脳内ロフト部屋にはほこりも被らず最高の状態で
書庫が整頓されている。
一度、入ってしまうと中々出たくなくなる。
そう小説「シャイニング」でも父親がホテルの屋根裏に放り込まれた
スクラップブックやアルバムを貪り読む重要場面がある。
過去に戻りたがるのだ。
シンドイ現状から逃げたがるのだ。
油断すると脳内ロフトから過去の時代とごっちゃになるかもしれない。
酒を飲んでもそうだが正気と狂気の世界を行ったり来たりが癖になる。
他人に迷惑かけなければ勝手にやればいいのだが俺みたいに現実の世界、
酒を媒体にして?狂気の世界に行ったり来たりすると店の出禁を喰らうのだ。
シャイニングのジャックトランスはホテルの幽霊から酒と懐かしくも華々しい
ホテルの過去の栄光を引き換えにして息子と妻を殺そうとする話だ。
酒は「スピリット」だ。だから、魂を売り渡したのだ。誰に?悪に。
一線を踏み越えてはおしまいだ。
ギリギリのところで踏みとどまれるかどうかが人生を豊かにするか台無しにするか決まる。
スピリットを引き換えにして体内にいれるのはスピリットだ。
毒になるか薬になるか、言葉では分かっているのに。
自分自身のスピリット以上に体内に入れすぎて現世に戻ってこれないなんて
ならないように一杯目を放り込むとき少し祈る。
また朝が迎えられますようにと。
また元気よく一週間が始まりますようにと。