寿命は決められない。
ただ想像することはできる。
自分の食生活や仕事や酒やストレスやら体重とかでまあこのくらいかと。
65才ならもう十年切っている。
そう考えると金も大事だが時間が大事になる。
街で十代二十代の子たちの顔を見る。まだ時間は無限にあるという無自覚な自覚がにじみ出ている。死や老いは世界にない顔だ。
体の不調や身近な人との別れの連続を肌で感じる日々がやってくる。
思い通りにいかない人生がやってくる。
競争と比較を若いときと同じように引き合いに出すと地獄を見る。
積み上げてきたものと積み上げてこなかったもので勝負すると無間地獄。
優越感という快楽に溺れたいがために頑張ってきたなら空しすぎる。
いやそれにいち早く気付いたからほとんどを捨てたのだ。
本当に必要なものだけ。
それも必要なくなった時は。
そう裸で生まれて裸で去るのだ。な。
そう妄想すると一秒が二十代の時の意味と違ってくる。
やはり終わりがあるから気楽になれる。
気持ちが楽になる。少し楽しくなる。
