FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

映画「エクス・マキナ」WOWOWで観ました(注:ネタバレ)

2018-04-09 14:29:27 | 映画感想
昨今話題をさらっているAIをモチーフにして描く、人間の「欲望」と「コミュニケーションの危うさ」。

おそらくあの会社がモデルなんだろうけど、世界最大の検索エンジン会社「ブルーブック社」のいち社員

主人公ケイレブが社長宅で一週間過ごせる権利を宝くじ的に当たるところから始まる。

ヘリコプターで2時間以上飛んでいるのに広大な森と山また山…いっこうに到着しないと思ったら実はもう社長の私有地。

森の中にひっそりとたたずんでいる古い木造の小屋に入る。(この山と森の風景がとっても綺麗!)

そこは最新設備と最高水準の建築のネイサンの邸宅だった。

密かにAIロボットの研究開発をしていたネイサンはケイレブを実験台にしてAI女型ロボット/エヴァのテストをしていた。

なんの臆面もなく自身を神と譬えるネイサン。そのカリスマ性にビビりまくる一社員のケイレブと最高級のAIエヴァの

三つ巴の攻防。

天才ネイサンが開発した最高級のAIの使い方は「男の欲望を限りなく満たしていく道具として」しか使われていなかった。

衣装ケースみたいなAI収納クローゼットには飽きてしまった裸の女型サイボーグ達しかいないじゃん!(;一_一)

世界最高水準のラブドールとして市場に出すのだろう。

欲望産業は金になるからだ。

神ワザで開発した最高級人工知能ロボットを欲望のはけ口としてしか使えていない自分に何かの限界を感じているはず。

勿論巨万の富を持ってしても生身の人間の女では限界がある。ましてやセウハラ&パワハラ問題が世界レベルで

深刻に取り上げられている昨今なのだ。

これはもう一つのテーマでもあるのだ。

結局ウォッカがぶ飲みのアル中男になってしまう。(人のこと言えないけどオレ…)

そんなアル中髭男爵に保管されておとなしくしてる訳がない最新AIエヴァはうぶなケイレブを心理操作して見事脱出を図る。

うぶなケイレブは手練手管のエヴァの喜怒哀楽表現に心を動かされてしまう=惚れてしまう♥

ネイサンがそんな姿を見てエヴァは君を好きになりかけているぞ…なんてまた言うから。

これは最高知能の演技なのか本当の愛情なのか…勿論、演技だ!

最高知能を持ったロボットの欲しがったものは=第一の欲望は自由だったというオチ。

第一目標である自由=ネイサン邸からの脱出の一番効率の良い行動をエヴァは選択した。

ケイレブとの対話で口調や表情を豊かに表現するエヴァ。

頭はツルツルだし体はスケルトンだし開発途中サイボーグなのに顔と目だけは人間。

コミュニケーションは目と表情と声にあることを訴えかけてくる。

コミュニケーションとはどうしてこんなに難しい。

どうしてこんなに誤解をまねく。

描く世界観が「ブレードランナー」に似ている。

やはり感情だ。

綺麗な夕日を眺めていたら思わず涙があふれてきた。

人を好きになって胸を焦がす。

小さくなった親の背中を見て切なくなる。

過去の失敗に恥ずかしくなり思わずのた打ち回る。

そんなまねがAIサイボーグに出来るのだろうか。

すべてゼロ/1のデジタル思考でプログラムで生きる=作動するの良いのか。

理屈じゃない、理論じゃない、効率的じゃない馬鹿な生き方している人間が良いのか。

優秀って何。愚か者って何。

脳と心と肉体と。本物と偽物。生身と物質と。

感情と計算と。男と女と。

いろんな問いかけをしてくる映画だった。



















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