 :先生、外科的手術をしたわけではないけど、私の脳内の出血した血ってどうなってんですかね?
 先生:大丈夫、そのうち、自然となくなるわよ・・・
 私 :どっかに流れていっちゃうんですか?
 先生:(コイツ、アホかという顔で)白血球が食べにきて、綺麗にしてくれるのよ・・・
(注)最近、レオンの記事つくってないけど、レオンは少しバテ気味ではあるが、変わりなく元気でおります👍 
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●また、ひっかかった・・・こんなことやってたら、何時まで経っても調査終了しないぞ・・・
●「まさ(に)」の音熟語にどんなものがあるのかを調べた・・・「鼎」を調べていたら「鼎盛」という熟語があったので、ついでにすべて調べてみた・・・
●「まさ(に)」の漢字と対応する熟語の有無・・・
応に: あり
且に: ナシ(見当たらず)
将に: あり  
鼎に: あり
当に: あり
方に: あり

<応>
応当(オウトウ):(大字源)①あてはまる。かなう。②(俗)まさに・・・すべし。当然、・・・しなければならない。
<将>
将来(ショウライ):(漢検2)「意味②まさに…せんとす。…しようとする。再読文字。「将来」」
          (大字源)「将来(ショウライ):①やがて来ようとする時。こののち。今後。未来。前途。②持ってくる。もたらす。」
<鼎>
鼎盛(テイセイ):(大字源)「鼎(まさ)に盛んなり。」ちょうど盛り。最盛期。

<当>
当今(トウコン):①今の時。現時。現今。方今。②当代の皇帝をいう。現在の帝。今上。
(注)当然、当日、当年、当歳、当世・・・などの熟語も、“まさに(今の)・・・”ということを意味するときは、“まさに”の熟語に対応しているといえるかもしれない。
<方>
方今(ホウコン):(漢検2)「意味⑦まさに。ちょうど。「方今」」(大字源)ただいま。当今。今日。
方中(ホウチュウ):(大字源)①いままさに中央にある。②天子の墓。天子の墓は四角く盛ってあるともいい、墓の穴が四角いともいう。
方生方死(ホウセイホウシ):生物がまさに生まれ生きていることが、死の世界からみれば、またまさに死につつあることになる。地上のすべての営みは相対的なものであるということ。「方(まさ)に生き、方(まさ)に死す
方中方睨(ホウチュウホウゲイ):①太陽が空の中央に昇りつつあるとともに、西または東に傾きつつあるように見えること。中は沖天(天に高くあがる)、睨は西に傾く意。人の認識は相対的なもので、同一の物事について相反する判断ができること。「方(まさ)に中(チュウ)し、方(まさ)に睨(かたむ)く
 *「日、方中方睨、物、方生方死」(荘子・天下)
 (参考)「睨:ゲイ、にら(む)、うかが(う)、かたむ(く)」 (注)漢検2には“うかが(う)”訓掲載はナシ。“かたむ(く)”訓はアリ。


●その他(「まさ(に)」を調べていた時に見つけた熟語等)

将相之具(ショウショウのグ)」:将相器(ショウショウキ:将軍や大臣となる才能。また、その才能のある人物。)
「ショウショウ(将相)の具を抱く」

「方外の友」:世俗を超越した交わりを結ぶ友。 *これはどこかに掲載してあったかも・・・

定鼎(テイテイ)」:都を定める。奠鼎。「鼎(テイ)を定む」  *類義語や語選択問題になりそうな熟語だな・・・

「一言九鼎(イチゲンキュウテイ・イチゴンキュウテイ)」:国の動向に関わる重要な言葉。 *九鼎は国の宝器であり、 一言で重大な物事の左右を決定する、 貴重な言葉の喩え (史記) 類)「九鼎大呂(キュウテイタイリョ):貴重なもの、重要な地位や名声などのたとえ。」

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熟語の読み・一字訓読(その97:準1以下):昏 大 小   

2017年07月14日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
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●29-1までに間に合わず、かつ、事故のため中断していたシリーズを再開しています。漢検2の頁とは順不同です。
●準1以下の漢字については、自分の調べたいところ(不明なところ、興味あるところ抔)のみ、調べて記載していますのでお含み置きください。
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・「金」の記事と同様、何か意味や疑問があってまとめたものではありません。辞典を見てたら、「昏」や「大」で気になった熟語(漢検2未掲載のもの)が幾つかあったので、それをまとめたものです。一部、過去記事や漢検2ともダブっているものがあるかもしれません・・・。

<昏> コン、くら(い)、くら(む)、く(れ)
(漢検2)
意味 :①ひぐれ。たそがれどき。「黄昏」 ②くらい。道理にくらい。「昏迷」「昏昏」 ③くらむ。目がくらむ。「昏絶」「昏倒」
下つき:黄昏(コウコン)・(たそがれ)・夭昏(ヨウコン)
大見出し:昏い(くら-い)昏れ(くれ)昏愚(コング)昏昏(コンコン)昏睡(コンスイ)昏絶(コンゼツ)昏倒(コントウ)昏迷(コンメイ)昏冥(コンメイ)昏惑(コンワク)

昏暗(コンアン):①くらい。昏晦(コンカイ)。②愚かなこと。昏昧(コンマイ)。
昏晦(コンカイ):くらい。昏冥(コンメイ)。昏暗。
昏暁(コンギョウ):ゆうがたと、あけがた。②愚かなことと、さといこと。
昏衢(コンク):真っ暗な道。暗黒のちまた。
昏眩(コンゲン):目がくらむ。
昏黄(コンコウ)=黄昏
昏昏昧昧(コンコンマイマイ):道理に暗くて、よく分からないさま。昏昧。

昏札(コンサツ):若死にと、疫病で死ぬこと。一説に、昏は、気が狂うこと。 
 (参考)既掲載記事 「札瘥夭昏(さっさようこん)」(「夭昏札瘥(ヨウコンサッサ)」とも・・・)

昏曙(コンショ):ゆうがたと、あけがた。朝夕
昏旦(コンタン):ひぐれと、よあけ。
昏昼(コンチュウ):よると、ひる。
昏暮(コンボ):ゆうぐれ。たそがれ。昏黄。
昏眸(コンボウ):見えにくい目。昏瞳(コンドウ)。
昏乱(コンラン):①状態や心が乱れる。「淫荒昏乱」②道が行われず、世が乱れる。「国家昏乱、忠臣あり」(老子)
 (参考)「昏乱」と「混乱」・・・広辞苑・・・
  昏乱:心がくらみ、分別がなくなること
  混乱:いりみだれること。乱れて秩序のないこと。「頭が・・・する」「・・・に陥る」
重昏(チョウコン):きわめて暗い。暗愚。
僮昏(ドウコン):おろか。おろかもの。
斂昏(レンコン):たそがれ。黄昏。 「山色空濛にして已に斂昏」(蘇軾・詩)  *既掲載記事あり。


大圜・大円(タイエン):天をいう。「大員」も同)で“タイエン”と読めば天のことだが、「員」に現行“エン”読みが無いので略。
大哥(タイカ):①長兄。あに。②仲間のかしら。あにきぶん。
大寰(タイカン):天下。あめのした。
大歉(タイケン):大飢饉。
大亨:①タイコウ:大いに通る。(易) ②タイホウ:盛んなごちそう。同)大烹
大樹の将に顚れんとするはイチジョウ(一縄)の維ぐ所に非ず
大稔(タイジン)=豊作。
大廡(タイブ)=大廈
大柄(タイヘイ):大きな権力。 *“おおがら”と読めば別の意。
大辟(タイヘキ):①五刑の一。死刑。辟は、罪。大戮(タイリク)。②死。辟は、法。死という大原則。
大戮(タイリク):①大きな刑罰。死刑。大辟。②大きな恥辱。
大厲(タイレイ):①大悪。厲は、悪。②幽霊。厲は、悪鬼。


小懲(ショウチョウ)して大誡(ダイカイ)す:少し懲らしめて大きい戒めの効果を得る
小偸(ショウトウ):こそどろ。小盗人。小盗。
小頓(ショウトン):小休み。なかやすみ。小憩。
小陌(ショウハク):こみち。
小辟(ショウヘキ):死刑以外の刑罰。 大)大辟。
小羅(ショウラ):小さな鳥網。小さな制約のたとえ。

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熟語の読み・一字訓読(その96:準1以下):杜

2017年07月13日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
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<杜:ト、ズ、もり、やまなし、と(じる)、ふさ(ぐ)>
(漢検2)
杜:ト・ズ やまなし・ふさぐ・とじる・もり
意味 :①やまなし。バラ科の落葉小高木。 ②ふさぐ。とじる。「杜絶」 ③もり。神社の森。
大見出し:〈杜若〉(かきつばた)〈杜夫魚〉(かくぶつ)〈杜父魚〉(かじか)〈杜衡〉(かんあおい)杜撰(ズサン)杜漏(ズロウ)杜氏(トウジ)杜鵑花(トケンカ)杜絶(トゼツ)杜仲(トチュウ)<杜翁〉(トルストイ)〈杜松〉(ねず)杜ぐ(ふさ-ぐ)〈杜鵑〉・〈杜宇〉(ほととぎす)〈杜鵑草〉(ほととぎす)
杜(もり)

(大字源) (「杜撰」「杜漏」「杜絶」は、漢検2とほぼ同じ、略。)
・もり:(和語)
・やまなし:熟語ナシ。
・と(じる)、ふさ(ぐ):
 杜隔(トカク):ふさぎへだてる。さえぎりとめる。
 杜諫(トカン):いさめて思いとどまらせる。諫止。
 杜権(トケン):閉ざした生気が再び動き始めようとすること。
 杜口(トコウ):口をふさいで言わない。緘口。

(参考:四字熟語辞典から)杜口結舌(とこうけつぜつ):権勢のある者に対して、あえてものを言わないたとえ。*記事掲載済み。

 杜津(トシン):渡し場をふさぐ。
 杜漸防萌(トゼンボウホウ):物事のしだいに生じてくるのを防ぐ。 「漸(ゼン)を杜(と)じ萌(ホウ)を防ぐ」
 杜塞(トソク):ふさぐ。ふさぎとじる。ふさがる。
 杜黜(トチュツ):ふさぎしりぞける。さまたげしりぞける。
 杜門(トモン):門をふさぐ。門を閉じる。転じて、客を避けること。 
 杜門却掃(トモンキャクソウ):門を閉じ交際を断ち、清らかな生活をする。却掃は、掃除の意。

・その他
 <お酒関連>
 杜康(トコウ):中国の太古に初めて酒を造ったという伝説の人。転じて、酒の異称。
 杜氏(トシ・トウジ):(国)酒を造る人。 *漢検2では“トジ・トウジ”
 杜酒(トシュ):自家製の粗末な酒。
 白杜(ハクト):(大辞林)(中国古代に酒を造った杜康にちなむ)白酒の異名。
 
 <杜甫、杜牧関連>
 小杜(ショウト):晩唐の詩人・杜牧のこと
 大杜(ダイト) :盛唐の詩人・杜甫のこと
 李杜(リト)  :李白と杜甫
 老杜(ロウト) :杜甫のこと。
 
 <“ずさん”関連>
 杜園(トエン):詩文・著作に誤りが多くて信じがたいこと。杜撰(ズサン)はこの語の転訛ともいう。

 <呉音“ズ”関連>
 杜多(ズタ):(仏)梵語。僧をいう。沙門。桑門。頭陀(ズダ)。

 <その他>
 要杜:(現時点、不詳)

👍👍👍 🐔 👍👍👍 熟字・当て字の<杜仲>はなんて読むでしょうか・・・当ブログ模試で出題済みですが^^・・・難問かも・・・画面右上の「検索」欄に「杜仲」と入れて、その横の「ウエブ」を「このブログ内で」にして検索すれば調べられます・・・勿論、漢検2の「杜仲」の説明のところにも書いてあります・・・👍👍👍
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お知らせ:「籤」関連記事の加筆

2017年07月13日 | 熟語の読み(音・訓) -その他-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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・今日は退院後初のMRI検査・・・といっても今日はMRIを撮るだけ・・・第1回の経過“検査”は来週の休み明け・・・さて、脳内状況はどうなってるやら・・・
・退院直前に見せてもらったMRIでは脳内に3、4箇所、小さな白い点があって、それが出血の跡だと説明されていたけど、どうなってんのかな・・・しかし、MRIなんて、この歳で初めて撮った・・・意外に脳みそ、大きくて、ビッチリ頭の中に詰まってる感じだったな、まだボケ等の老人性の病気には大丈夫そうな感じだが・・・
・退院後もこんな記事内容を連日のように作ってんだから、脳のはたらきはそれなりにOKのような気がするが、まだ目が・・・といってもだいぶ良くなっている。両目で長い時間、物を見ていることができるようになってきている・・・まだ、どうしても辞書などをみるときは字が小さいので片目で見てしまうが・・・事故前は、辞書の小さな字も靉靆ナシでも両目で見えていたのだが・・・
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●既掲載記事「熟語の読み・一字訓読(その204)」を下記のとおり、加筆しております。

 「●熟語の読み・一字訓読(その204)です。
 <籤:セン、くじ、うらな(う)、くし、ひご>
 ・くじ:当籤、抽籤、籤子=①くじ ②しるし・札、神籤(みくじ)
 ・うらな(う):神籤(シンセン)、籤語=予言・籤(くじ)の文句、籤詩
 ・くし:竹籤(チクセン) *竹をけずり物を貫くに用いるもの
 ・ひご:(大・字になし。邦語か・・・)竹籤(たけひご)
 *牙籤(ガセン、ゲセン):象牙製の小さい札。書名を記して書物の帙の外に下げて目印とするもの。

 <2017.7.13追加・加筆>
 (漢検2)
 籤:セン くじ・ひご・くし
 意味:①くじ。おみくじ。ふだ。占いのふだ。「抽籤」「当籤」
    ②うらなう。ためす。
    ③かずとり。ものを数えるときの竹の棒。
    ④くし(串)。物をさし通す竹ぐし。
 下つき:牙籤(ガセン)・抽籤(チュウセン)・当籤(トウセン)
 大見出し:籤(くじ) 籤(ひご)〈御神籤〉・御御籤(おみくじ)空籤・空鬮(からくじ)竹籤(たけひご)抽選・抽籤(チュウセン)富籤(とみくじ)

 (大字源)
 籤題(センダイ):書物の表題。題簽
 牙籤(ガセン):①蔵書の一つ一つを捜し出しやすいように付けた象牙製の札。②(俗)歯ブラシ。つまようじ。
 書籤(ショセン):書物の題名を記して張り付ける紙片や布片。題簽
 漏籤・・・熟語掲載あるも意味掲載ナシ・・・

 *大字源では、「籤」の意味は、
  ①くじ。おみくじ。神意を問うて吉凶を占うのに用いる札。「籤詩」
  ②うらない問う。
  ③しるし。表題。「書籤
  ④ふだ。また、書札によって上申する。「・・・投ㇾ籤・・・」
  ⑤するどい。同)尖。類)鋭
  ⑥つきさす。また、物を刺し通す、先のとがった細長い棒。

 *「牙籤」「牙箋」について
・広辞苑では、
牙箋(ガセン):「象牙で作った箋(セン)③」とあって、「箋③」のところに、「巻子本の軸や帙簀(ちす)の紐に結びつけ、または冊子に挿入し、検出の用に供する札。竹・木・象牙などで作り、書名や年号などを記し、その上部に孔をあけ、紐を通したもの。籤(セン)。」とあり、この意味では「牙箋」=「牙籤」となるようだ・・・。
また、「牙籤(ゲセン)」が別に掲載されており、そちらでは、
「牙籤(ゲセン)」:(ガセンとも)象牙製の小札。書名を記し、書物の帙(ちつ)の外に下げて目印とするもの。
とあるので、やはり「牙箋」=「牙籤」で良いようだ・・・。

 *その他
  漢検2掲載熟語「蠹簡(トカン): 虫が食った書物。」を調べていたら、
 「蠹簡を“籤整“”するを要す」(黄庭堅)という文章に出遭った・・・意味は不詳だが、おそらく、この「籤」は牙“籤”とか書“籤”とかと同様の意味の“籤”だろう・・・。

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熟語の読み・一字訓読(その95:準1以下):金 

2017年07月12日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
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●29-1までに間に合わず、かつ、事故のため中断していたシリーズを再開しています。漢検2の頁とは順不同です。
●準1以下の漢字については、自分の調べたいところ(不明なところ、興味あるところ抔)のみ、調べて記載していますのでお含み置きください。
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(その94)のつづき・・・特に「金」に何か意味や疑問があってまとめたものではありません。(その94)のついでに、「金」のつく熟語(漢検2未掲載のもの)をまとめたものです。一部、過去記事や漢検2ともダブっているものがあるかもしれません・・・。

金鴉(キンア):①太陽の異称。金烏(キンウ)。赤鴉(セキア)。②草の名。とりかぶと。
金痍(キンイ):かたなきず。金創。
金階(キンカイ):①黄金で飾った階段。王宮の階段。②転じて、天子
金函(キンカン):金匱(キンキ)に同じ。 *金匱=重要な書類を入れる金属製の箱。
金漢(キンカン):あまのがわ。銀漢
金暉(キンキ):①秋の日の光。②黄金の光。
金鏡(キンキョウ):①黄金で飾った鏡。 ②月の異称。 ③りっぱな道徳のたとえ。
金偈(キンゲ):金文字で仏や教理をたたえて書いた詩やことば。 *こんなところに「偈(ゲ)」の熟語があった・・・。
金鉉(キンゲン):鼎のみみづる。転じて、三公のたとえ。
金壺(キンコ):①水時計の美称。銅壺。②金属製の酒つぼ。③月をいう。天の川を銀漢というのに対する
金燧(キンスイ):太陽の光線から火をつくる道具。
金蟾(キンセン)=玉蟾(ギョクセン):月の異称
金天(キンテン):秋の空。秋天。または西の空。五行で、金は秋・西に当たる。
金兎(キント):①金製のうさぎ。②月の異称。玉兎。
金縢(キントウ):金の帯封をした箱。大事なものを入れた厳重な箱。
金葩(キンパ):黄金色の花。おもに、菊の花をさす。
金魄(キンパク):①月をいう。②純金
金飇(キンピョウ):秋の風。
金風(キンプウ):秋風。また、西風。
金籥(キンヤク):①黄金造りの美しい笛。②舌の異称。
金鑰(キンヤク):黄金製の錠前。また、それを掛け外しする音。
金罍(キンライ):黄金の酒つぼ。

金を捐(す)て珠(たま)を沈む:捐金沈珠(エンキンチンシュ):黄金を捨て、宝玉を沈める。富貴を貴ばない意。

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熟語の読み・一字訓読(その94:準1以下):訂 悌 昆 友

2017年07月12日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
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●29-1までに間に合わず、かつ、事故のため中断していたシリーズを再開しています。漢検2の頁とは順不同です。
●準1以下の漢字については、自分の調べたいところ(不明なところ、興味あるところ抔)のみ、調べて記載していますのでお含み置きください。
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<訂:中学…テイ 準1…ただ(す)、さだ(める)>
(漢検2)
訂:意味:①ただす。文字や文章の誤りをなおす。「訂正」「校訂」 ②はかる。相談する。さだめる。「訂盟」

訂盟:(大字源)同盟や条約などを結ぶ。締盟。

*だから、「訂盟(テイメイ) - 訂(さだ)める 」となるか・・・

<悌:テイ、ダイ、やわ(らぐ)> 【悌順】ていじゅん、【孝悌】こうてい
(漢検2)
悌:テイ・ダイ *“やわ(らぐ)”訓の掲載ナシ。
意味 :①したがう。年長者に従順なこと。「孝悌」 ②兄弟の仲がよいこと。「悌友」 ③やわらぐ。やすらか。「豈悌(ガイテイ)」
下つき:豈悌(ガイテイ)・孝悌(コウテイ)
大見出し:孝悌・孝弟(コウテイ):父母に孝行をし、長兄に仕えてよくしたがうこと。「悌」は、目上の人によくしたがう意。

*大字源にも意味①で「年少者が年長者によく従い仕えること。「孝悌」 同)弟」とあった。ついでに、「悌」の熟語を見てみた。
悌弟(テイテイ):兄によく仕える弟。「恵君忠臣、慈父孝子、友兄悌弟」(墨子・兼愛)
悌悌(テイテイ):年少者が年長者によく仕える。 同)弟弟
悌友(テイユウ):兄弟の仲がよい。長幼の間がむつまじい。 同)弟友
豈悌(ガイテイ):たのしみやわらぐ (注)大字源では「豈弟」で掲載あるが、説明に「弟は悌で、やわらぐ意」とあったので「豈悌」としている。
仁悌(ジンテイ):(大字源に熟語掲載あるも意味説明ナシ。「仁弟(ジンテイ)」で“年少者に対する敬称。対)仁兄”とある。)
長悌・長弟(チョウテイ):①年長者には親しみ、年少者には慎む。②転じて、慈しみ深いこと。仁愛。③あとさき。先後。④一番年上の弟。
友悌・友弟(ユウテイ):兄弟仲の良いこと。 *「友弟」だと、他に“門下生に対する自称。友生(=友人)。”という意味もある。
*他に、「謹悌」「和悌」など・・・

<昆:中学…コン 準1…あに> 語句【昆布】こんぶ、【後昆】こうこん
(漢検2)
昆:コン 外)あに
意味 :①むし。「昆虫」 ②あに(兄)。「昆弟」 ③のち。よつぎ。「昆孫」「後昆」
下つき:後昆(コウコン)
大見出し:
玉昆金友(ギョッコンキンユウ) 昆(あに) 昆虫(コンチュウ) 昆弟(コンテイ) 昆布(コンブ)
玉昆金友(ギョッコンキンユウ):才能や学問などにすぐれた兄弟。他人の兄弟を褒めていう語。「昆」は兄、「友」は弟。
                「玉」は宝玉、「金」は黄金の意で、すぐれているたとえ。〈『南史』〉「金友玉昆」ともいう。
昆弟(コンテイ):あにと、おとうと。兄弟。

(大字源)
昆孫(コンソン):来孫の子。玄孫の孫。自分から六代目の孫。また、広く、遠い子孫を指す。
         (参考)仍孫(ジョウソン):自分から数えて七代目の孫。
後昆(コウコン):子孫。後世。昆も、後の意。昆後。

昆裔(コンエイ):子孫。昆は後、裔は末の意。後裔。
昆季(コンキ) :昆は兄、季は末弟で、兄弟の意。
昆玉(コンギョク):他人の兄弟の敬称。同)崑玉(コンギョク)
昆後(コンゴ):あとつぎ。子孫。後昆。
昆仲(コンチュウ):長兄と仲兄のことで、兄弟の意。



(余談1)
 「玉昆金友」:“「昆」は兄、「友」は弟。”なんてあるから、じゃ、「昆友(=兄弟?)」という熟語があるかと思ったら、無かった^^;
  ・・・大字源にも「玉昆金友」は掲載あり、しかもそこでは漢検2と同様、「“「昆」は兄、「友」は弟。」だって・・・。
(余談2)
 「昆虫」「昆布(コンブ・コブ)」の“昆”
  (大字源に「昆」について、興味深い「解字」の説明があったので記載・・・) 
  昆:象形。多くの節足を持つ虫の一部分の形にかたどる。「コン」の音は、つらなる意。・・・むかでのように多くの節足が連なった虫の意。・・・
  だって・・・。昆虫にも昆布のところにも、その種の説明はないが、この象形の意からすると、昆虫や昆布に、この「昆」の漢字を当て嵌めた意味がよくわかるような気がする・・・古の人ってのは想像力というか発想力が素晴らしい^^
(余談3)
 「友」・・・しつこく、「友」に“弟”という意味があるかどうか調べた。
 漢検2では「友:意味①とも。ともだち(友達)。「友人」「学友」 ②ともとする。仲がよい。親しい。「友愛」「友好」」のみ。
 大字源でも、“おとうと”という意味は無かったが、「友」の意味として、“兄弟が仲よくする。「友于(ユウウ)」”とはあった・・・兄弟関係の熟語として、
 友愛(ユウアイ):①兄弟の愛情。兄弟の仲が良いこと。②友だちどうしの愛情。
 友于(ユウウ):①兄弟仲の良いこと。「友于兄弟」(論語) ②兄弟。 ➪歇後(ケツゴ) *既掲載記事あるため略。
 友悌・友弟(ユウテイ):(「悌」のところに掲載済み)
 友睦・友穆(ユウボク):仲がよい。特に、兄弟の仲がよい。「兄弟友睦」
 
  *ここでは関係ないが、友に“したがう。類)順”というような意味もあり、
   「友民(ユウミン)」:従順な民・・・なんて、熟語もあった。
(余談4)・・・しつこく、「金」も調べた・・・まったく関係ないが、興味深い熟語がいくつか見つかった・・・と、書いていたら、長くなったので、「金」の熟語は別記事にてまとめることとした<(_ _)>
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熟語の読み・一字訓読(その335):糴 糶

2017年07月11日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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・1級漢字用の「熟語の読み・一字訓読」シリーズです。
・(その223)からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その335)です。 このシリーズは1級配当漢字を対象としたシリーズ記事です。すでに、(その320)で一応完了したつもりでしたが、一部、漏れていたり不備などもあったりするので、その後の調査の成果(調査対象辞典の拡大、漢検2とも比較など・・・)も踏まえて、適宜、不定期に案内していくものです。
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<糴:テキ、か(う)、かいよね、いりよね>
<糶:チョウ、う(る)、うりよね、だしよね、せり>
(漢検2)
糴:テキ、か(う)、かいよね、いりよね
意味 :①かう。穀物を買い入れること。「糴糶(テキチョウ)」 ②かいよね。買い入れた米。いりよね。対)①②糶(チョウ)
大見出し:〈糴取(せどり)〉:同業者間の売買の仲介をして手数料を取ること。また、その人。「競取・糶取」とも書く。

糶:チョウ、うりよね、う(る)、せり *「だしよね」の訓掲載ナシ。
意味:①うりよね。売りに出す米。だしよね。また、穀物を売り出すこと。対)糴(テキ) ②せり。せりうり。競売。
下つき:糴糶(テキチョウ)
大見出し:〈糶取(せどり)〉:同業者間の売買の仲介をして手数料を取ること。また、その人。「競取・糴取」とも書く。
      糶(せり):①多くの買い手に値段をつけさせ、最高値の人に品物を売る方法。せり売り。競売。「・・・に掛ける」
            ②競争すること。せり合いをすること。「競り」とも書く。
      糶市(せりいち):せり売りの市。売り主が複数の買い手に価格のせり合いをさせる市。「競り市」とも書く
      糶売(チョウバイ):①米を売ること。売り米(よね)。 ②せり売りすること。競売。

=主として大字源から=
<糴>
糴価(テキカ):買い入れる米の値段。
糴穀(テキコク):穀物を買い入れること。
糴糶(テキチョウ)穀物を買うことと、売ること。
糴買(テキバイ):穀物を買うこと。
貴糴(キテキ):相場より高く米を買い入れる。
市糴(シテキ):穀物を買い上げる 
平糴法(ヘイテキホウ):豊作のときに政府が穀物を買い入れ、凶作のときにその穀物を安く売り出す制度。売り出すのを平糶(ヘイチョウ)という。
和糴(ワテキ) :人民各戸と合意の上で政府が民間から穀物を買い上げる。実際は名目だけの場合が多い。糴は、米を買い上げる意。対)和糶
帰糴(キテキ) :米をおくる 
遏糴(アツテキ):隣国が買い入れる穀物をとどめる=米穀の輸出を止める

*ほかに、「増糴」「販糴」・・・

<糶>
糶糴(チョウテキ):①穀物の売り買い。糴糶。 ②売り出す米と買い入れる米。
糶米(チョウベイ):米を売ること。
販糶(ハンチョウ):米を売り出す。
平糶(ヘイチョウ):(平糴法のところを参照)
和糶(ワチョウ):売り手と買い手とが合意で価を協定し、その価で政府が穀物を売る。糶は米を売る意。対)和糴
市糶(シチョウ):市場に売り出す米

*ほかに、「貴糶」「倹糶」・・・

<四字熟語関連>
糶糴斂散(チョウテキレンサン):「糴斂(テキレン)」と「糶散(チョウサン)」
糴斂=斂糴
斂糴(レンテキ):米価が安いときに買い上げる(あつめる)こと。

<故事成語関連>
百里、樵(ショウ)を販(ひさ)がず 千里、テキ( 糴 )を販がず :物事を行うには場所・時を考えることが大切

<その他>
松陰全集第3巻
「・・・五覇の五命(注:春秋五覇の5カ条の盟約)に言えることあり・・・又五命の内「糴(かいよね)を遏(とど)むるなかれ」というも・・・」

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熟語の読み・一字訓読(その93:準1以下):儲 賃 亭

2017年07月11日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
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●29-1までに間に合わず、かつ、事故のため中断していたシリーズを再開しています。漢検2の頁とは順不同です。
●準1以下の漢字については、自分の調べたいところ(不明なところ、興味あるところ抔)のみ、調べて記載していますのでお含み置きください。
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<儲:チョ、もう(ける)、そえ、たくわ(える)> 語句【儲君】ちょくん、【国儲】こくちょ
(漢検2)
意味 :①もうけ。もうける。 ②たくわえる。たくわえ。「儲蓄」類貯 ③そえ。控え。 ④あとつぎ。皇太子。「儲宮」
下つき:皇儲(コウチョ)・帝儲(テイチョ)
大見出し:儲位(チョイ) 儲君(チョクン) 儲嗣(チョシ) 儲蓄(チョチク) 儲ける(もう-ける) ・・・

*「そえ」に対応する熟語が無かったので調べた。
(大字源)
 儲書(チョショ):控えの書籍。予備の蔵書。
 儲両(チョリョウ):控えとなる者。第二の者。皇太子をいう。

<賃:小学…チン 準1…ジン、やと(う)>
(漢検2)
意味 :①報酬や代償として支払う金銭。「賃金」「運賃」 ②やとう。やとわれる。
熟語等:略

*「やと(う)」に対応する熟語が無かったので調べた。
(大字源) チン(慣用音) ジン(漢音)・・・“ジン”音熟語ナシ
賃作(チンサク):雇われて働く。賃傭(チンヨウ)。
賃書(チンショ):雇われて文字を写す。筆耕
賃舂(チンショウ):人に雇われて臼をつく。
賃傭(チンヨウ):雇われて働く。

<亭:中学…テイ 準1…チン、あずまや>
(漢検2)
亭 :テイ 外)チン 外)あずまや

亭(チン):庭園での休憩や展望用に設けた小さい建物。亭子(テイシ)。あずまや。「チン」は唐音。

*他に、“チン”音読みの熟語・・・大字源には掲載ナシ。
*“あずまや”を意味する亭(チン)関連の熟語・・・漢検2掲載熟語・・・

 亭子(テイシ):「亭(チン)」に同じ。
 涼亭(リョウテイ):庭園などに造った、涼しさを得るためのあずまや。

 それぞれ、亭子“チンス”とか涼亭“リョウチン”とかとも読むのかと思って調べたが、“チン”読みは載っていなかった。

*その他
 亭午(テイゴ)=正午  亭は“いたる、あたる”意。 *大字源、広辞苑ともに掲載あり。

 亭育(テイイク):造物主が万物を生成すること。亭毒。同)停育     *亭に、“そだてやしなう”意あり。
 亭毒(テイドク・テイトク):造物主が万物を育て養うこと。毒は、化育する意。亭育。 *同上

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常用漢字の表外音(熟語) :直(チ) 値(チョク)

2017年07月10日 | 常用漢字の表外音の熟語
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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●直:小学…チョク、ジキ、なお(す)、なお(る)、ただ(ちに) 準1…チ、すぐ、ひた、あたい、じか
(漢検2)
直:チョク・ジキ  外) チ ただちに・なおす・なおる 外じか・すぐ・あたい・ひた
意味:①・・・(⑥あたる。番にあたる。「宿直」「当直」) ⑦あたい。ねだん。「安直」 類)値 ⑧ひたすら。ただ。
掲載熟語等・・・略。表外音の“チ”音の熟語は掲載ナシ

(大字源)意味⑨あたい。ねだん。「価直」・・・「価直(カチ) 」!! おろろいたことに、広辞苑にも「価値・価直(かち)」って載ってた

 *じゃ「安直」ももしかしたら“アンチ”と読むのかと思ったら、こっちは“アンチョク”だけだった(広辞苑・大字源とも)・・・。
  ホントは“アンチ”とも読んでいたのかもしれないが、通用するうちに“アンチョク”だけの読みになってしまったんだろうな・・・
 *で、「安直(アンチョク)」のところに、
  安直(アンチョク):(国)①値が安い。安値。②簡単で便利。
  とあった・・・
 *今度は、①に読みの振りがなく載っていた「安値」の読みがどうなのか気になった・・・訓読みなら「安値(やすね)」で問題ないだろうが、音読みだと「アンチ」なのか「アンチョク」なのか・・・
 *ということで、今度は「値」の表外音“チョク”も調べることになった・・・


●値:小学…チ、ね 中学…あたい 準1…チョク、あ(う)
(漢検2)
値:チ  外)チョク ね・あたい(中) 外)あう
意味:①ね。あたい。ねうち。物のねだん。「価値」「値幅(ねはば)」 ②数の大きさ。「数値」 ③あう。出あう。「値遇」
掲載熟語等・・・略。表外音の“チョク”音の熟語は掲載ナシ

 *「値」の方にも「安値」掲載あるも熟語のみ、読みナシ・・・。
  “アンチ”なのか“アンチョク”なのか、どうにもわからん。
   意味合いからしたら、「安直(アンチョク)」に合わせて読んでおいた方がよいのだろうか、もし音読みとなったら・・・。
   そうすると、これは表外音“チョク”の熟語ということになるか・・・誰か読みわからないかな、手持ちの辞典では限界・・・

 *安値とは異なる、“値(チョク)”の熟語を以下発見・・・
  値日(チョクジツ):①宿直の日。当番の日。②(俗)日直。 *「値」に“あたる。役目や順番に当たる”という意味あり。
 *でも、
  値宿(チシュク):宿直する。とのいする。
  だって・・・。

 値:チ、チョクとも漢音のようで、しかも音による意味分けがないようなので、ちょっとややこしい・・・。

<余談>
ついでに、「値(あ)う」に対応する熟語を「値遇(チグ・チグウ)」以外に以下を発見した。

遭値(ソウチ):であうこと。値も、あう。遭会。 「匈奴の乖乱に遭値す」(漢・宣帝紀)

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古代の文献から・・・畏憚、矜大、朝宗、緝績、市糴・・・

2017年07月10日 | 漢検1級高得点獲得のためには
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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●またまた「俾弥呼」(古田武彦 著)を借り出して読んでる・・・もう何度目かわからないくらい・・・
●「古代史」のほうに、「魏志倭人伝」を載せた・・・真面に全文をゆっくり読んだのは久しぶり・・・15、6年ぐらい前から古田さんの著作物を読み始めているが、当初ざっと読み飛ばしていた倭人伝・・・要所については古田さんの著作中の引用文などの解説や解釈があるので当該箇所の文面に触れることは一再ならず、暗記するぐらい読み込んではいたが・・・

●で、気付いたら、漢検1級28-3で出題された「恐惶」の類義語の“いたん”・・・これも、倭人伝に載っている・・・

畏憚」・・・「・・・女王国自り以北には、特に一大率を置き、検察せしむ。諸国之を畏憚す。常に伊都国に治す・・・」

 ・当時、回答はすんなり出たけど、なぜあんなにすんなりと回答できたかと思うと、こういう文面で覚えていたからかも知れない・・・
 ・文例や文章中の熟語として記憶していると、ずいぶんと楽に回答できる・・・

●ちょっと前(27-3)の「恭謙」の対義語“きょうだい”もその類・・・倭人ではないが・・・以前、記事にしたとおり、

矜大」・・・何度も読んでいる古田武彦シリーズにもよくでてくる「旧唐書・日本伝」の中にある言葉・・・
「日本国は倭国の別種なり。 其の国、日辺に在るを以て、故に日本を以て名と為す。或いは曰く「倭国自ら其の名の雅ならざるを悪み改めて日本と為す。或いは云わく「日本は旧小国、倭国の地を併す」と。其の人の入朝するは、多く自ら矜大。実を以て対えず。故に中国焉を疑う。又云わく「其の国界、東西南北各数千里。西界南界、咸大海に至る。東界北界、大山有りて限りを為す。山外即ち毛人の国」と。」


●29-1文章題の「朝宗」もその類・・・

 ・倭王・武の上表文(宋書・倭国伝から)中に、「・・・累葉朝宗して歳に愆(あやま)らず。・・・」なんてある。が、この「朝宗」は、もう一つの意味のほうではあるが・・・よく読んで覚えていたときに、辞書を引いて、もうひとつの意味も理解しておけばな、と反省・・・

●ということで、魏志倭人伝に戻ると、全文中、とりあえず気になった熟語を2つほど紹介・・・「市糴」は前から知っていたけど、「緝績」という熟語があることは知らなかった・・・

緝績(シュウセキ)」 ・・・これ、過去記事にも掲載しているが・・・

「禾稲(カトウ)、紵麻(チョマ)を種(う)え、蚕桑・緝績(シュウセキ)して細紵(サイチョ)、縑緜(ケンメン)を出だす。その地には牛・馬・虎・豹・羊・鵲(ジャク)無し。兵に矛・楯・木弓を用いる。・・・」

 *緝績(シュウセキ)=(大字源)糸をつむぐ

市糴(シテキ)」

「・・・良田無く、海物を食して自活し、船に乗りて、南北に市糴す。・・・」
「・・・田を耕せども、猶 食するに足らず。亦、南北に市糴す。・・・」

 *市糴(シテキ):(大字源)穀物を買い上げる  (参考)市糶(シチョウ):(大字源)市場に売り出す米

●何も漢検1級受検のために読んでるわけではなく、逆に、もう一つの趣味である古代史をよく理解するため(文献などを読むため)に漢字も勉強しているというのが正しいのだが、ま、こういう趣味があると相乗効果で、漢検1級受検もやりやすいのは確かだ・・・。

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熟語の読み・一字訓読(その335):胥

2017年07月10日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・1級漢字用の「熟語の読み・一字訓読」シリーズです。
・(その223)からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その335)です。 このシリーズは1級配当漢字を対象としたシリーズ記事です。すでに、(その320)で一応完了したつもりでしたが、一部、漏れていたり不備などもあったりするので、その後の調査の成果(調査対象辞典の拡大、漢検2とも比較など・・・)も踏まえて、適宜、不定期に案内していくものです。
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●以前の記事(「2014年12月23日 新・手賀沼散歩(漢字修練)」)も含めて再整理したものです。

<胥:ショ、ソ、しおから、たが(いに)、みな、こやくにん>
(漢検2)
胥:ショ・ソ しおから・みな *「たが(いに)、こやくにん」訓の掲載ナシ。でも下記のとおり、熟語はアリ・・・。
意味:①しおから。塩づけの肉。 ②たがいに。あい。「胥謀」 ③みな。ともに。 類)諸  ④小役人。「胥吏
下つき:華胥(カショ)
大見出し:
胥吏(ショリ):①役所の小役人。 ②中国、宋(ソウ)代以降、役所の長によって採用された下役人。
華胥(カショ):平和で自由な理想郷。華胥の国。「・・・の夢(楽しい、めでたい夢)」
華胥の国に遊ぶ(カショのくににあそぶ):よい気持ちで昼寝をすること。

・しおから:
 蟹胥(カイショ):蟹のしおから(大)

・たが(いに):
 胥胥(ショショ):相楽しむ  *他に「胥胥」:「解け散じるさま」(大)の意もあり ←蟹の肉のところで使われている。 
 胥虐(ショギャク):相虐する
 胥怨(ショエン):相うらむ
 胥匡(ショキョウ):相互にただす
 胥葉(ショヨウ)・胥成(ショセイ):葉が相重なり茂ること
 胥命(ショメイ):(春秋のとき、諸侯が相会して(血を歃(すす)って盟わず)ただ、約束することをいう。

・みな:
 胥役:①みな役に服する
 胥戚:みながうれえること
 淪胥(リンショ):①相ともに率いる。②相ともに滅びること。胥は、相の意。
  ー文例ー 
 ・吾れ死せば本藩は悉く淪胥と覚え候
 ・彼の泉流の如し、淪胥して破るることなからんや (相率いてともに亡ぶの意。詩経・小雅)

・こやくにん:
 胥役:②下役・小吏
 胥吏(ショリ):役所の小役人。下役。胥鈔(ショショウ)。君主から正式に任命された者でなく、役所の長によって採用された役人。
 胥人(ショジン):小役人。小人。胥隷。
 胥徒(ショト):小役人や小使
 胥蠧(ショト):悪役人
 猾胥(カツショ)=わるがしこい小役人 
 胥里:年貢係(字通)
 里胥(リショ):村の小役人(大字源)
 
・その他(上記の訓のいずれかに対応すると思われるが、区分・分類が難しい熟語)
 胥靡(ショビ):
  (大漢和)①刑徒の称、宮刑を受けた者(一説に、相随って軽刑に坐した者、更に、一説に、相つながれた者) 
       ②空しく何もないこと、貧をいう 
       ③城の名
  (大字源)宮刑を受けた者。一説に、相従うの意で、鉄の鎖で数珠つなぎにする。また、その刑を受けた者。刑徒。囚徒。
       また一説に、貧困の意とし、頭の空っぽな人間をいう。

 薫胥(クンショ):他人の罪に連座して罪せられること。胥は、ともにの意。淪胥(リンショ)。
          一説に、腐刑に処せられること。(参考:薫腐(クンプ)=去勢する刑罰。腐刑。宮刑。)

 胥附(ショフ):親附する(下を率いて上に親しませること、又、疎遠な者を親しませること、その臣)
         *「たがいに」の意か?「臣」の意味なら「こやくにん」の意か・・・?

 跟胥(コンショ):
 (*「跟」のところで、以下、整理している。
  「跟従=したがう、ともの者、従者=跟胥(コンショ)=跟人=跟随(コンズイ)=人を頼り、後ろについていくこと。また、従者。」)

 胥疏(ショソ):野菜を探し求める。疏は、蔬に同じ。

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倭人伝(紹煕本三国志)

2017年07月09日 | 古代史
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魏志倭人伝(ぎしわじんでん):中国の歴史書『三国志』中の「魏書」第30巻烏丸鮮卑 東夷伝倭人条の略称。

「俾弥呼(ヒミカ)」(古田武彦 著) 巻末資料2 倭人伝(紹煕本三国志)読み下し文  
*ウイキ等に掲載されてるものとはだいぶ異なる
*文中(注)は当方。
*今後、文中の熟語などの(注)を、更に、随時、追加・補筆していく予定・・・。
(2017.7.9 第1回掲載)
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倭人(い(ゑ)じん)は帯方の東南大海の中に在り、山島に依りて国邑を為す。旧(もと)百余国あり、漢の時朝見する者あり。今使譯通ずる所、三十国。

郡より倭に至るには、海岸に循いて水行し、韓国を歴るにて、乍ち南し、乍ち東し、その北岸、狗邪韓国(コヤカンコク)に到る、七千余里。

始めて一海を度る、千余里。対海国(タイカイコク)に至る。その大官は卑狗(ヒコ)と曰い、副は卑奴母離(ヒヌモリ)と曰う。居する所絶島、方四百余里なる可し。土地は山険しく、深林多く、道路は禽鹿の径(ケイ)の如し。千余戸有り。良田無く、海物を食して自活し、船に乗りて、南北に市糴す。

(注)市糴(シテキ):(大字源)穀物を買い上げる (参考)市糶(シチョウ):(大字源)市場に売り出す米

又、南、一海を渡る。千余里、名づけて瀚海と曰う。一大国(イチダイコク)に至る。官を亦卑狗と曰い、副は卑奴母離と曰う。方三百里なる可し。竹木・叢林多く、三千許りの家有り。差(やや)田地有り、田を耕せども、猶食するに足らず。亦、南北に市糴す。

又、一海を渡る、千余里、末盧(マツロ)国に至る。四千余戸有り。山海に浜(そ)うて居る。草木茂盛し、行くに前人を見ず。好んで魚鰒を捕え、水深浅と無く、皆、沈没して之を取る。

東南陸行、五百里、伊都(イト)国に到る。官は爾支(ニシ)といい、副は泄謨觚(セモク)、柄渠觚(ヘコク)という。千余戸有り。世に王有るも、皆、女王国に統属す。郡使の往来、常に駐まる所なり。

東南、奴(ヌ)国に至ること、百里。官は兕馬觚(ジマク)と曰い、副を卑奴母離と曰う。二万余戸有り。東行、不弥(フミ)国に至ること、百里。官は多模(タモ)と曰い、副は卑奴母離と曰う。千余家有り。南、投馬(ツマ)国に至ること、水行二十日。官は弥弥(ミミ)と曰い、副は弥弥那利(ミミナリ)と曰う。五万余戸なる可し。南、邪馬壹国(ヤマイチコク)に至る、女王の都とする所、水行十日・陸行一月。官は伊支馬(イキマ)有り。次を弥馬升(ミマシ)と曰い、次を弥馬獲支(ミマカキ)と曰い。次を奴佳鞮(ヌカテ)と曰う。七万余戸なる可し。女王国自(よ)り以北、その戸数・道里、得て略載す可し。その余の旁国は遠絶にして、得て詳(つまびら)かにす可からず。

次に斯馬(シマ)国有り、次に巳百支(イハキ)国有り、次に伊邪(イヤ)国有り、次に郡支(グキ・クキ)国有り、次に弥奴(ミヌ)国有り、次に好古都(コウコト)国有り、次に不呼(フカ)国有り、次に姐奴(セヌ・ソヌ)国有り、次に対蘇(タイソ)国有り、次に蘇奴(ソヌ)国有り、次に呼邑(カイフ)国有り、次に華奴蘇奴(カヌソヌ)国有り、次に鬼(キ)国有り、次に為吾(イゴ)国有り、次に鬼奴(キヌ)国有り、次に邪馬(ヤマ)国有り、次に躬臣(クシ)国有り、次に巴利(ハリ)国有り、次に支惟(きゐ)国有り、次に烏奴(ウヌ)国有り、次に奴(ヌ)国有り、此れ、女王の境界の尽きる所なり。

その南、狗奴(コヌ)国有り、男子王為(た)り。その官に狗古智卑狗(ココチヒコ)有り。女王に属さず。郡より女王国に至る。万二千余里。

男子は大小と無く、皆、黥面文身す。古(いにしえ)自(よ)り以来、その使中国に詣(いた)るや、皆、自ら大夫と称す。夏后少康の子、会稽に封ぜられ、断髪文身して、以って蛟龍の害を避けしむ。今、倭の水人、好んで沈没して魚蛤(ギョコウ)を捕え、文身し亦以って大魚・水禽を厭(はら)う。後、稍(やや)以って飾りと為す。諸国の文身は各(おのおの)異なり、或いは左にし、或いは右にし、或いは大に、或いは小に、尊卑差有り。その道里を計るに、まさに会稽、東冶(トウチ)の東に在るべし。

その風俗淫ならず。男子は、皆、露紒(ロカイ)し、木緜(綿)を以って頭に招(か)け、その衣は横幅、但結束して相連ね、略(ほぼ)縫うこと無し。婦人は被髪屈紒(クッカイ)し、衣を作ること単被の如く、その中央を穿ち、頭を貫きて之を衣る。
(注)紒:(大字源 🈩ケイ(漢・呉音)①ゆう。髪を結う。②さとくない 🈔ケツ(漢音)🈩①に同じ。 🈪カイ(漢・呉音)印のひも。)

禾稲(カトウ)、紵麻(チョマ)を種(う)え、蚕桑・緝績(シュウセキ)して細紵(サイチョ)、縑緜(ケンメン)を出だす。その地には牛・馬・虎・豹・羊・鵲(ジャク)無し。兵に矛・楯・木弓を用いる。木弓は下を短く上を長くし、竹箭は或いは鉄鏃、或いは骨鏃なり。有無する所は儋耳(タンジ)・朱崖(シュガイ)と同じ。

(注)縑(ケン):①かとり。かとりぎぬ。・・・ ②きぎぬ。 ③きぬ。

倭地は温暖、冬夏生菜を食す。皆、徒跣(トセン)。屋室有り、父母兄弟、臥息(ガソク)処を異にす。朱丹を以てその身体に塗る、中国の紛を用うるが如きなり。食飲には籩豆を用い手食す。

(注)籩 (ヘン:竹を編んだ高坏) 豆(トウ:木をくり抜いた高坏)

その死には、棺有るも槨無く、土を封じて冢(チョウ)を作る。始め死するや停喪(テイソウ)十余日、時に当りて肉を食らわず、喪主哭泣し、他人就いて歌舞飲酒す。已に葬れば、挙家水中に詣(いた)りて澡浴し、以て練沐の如くす。

(注)練沐:白い絹の喪服を着て沐浴する(中国の練沐)

其の行来・渡海、中国に詣るには、恒に一人をして、頭を梳らず、蟣蝨(キシツ)を去らず、衣服垢汚、肉を食らわず、婦人を近づけず、喪人の如くせしむ。これを名づけて持衰(ジサイ)と為す。若し、行く者吉善ならば、共にその生口・財物を顧し、若し疾病有り、暴害に遭えば、便ち、これを殺さんと欲す。その持衰謹まず、と謂えばなり

真珠・青玉を出す。その山に丹有り。その木には枏(ダン)・杼(チョ)・予樟・楺(ボウ)・櫪・投・橿・烏号・楓香有り。その竹は篠・簳・桃支。薑・橘・椒・蘘荷(ジョウカ)有るも、以て滋味となすを知らず。獮猴(ビコウ)・黒雉(コクチ)有り。

(注:ウイキの解釈文から)タブノキ(枏=楠)、コナラ(杼)・・・(ウイキでも?となっている語あり)・・・、ヤマグワ(烏号)、ヤダケ(簳)、真竹?(桃支)、蘘荷(=茗荷?)、獮猴(アカゲ猿)   ・・・要・継続調査・・・
 *ウイキも原典(紹煕本)も「“獮”猴」となっている・・・が、「“獼”猴(ビコウ):(大字源)さるの一種。おおざる。」の事と解しているものと思われる。
 *「蘘荷(ジョウカ)」:(大字源)草の名。みょうが。

その俗挙事行来、云為する所有れば、輒(すなわ)ち骨を灼きて卜し、以て吉凶を占い、先ず卜する所を告ぐ。その辞は令亀(レイキ)の法の如く、火坼(カタク)を視て兆を占う。

(注)令亀法:中国の占い。 火坼:火によって出来た裂け目

その会同・坐起には、父子・男女別無し。人性酒を嗜む。(魏略に曰う。「其の俗、正歳、四節を知らず。 但 春耕・秋収を計りて年紀と為す)
大人の敬する所を見れば、但 手を搏ちて以て跪拝に当つ。その人の寿考、或いは百年、或いは八、九十年。その俗、国の大人(タイジン)は皆四、五婦、下戸(ゲコ)も或いは二、三婦。婦人は淫せず、妬忌せず。盗窃せず、諍訟少なし。其の法を犯すに、軽き者はその妻子を没し、重き者はその門戸及び宗族を没す。尊卑各(おのおの)差序有り、相臣服するに足る。租賦を収む。邸閣有り。国国は市有り。有無を交易す。使大倭(シタイイ(ゐ))之を監す。

女王国自り以北には、特に一大率を置き、検察せしむ。諸国之を畏憚す。常に伊都国に治す。国中に於いて刺史の如き有り。王の使を遣わして、京都・帯方郡・諸韓国に詣らしめ、郡の倭国に使するに及ぶや、皆、津に臨みて捜露す。伝送の文書・賜遺の物、女王に詣るに、差錯(ササク)するを得ざらしむ。

下戸、大人と道路に相逢えば、逡巡して草に入り、辞を伝え事を説くには、或いは蹲り、或いは跪き、両手は地に拠り、之が恭敬を為す。対応の声を噫(アイ)と曰う。比するに然諾(ゼンダク)の如し。

其の国、本亦男子を以て王と為し、住(とど)まる七・八十年。倭国乱れ、相攻伐すること歴年、乃ち一女子を共立して王と為す。名づけて卑弥呼(ヒミカ)と曰う。鬼道に事え、能く衆を惑わす。年已に長大なるも夫婿(フセイ)無く、男弟有り、佐(たす)けて国を治む。王と為りしより以来、見る有る者少なく、婢千人を以て自ら侍せしむ。唯(ただ)男子一人有り、飲食を給し、辞を伝え、居所に出入りす。宮室・楼観・城柵、厳(おごそ)かに設け、常に人有り、兵を持して守衛す。

女王国の東、海を渡る、千余里。復(ま)た国有り、皆倭種。又侏儒(シュジュ)国有り。その南に在り。人長は三・四尺。女王を去る、四千余里。又、裸(ラ)国・黒歯(コクシ)国有り。復(ま)た、その東南に在り。船行一年にして至る可し。

倭地を参問するに、海中洲島の上に絶在し、或いは絶え或いは連なること、周旋五千余里なる可し。

景初二年六月、倭の女王、大夫難升米(ナンシメ)等を遣わし郡に詣り、天子に詣りて朝献せんことを求む。太守・劉夏、吏を遣わし、将(ひき)いて送りて京都に詣らしむ。

其の年十二月、詔書して倭の女王に報じて曰く、「親魏倭王卑弥呼に制詔す。帯方の太守劉夏、使を遣わし、汝の大夫難升米、次使・都市牛利(トイチギュウリ)を送り、汝献ずる所の男生口四人、女生口六人、班布二匹二丈を奉じ、以て到る。汝の在る所遠きを踰(こ)え、乃ち、使を遣わして貢献せしむ。是れ汝の忠孝、我甚だ汝を哀れむ。今、汝を以て親魏倭王と為す。金印紫綬を仮し、装封して帯方太守に付して仮授す。汝、其れ種人を綏撫し、勉めて孝順を為せ。汝が来使難升米・牛利は遠きを渉り、道路勤労す。今、難升米を以て率善中郎将と為し、牛利を率善校尉と為し、銀印青綬を仮し、引見労賜して、遣わし還す。今、絳地(コウチ)交龍錦五匹・絳地縐粟罽(シュウゾクケイ)十張、蒨絳(センコウ)五十匹、紺青(コンジョウ)五十匹を以て、汝が献ずる所の貢直に答う。又、特に汝に紺地句文錦(コンジコウモンキン)三匹・細班華罽(カケイ)五張・白絹五十匹・金八両・五尺刀二口・銅鏡百枚・真珠・鉛丹各(おのおの)五十斤を賜い、皆装封して難升米・牛利に付す。還り到らば、録受し、悉く以て汝が国中の人に示し、国家汝を哀れむを知らしむ可し。故に、鄭重に汝に好物を賜うなり」と。

 (注)「絳地(コウチ)交龍錦五匹」 (臣松之、以為(おもえ)らく、地は応(まさ)に綈(テイ)と為すべし。漢の文帝、皁衣を著す。之を弋綈(ヨクテイ)と謂うは是なり。此の字、体ならず。魏朝の失に非んば、即ち伝写者の誤なり。)

正始元年、太守・弓遵、建中校尉・梯儁等を遣わし、詔書・印綬を奉じて倭国に詣り、倭王に拝仮し、并(なら)びに詔を齎(もたら)し、金帛・錦罽(ギンケイ)・刀・鏡・采物を賜う。倭王、使に因って上表し、詔恩を答謝す。
 
 (注)正始元年(240)

其の四年、倭王、復(ま)た使大夫伊声耆(イセイキ)・掖邪拘(エキヤコ)等八人を遣わし、生口・倭錦(イ(ゐ)キン)・絳青縑(コウセイケン)・緜衣(メンイ)・帛布・丹・木拊(モクフ)・短弓矢(タンキュウシ)を上献せしむ。掖邪狗等、率善中郎将の印綬を壹拝(イチハイ)す。」

(注)絳青縑:赤、青の目の細かい絹。

其の八年、太守王頎(オウキ)官に到る。倭の女王卑弥呼、狗奴国の男王卑弥弓呼と素より和せず。倭載(イ(ゐ)サイ)斯烏越(シオエツ)等を遣わして、郡に詣り、相攻撃することを説かしむ。塞曹掾史(サイソウエンシ)張政等を遣わし、因りて詔書、黄幢を齎し、難升米に拝仮し、檄を為して之を告諭せしむ。

卑弥呼、死するを以て、大いに冢を作る。径百余歩。徇葬する者、百余人。更に男王を立てしも、国中服せず。更に相誅殺し、当時、千余人を殺す。復(ま)た、卑弥呼の宗女、壹与(イチヨ)年十三なるを立てて王と為し、国中遂に定まる。政等は檄を以て壱与に告諭す。

壹与、倭の大夫、率善中郎将掖邪拘等二十人を遣わし、政等の送りて還らしむ。因りて、臺に詣り、男女生口三十人を献上し、白珠五千孔、青大句珠(コウシュ)二枚、異文雜錦二十匹を貢す。

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語選択候補 延佇 延攬

2017年07月09日 | 語選択
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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<佇:チョ、たたず(む)、たちど(まる)、ま(つ)>
(漢検2)
意味 :たたずむ。たちどまる。また、まつ。「佇立」
下つき:延佇(エンチョ)

(大字源)
延佇・延竚(エンチョ):①長い間たたずむ (楚辞・離騒「延佇乎吾将反」) ②首を伸ばして待ち望


楚辞・離騒(滄浪のうた)「延佇乎吾将反:延佇して 吾 将に反らんとす」(ここで立ち止って私は引き返そう)


<攬:ラン、と(る)、す(べる)、つま(む)>
(漢検2)
意味 :とる。つまむ。また、まとめる。す(統)べる。「攬筆」「攬要」
下つき:延攬(エンラン)・収攬(シュウラン)・総攬(ソウラン)

延攬:(一度しか掲載してなかったので、再度、掲載しておく)

「漢検1級28-②に向けて  分野別“超難問”シリーズ その5&その6 (漢検2準拠)」2016年10月23日 | 語選択
<語選択問題その5>
延攬(えんらん) :①人をひきつけて味方にする ②引き立てる

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熟語の読み・一字訓読(その92:準1以下):苧  “ソ、そ”読み “ま”読み・・・

2017年07月09日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1までに間に合わず、かつ、事故のため中断していたシリーズを再開しています。漢検2の頁とは順不同です。
●準1以下の漢字については、自分の調べたいところ(不明なところ、興味あるところ抔)のみ、調べて記載していますのでお含み置きください。
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<苧:チョ からむし、お>
(漢検2)
意味:①からむし。イラクサ科の多年草。「苧麻」 ②お。カラムシやアサの繊維をより合わせて作った糸。「苧殻」

(大字源)
 音:チョ(漢音) 読み:からむし (和語)お   ・・・“ソ”音ナシ、“そ”読みナシ、苧麻(まお)あり。

*以下はすべて漢検2掲載熟語(用語)・・・国語辞典などもほぼ同様の読み、意味・・・
*覚えちゃってるからいいけど、どうにも、この読み方、どうしてこういう読みなのか、調べてもよくわからない・・・どうも、歴史的民俗用語ということで理解しておくしかないようだ・・・古くから読まれている(あるいは当てられている)言葉ということか・・・

*それにしても

  刻苧(コクソ)・・・これ、音読みってことなのか?しかも< >に熟字・当て字でもないってことなのか?

*それから、
 
  苧麻(チョマ)・・・当て字・熟字だと<苧麻(からむし)>となっていて、「まお・・・」とも読むとなっているが・・・これも歴史的民俗用語ということか・・・


<漢検2掲載>
刻苧(コクソ):漆に木粉などをまぜたもの。漆塗りの下地に用いる。 <表記>「木屎・粉糞」とも書く。

〈生皮苧(きびそ)>:繭から生糸をとるときに出る糸くずなどを、集めて乾燥させたもの。絹糸紡績などの原料とする。

〈赤麻〉・〈赤苧>(あかそ):イラクサ科の多年草。山地に自生。茎と葉柄は赤みをおびる。古くは茎から繊維をとった。「赤麻」は漢名から。

〈青麻〉・〈青苧〉(あおそ):アサの粗皮(あらかわ)を水にさらし、薄く裂いて作った繊維。由来:青みを帯びた色をしていることから。

苧・〈苧麻〉(からむし):イラクサ科の多年草。原野に自生。夏、淡緑色の小花を穂状につける。茎から繊維をとる。
              木綿以前の代表的な繊維。チョマ。マオ。季)夏

苧麻(チョマ):カラムシの別称。また、その茎からとった繊維。「まお・からむし」とも読む。

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