劇場で観れたのが良かった。
抜群の演技と歌唱力を持った藤田ニコル。
ハッキリ言ってファニーフェイスだ。
性別を超えた魅力。
母親を超えたスター性。。
踊りながら歌い始めたときのオーラの爆発。
なんとも不思議なラブストーリーにきっちと公を入れている。
この公とは勿論ナチス台頭の空気だ。
日本のドラマや小説の弱さは公を物語の中に入れてないところだとある作家は言ったがそうだと思う。
時代性が見えてこないと個人の描写も薄いものになてしまう。
LGBTQだって中絶だって昔から存在していたが時代がどう捉えていたのかを描くことが時代性を描くことだ。
社会性がきちっと描かれているから個人の恋愛ストーリーも浮き立つのだ。
そしてライザ・ミネリの生い立ちと物語が映像で化学反応を起こし名作が生まれた。
第二次世界大戦の悲惨さも映像に出さなくても伝わってくる。
芸術が花開いた時代であるのにナチスも生まれた時代なのだというところがこの映画の土台
でも最後はライザ・ミネリの歌で圧倒されビシッと決まる。