S・キングの「シャイニング」が好きだ。
真面目な性格の、重度のアル中の父親。
その暴力を受けて大怪我をした息子。
その間に立って、悩み続ける母親。
ある意味、三角関係に悪霊が隙をついて入り込む。
酒。家庭破綻。過去憐憫。閉ざされた空間。貧困。
完全に、家庭内暴力。幼児虐待。社会問題の先取りをした小説。
この小説が世に、日本に出てきたときには幼児虐待という言葉は新聞には
無かった。
先取り。というか、キングの小説は予言に満ちている。
芸術家も小説家も詩人も、予言に満ちている。
俺だって、親父との戦いをしてきているし今もしている。
だから、この「シャイニング」は絵空事じゃない。
いつまでも読み継がれると思う。
他の家庭でもあるはずだ。
他の家庭なんて興味なしだが。
うちの糞ジジイの親父だって、過去を背負うって生きている。
未来と過去の激突。
これが父と息子の戦争。
それはメタファーで、この形が世界で渦巻いている。