日本の問題と解決策を考える

一石五鳥の地球温暖化防止策を考える
 
日本の真の活性化を考える  吉川忠雄

★「そこまで言って委員会」での誤った「米海兵隊の沖縄基地必要論」を批判する

2015-05-27 09:26:00 | 日記

★「そこまで言って委員会」での誤った「米海兵隊の沖縄基地必要論」を批判する

先日の「そこまで言って委員会」というテレビ番組の中でのこと。

パネリストの一人(女性芸能人)が「沖縄県民の気持ちを考えると・・・普天間基地の移転先はグアムでもよいのでは」と発言しました。

これに対し親米保守派の論客たちがこぞってこう主張しました。

「尖閣有事の時にグアムからでは海兵隊が行くのに4時間も掛かるのですよ。

沖縄本島からならオスプレイは1時間で行けるのが、グアムでは間に合わないんですよ」と主張。

「これだから安保の素人は困る」みたいなバカにした態度も見られました。

確かに彼女はこれに反論できませんでした。

しかし、安保に詳しい者から言えば・・・「米海兵隊が有事に真っ先に馳せ参じて活躍するもの」と思っているならそれこそド素人的であり・・・実は素人騙しの主張と思います。

あってはならないことですが、仮にもし不幸にして尖閣で有事となった時には、どうするか。

最初に出動するのは航空自衛隊であり、海上自衛隊であって

・・・米軍はあくまで偵察を強化し、警戒と戦闘準備をする立場なのです。

しかも米軍が出動するとしても、まず、沖縄嘉手納米空軍基地からの出撃であって、制空権が第一、第7艦隊による制海権が第二です。

グアムの米海兵隊の一部は普天間基地も辺野古基地も無くても、広大な沖縄の米軍基地があるわけで、そこに臨時的に移動して待機することになるでしょう。

しかし、領有権を争っている無人島をめぐる局地的戦闘で、自衛隊がいるのに・・・米軍が戦闘に加わることはまずありません。

大きな戦闘になって来て、かつ米国が日本のために中国との戦争を覚悟してはじめて、そんな事態が考えられるのです。

その後、自衛隊が島の奪還作戦をするとして、もし必要があれば米海兵隊の支援を求めることになります。

(ですから、米海兵隊の出る幕は日本のためにはほとんどないし、あっても最後の頃でしょう)

したがって、米海兵隊がグアム等に移ったとしても日本の安全に何ら支障が無いわけです。

「米海兵隊が尖閣有事になったら直ちに馳せ参じてくれる・・・とかそうでないと間に合わない」と思わせる議論は素人騙し、本土人騙しの主張です。

安倍政権が強行しようとしている辺野古新基地建設は「米海兵隊の沖縄基地必要論」を大義名分としていますが・・・素人騙し、本土人騙し口実にすぎません。

本当は米軍が沖縄県民の負担と日本人の税金で良い基地とサービスを受けるためのものなのです。 

日本が米国に追随を深めるためのものなのです。

そして歴代の政権や安倍政権がこのようなう対米追随姿勢であるからなおのこと・・・集団的自衛権の行使を可能にする新安保法案は危険なのです。

米国がベトナム戦争やイラク戦争であったように、口実は立派でも実は誤りやウソがあり、実際は不適切な、あるいは正当と言えない戦争を始めた場合、米国の要請をどこまで拒否できるのか・・・大変心配です。